この記事をまとめると
■日野と三菱ふそうの統合が最終合意に達して2026年4月に持株会社設立の見込み
【環境への影響は大きそうだがなぜ?】トラックやバスのEV化が進まない理由とは
■新会社のCEOには三菱ふそうのカール・デッペン氏が就く
■大型トラックにおける水素燃料電池の技術と普及に期待だ
ディレイが続いた統合がようやく最終合意へ
ダイムラートラック社、三菱ふそうトラック・バス株式会社、日野自動車株式会社、トヨタ自動車株式会社は、商業車事業協業に関する共同記者会見を2025年6月10日19時より実施した。
2023年5月に締結された、三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)と日野自動車(以下、日野)の統合に向けた基本合意書においては、2024年中の統合が予定されていたが、今回ようやく最終合意に至ったというわけだ。持株会社による統合のスタートは、2026年4月と発表されている。
このように当初の予定よりもスケジュールが押してしまった背景には、競争法など法令に関する許認可に時間を要したことはもちろん、そもそも統合に向かう背景となった、日野の悪質な認証不正問題をクリアにする対応に時間がかかったことも影響している。
あらためて最終合意の内容を公式発表から引用すると以下のようになる。 ●三菱ふそうと日野は対等な立場で統合し、商用車の開発、調達、生産の分野で協力
●新会社は三菱ふそうと日野を100%子会社とする持株会社として2026年4月に事業開始を目指す
●ダイムラートラックとトヨタは、統合された三菱ふそうと日野の(上場)持株会社の株式をそれぞれ25%保有することを目指す
●持株会社は三菱ふそうと日野の株式を100%保有する予定
●持株会社は東京証券取引所プライム市場への上場を目指す
●新会社代表者 : カール・デッペン(三菱ふそうCEO)
●本社所在地 : 東京(日本) ご存じのように、三菱ふそうはダイムラートラック傘下であり、日野はトヨタ自動車の傘下である。ふたつの商用車メーカーを統合するというだけでなく、トヨタとダイムラートラックの連携にもつながる大プロジェクトでもある。
自動車業界の大変革が猛スピードで進んでいるなかで、年単位でスケジュールがずれてしまうというスピード感には疑問を覚える人もいるかもしれないが、ひとまずは最終合意と統合スケジュールが明らかとなったことを評価すべきだろう。
4社合同でどのような未来を描く?
さて、三菱ふそうと日野が力を合わせて進める目標をシンプルにいえば、「輸送のカーボンニュートラル化、CASE技術を利用した物流効率化」にある。三菱ふそう、日野ともに小型のEVトラックを販売するなどしているが、さらに広い領域や地域に対して物流のカーボンニュートラルを進める製品やサービスを提供することが期待される。
ダイムラートラックとトヨタ自動車も含めて4社のテクノロジー領域を眺めたときに、この統合で期待したいのは水素の活用だ。小型トラックなどはEVが最適解というのが世界的な流れだが、長距離輸送を担う大型トラックにおいては、航続距離を稼ぐためには大量のバッテリーが必要というEVの特性がアンマッチという意見は根強い。
大型トラックには、水素燃料電池の活用やカーボンニュートラル燃料を使ったゼロエミッション化というアプローチの相性がよい。そうした水素領域のテクノロジーについて、ダイムラートラックとトヨタ自動車は非常に多くのノウハウと実績がある。三菱ふそうと日野の統合は、グローバルにおける大型トラックを使う長距離輸送においてイノベーションを起こし、真にユーザーが使えるソリューションを提供することが期待できるのだ。
三菱ふそうと日野の統合にとどまらない発展性があるからこそ、ダイムラートラックとトヨタ自動車の各CEOが出席しての記者発表となったのだろう。
国内事情において個人的に気になっているのは物流のラストワンマイル(エンドユーザーへの配送)についてだ。
トヨタグループではダイハツが生産する軽バンEVを用いることを想定している。一方、三菱ふそうは三菱自動車のミニキャブEVとセットでバッテリー交換ソリューションの実証を進めている。
川上から川下まで物流の効率化を図り、カーボンニュートラルを推進するためには、ラストワンマイルについても技術の共通化を進めることが重要といえる。よって、この部分についての統一も物流の効率化には欠かせないだろう。
なにより重要なのは悪質ともいえる認証不正、それに類する問題を二度と起こさないような企業へと変身することだ。前述したように、三菱ふそうと日野を統合する持株会社のCEOは、三菱ふそうのカール・デッペン氏が兼務すると発表されている。これは、ダイムラートラックによって日野の体質改善を進めていくという意思表示といえる。
思えば、三菱ふそうについても過去に悪質なリコール隠しがあったが、ダイムラーの統治によって体質を変えていったと評価されている面もある。4社のチカラを結集するという今回の統合は、認証不正を生んだという日野の企業風土を、果たして正すことができるのだろうか。
現時点は未発表となっている持株会社の社名が明らかになる頃には、4社のパワーバランスを含め、いろいろな面で未来の明るい展望が見えてくることを期待したい。
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