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実際に愛車を売ってみた! 下取りとも買い取りとも違う中古車の「委託販売」ってどんなもの?

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実際に愛車を売ってみた! 下取りとも買い取りとも違う中古車の「委託販売」ってどんなもの?

 この記事をまとめると

■愛車を売却する方法のひとつに「委託販売」がある

どう考えても安すぎ! 「ひと桁万円」もある激安中古車のカラクリと品質の謎

■業者には委託料を支払い、自分が受け取りたい価格を踏まえた車両価格を設定できる

■下調べもせずに適当な業者を選ぶと痛い目を見るので業者を見る目も重要になる

 販売店にクルマを預けて販売してもらう委託販売

 愛車の買い替えを考えている人にとって、いま乗っている愛車をどこに引き取ってもらうか。これはなかなか悩ましい問題ですね。

 もっともラクなのは次の愛車を購入する販売店で引き取ってもらう「下取り」ですが、値段は相場より低く設定されることが多いようです。買取専門店に持ち込むのもいいですが、そちらは業者がたくさんあり、どこがいちばん高く買い取ってくれるのかを調べたり、場合によっては何店舗も回って交渉したりといった手間がかかります。

 最近はフリマアプリなどで個人売買をする人も増えてはいますが、購入希望者とのやり取りから書類のやり取り、お金のやり取りや引き渡しなどの面倒な作業をすべて自分で行わなければならず、トラブルも多いようです。

 また、上記はどれも売れ筋モデルや走行距離の少ない個体、年式の新しい個体ならそこそこ満足のいく価格で買い取ってもらえますが、古くて走行距離が多いモデルや、あまり人気のないスポーツカーなどはほとん値がつかなかったり、安く買い叩かれることが多くなっています。

 そこで今回、走行距離15万kmオーバー、10年落ちのスポーツカーを手放すにあたり、トライしてみたのが「委託販売」という方法。これは中古車販売店などの業者に愛車を預け、展示・保管料を支払い、購入者を探してもらうというサービスです。クルマをアピールするところから、電話などでの問い合わせや、見に来た人への対応はすべて業者が行なってくれるし、売却が成立したあとの面倒な書類のやり取り、お金のやり取り、納車までの整備や車検、手続きなどの対応などもすべて業者が行なってくれることになっています。

 委託販売を受け付けている業者はあまり多くはないのですが、知人からの紹介で選んだその業者は、どのジャンルのクルマも扱っているなかでも、ドリフト車などの特殊なクルマやスポーツカーにも造詣が深く、ネットワークも広いということで、走行15万kmオーバーの個体でも、きっとそのクルマの価値をわかって「乗りたい」と思ってくれるお客さんを見つけてくれるような気がしました。

 委託販売の手順として、まずは販売店へ愛車を持ち込みます。車検証などの必要書類が揃っているかの確認と、キズや不具合など、愛車の状態を一緒に確認していきます。

 そして大事なのが、価格の相談です。委託販売業者によっては、業者が設定した価格から販売手数料、展示・保管料金の合計を差し引いた金額が委託車に支払われるというケースが多いようですが、この場合ですと売れない期間が長くなると値下げをしていき、当初の予定からは大きく下まわる金額しか受け取れないことになったり、悪質な業者になるとわざと売れにくいような高い価格設定で展示し、展示・保管料を委託者から取れるだけとり、結局は「売れなかったからうちで買い取りましょうか」と買い叩く、といった、とんでもないケースもあるとのこと。

 売れないと委託料を延々と支払うことになってしまう

 でも今回のシステムは、あらかじめ私が「最低でもこれくらいは欲しい」という金額を業者に伝え、それを踏まえて業者が自らの利益を考慮した価格設定をして店頭に並べてくれるというもの。これなら、委託者は販売期間が長くなっても、当初の心づもりとそれほど変わらない金額を受け取れることになるので、安心ですね。

