ボルボから待望のEX60が登場!
ボルボから新型EVであるEX60が正式に発表され、航続距離810kmという強烈なEV性能を実現しました。いよいよテスラ以外の選択肢として、極めて優れたEVが日本でも多数発売されるという朗報について解説します。
「小さなボルボ」は本当に安全? プロダクト責任者が語るボルボ独自の取り組み
ボルボはすでにEC40、EX40、EX30、EX90、ES90といった複数のEVを投入済みです。その一方で、ボルボのもっとも売れ筋となっているのはXC60というミッドサイズSUVです。よってボルボとしては、このXC60のEVバージョンこそがEVシフトを進める上での最重要モデルであり、その完成度に大きな注目が集まっていたのです。
そしてついに1月、ボルボはXC60のEVバージョンであるEX60のワールドプレミアをしました。EX60は全長4803mm、全幅1899mm、全高1635mm、ホイールベース2970mmのミッドサイズSUVです。このサイズ感はテスラのモデルYと非常に近く、モデルYをベンチマークにした様子が見て取れます。
EX60にはSPA3という新世代EV専用プラットフォームが初採用されました。リヤアンダーボディにギガキャスティングを採用することで車両剛性を向上させながら、車重の低減と生産ラインの短縮も両立しています。さらに、E&Eアーキテクチャーにもゾーン型を採用することで、より統合されたソフトウェアをベースに、車両全体へ継続的かつ広範なOTAアップデートができるようになりました。自動運転向けの車載チップには、演算能力254TOPSを実現するNvidia Drive Orin-Xプロセッサーを採用し、ボルボの強みである車両安全性を将来にわたって継続的にアップデートしていく上で必要な冗長性もしっかりと確保されています。
そしてEX60は、XC60からのスムースな乗り換えを促進するため、EV性能を抜本的に改善しました。とくに3種類のバッテリー容量をラインアップしつつ、最大117kWhの大容量バッテリーを搭載することで、欧州WLTCモード航続距離810kmという、欧州で発売されているすべてのSUVのなかでもトップクラスの数値を実現しています。これは、バッテリーパックをモジュールレスにするだけでなく、バッテリーパック自体を車両の構造物として設計するCell to Bodyを採用したことによるものです。これにより、車両の重心点を下げながらそのぶんだけエネルギー密度を高めることが可能となり、ミッドサイズSUVセグメントでありながら117kWhという大容量バッテリーの搭載を実現したのです。
急速充電性能についても800Vシステムを採用し、最大370kW級の急速充電に対応しています。SOC10%から80%まで18分で充電可能であり、DC/DCブースターを搭載しているため400Vシステムの充電器にも対応可能です。当然ながら、プラグアンドチャージ、ナビリンク機能付きバッテリープレコンディショニングシステム、ヒートポンプシステムなど、EVとして必須の装備や機能もしっかりと網羅されています。
動力性能も抜かりがなく、117kWhバッテリー搭載の最上級グレード、P12にはデュアルモーターシステムを採用し、最高出力500kW、最大トルク790Nm、0-100km/h加速は3.9秒に到達します。
値段設定も超魅力!
そして、EX60において最も驚くべきはその価格設定でしょう。XC60のマイルドハイブリッド車「B5 AWD Plus」が65,090ユーロ、PHEVの「T6 AWD Plus」が75,690ユーロであるのに対し、EX60のRWDモデル「P6 Plus」は62,990ユーロと、なんとマイルドハイブリッド車よりも安価な価格設定を実現しています。さらに、バッテリー容量の大きい「P10 AWD」でも65,990ユーロと、XC60のマイルドハイブリッド車とほぼ同等の価格設定を実現したのです。
まさに内燃機関車とEVをまったく同等の価格にできるという、EX60におけるボルボの収益性の高さが見て取れるでしょう。
※XC60のマイルドハイブリッドモデルとEX60はまったく同等の価格設定を実現。
その一方で、現在ミッドサイズSUVセグメントにはドイツ車を中心に新型モデルが矢継ぎ早に投入されている状況です。とくにBMWのiX3、メルセデス・ベンツのGLC Electricは、ボルボEX60の直接のライバルとなります。
ドイツ御三家の新型ミッドサイズSUVとテスラのモデルYで車両性能を比較してみると、とくにiX3とEX60は100kWhを大きく超える大容量バッテリーをラインアップしている点が際立ちます。これは、BMWであればX3、ボルボであればXC60といった売れ筋の内燃機関車からの乗り換え層をターゲットにしているためです。欧州WLTCモードで航続距離800km超えを実現し、ガソリン車乗りでも納得できる圧倒的な航続距離の長さをアピールしようとしています。
充電性能についても、モデルY以外の車種は800Vシステムを採用し、モデルYを遥かに凌ぐ急速充電性能を実現しています。なかでもEX60は20分以内でSOC80%まで充電可能とリードしています。EX60とiX3であれば、時速120km巡航でも500kmを大きく超える航続距離を実現できる見込みであり、日本国内であれば、東京・大阪間を制限速度の上限で走行したとしても、無充電で余裕をもって走破できるイメージです。
ただし、今回のEX60をはじめとする新型電動SUVについて懸念されるのが、400V充電器における充電性能です。EX60では最大120kWに制限されるため、400V充電器が大勢を占める日本では800V超急速充電の恩恵を受けづらいのが現状です。これはiX3やQ6 e-tronでも同様の問題であるため、国内における800V充電器の普及が望まれます。
※iX3は26年夏に国内導入予定。EX60とGLC Electricも年内に導入される見通し。
日本メーカーだけでなく海外メーカーからも次世代EVが次々と導入されることによって、”EVガラパゴス”ともいわれる日本が2026年にどれほどEVシフトを進めることができるのか、大いに期待していきたいと思います。
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