 ただ、ここでちょっと賭けのようになってくるのが、展示・保管料がどれくらいかかるかというところです。今回は、最初の3カ月は無料、その後は1カ月5000円の展示・保管料がかかってくるというシステム。3カ月以内に売れればいいですが、それより長くなると1カ月ごとに5000円ずつ、手取りの金額から引かれていくわけなので、これはもう「早く売れてくれ」と祈るしかないですね。

 なので、業者の方でも自社のホームページに掲載したり、メルマガなどで「こんな個体が入荷しました」と顧客にアピールしてくれるのですが、なにぶんマニアックな人向けのクルマだということで、私自身も知人などを介して「こんなクルマあるんだけど、誰か欲しい人いない?」などと積極的に買い手を探すようにしていました。せっかくなら、ちゃんとこれからも大切に乗ってくれる人に売れて欲しいですからね。

 そして、最初の1カ月が経過。まだ売れたという連絡はなかったので、どんな感触なのか、こちらから電話してみました。すると価格設定が相場よりお得だったので、問い合わせは多く、その中で「4人が店舗まで見に来た」とのこと。まだ購入するまでには至らなかったようですが、引きはあるようで嬉しくなりました。

 ここで注意点は、販売価格から手数料などを差し引いた額が委託者に支払われる約束になっている場合は、業者から頻繁に「値下げしてもいいか」という連絡がくることがあるということ。そのやり取りが煩わしいのなら、最初に受け取りたい最低金額の設定をしておくほうが、値下げなどは業者が自らの判断でやってくれますので、面倒は少なくて良いのではと感じました。

 さて、展示・保管料の無料期間が終わる3カ月が経過しましたが、いまだ問い合わせはあるものの売却には至らず。今回の業者はとても良心的で、そこで一度連絡をくれて、「クルマを店舗から引き上げて写真だけで委託販売を続けることもできますよ」と提案してくれました。もし自宅に駐車スペースが余っている場合は、引き上げてくれば展示・保管料はかからないということですね。

 ただ我が家の場合は新たに駐車場を借りなければならないので、そのまま展示・保管料を支払って置いてもらうことにしました。また、かなり稀なケースですが、最初から写真の掲載だけで委託販売を引き受けてくれる業者もいるようです。その場合は売れるまではクルマに乗り続けることができますが、走行距離があまりにも延びたり、事故を起こしてしまうリスクもあるのが難点ですね。

 ということで、そこから6カ月が経過。ようやく買い手が見つかり、ほっとひと安心。車検が切れている個体だったので、購入者には「ご希望でしたらプラス料金で車検を取ってから納車することも可能です」とご案内してくれたとのこと。ほかの委託販売業者の中には、売り手と買い手の仲介をするのみで、クルマを引き渡す際には点検整備もせず完全に現状渡しとしているところもあるようなので、そこも要注意ポイントです。

 そんなわけで現在、買い手の方の書類が揃うのを待ち、納車準備をしているところのようです。じつは今回、私が最初に設定した最低金額は0円。とても愛着のあるクルマだったので、どうしても廃車にするのがしのびなく、0円でもいいから次に乗ってくださる人を見つけてください、と伝えてありました。だからなのか、本来は展示・保管料は3カ月分の1万5000円を支払うことになるのですが、ご厚意でそれはオマケしてくださいました。

 こうして委託販売を実際に体験してみると、今回まったくデメリットがなかったのは、ひとえに良心的な業者だったから。これに尽きると感じています。システムも何も知らず、下調べもせずに適当に委託販売業者を選ぶのはちょっとリスクが高いと思います。

 もし、どうしても初めてのところに預けたいという場合は、価格設定がどんな取り決めなのか、展示・保管料はどれくらいなのか。途中で引き取ることや、委託販売を中止したい時にはどうなるのか。買い手が見つかった時に整備や車検は行なってくれるのか。そのほか、手数料などがかかるものはないか。以上のポイントだけはしっかり確認し、納得してから利用するようにして欲しいと思います。

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