スペック問わず魅了されるV8エンジン
フェラーリ308 GTB/GTSのスタイリングを手掛けたのは、ピニンファリーナ社に在籍していたレオナルド・フィオラヴァンティ氏。非常に美しく、実用的なフォルムを導き出している。
【画像】超希少な初期のFRPボディ フェラーリ308 GTB/GTS 同時期のエキゾチックカーたち 全158枚
ツインカムの3.0L V8エンジンは、初期のウェーバー・キャブレターがベストだといわれている。しかし、どのスペックでも充分にドライバーを魅了してくれる。特に3000rpmからの吹け上がりは素晴らしい。
シートへ身を納めV8エンジンを操れば、至高の時間へ没入できる。シャシーは、素晴らしい安定性で報いてくれる。それでもサスペンションの劣化や、エンジンの不調と無縁ではない。オーバーヒートのほか、ガソリンにオイル、クーラントの漏れには注意したい。
候補車両を確かめに行く場合は、販売店に予めエンジンを始動しないよう伝えておきたい。冷間時の始動性や回転具合を確かめられなくなる。エンジンは充分に暖気し、油温が上昇するまで高域まで回すべきでもない。
エンジン自体は堅牢で、丁寧に維持すれば16万km程度はリビルド不要といえる。フェラーリとしては整備性が良く、タイミングベルト交換は右側のホイールアーチライナーと、左側のクラッチを外せば可能。エンジンを下ろす必要はない。
定期的に乗らない方が不調を呼びがち
タイミングベルトの交換は安価ではないが、予防的に実施した方が良いという意見は多い。ウォーターポンプは故障しがち。新品は高価で、外した古いポンプをリビルドして使う方が賢明といえる。
初期のウェーバーキャブレターは、長期間放置しているとガソリンが気化して生まれる残留物が内部に溜まる。粘り気のある物質で、システムの詰まりに繋がり、メンテナンスの手間が増えてしまう。
点火タイミングを司るディストリビュータは、前期型ではバンク毎に1基づつ組まれていた。ポイントは2組あり、1つはアイドリング用で、もう1つは通常の走行用に別れている。点火コイルは1基のみ。後期型では、ディストリビュータは1基に集約されている。
欧州仕様では、1980年式までエンジンオイルはドライサンプ式だった。北米仕様と1980年式以降の欧州仕様は、ウェットサンプ式となる。
308 GTB/GTSは頻繁に乗らないでいると、走行距離が伸びた車両以上に多くの問題を抱えがち。上記のような不調も出やすくなる。少なくとも、毎週1回は公道を走らせてあげたい。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
308 GTB/GTSの維持で、最大の懸念がサビ。手遅れの状態になるまで、発見が遅れる場合が珍しくない。特にフロントピラーの付け根は、弱点といえる。
他にも、バッテリー周辺とエンジンルーム付近のシャシー、フロントフェンダーの裏側、サイドシル、ドアの底面などが錆びやすい。スチール製ボディの場合は、アッパーパネルとFRP製ロワーパネルが接合する、ベルトライン付近の状態も観察したい。
エンジン
エンジンオイルは年1回の交換が必須。バルブクリアランスの点検とシム調整は2年毎か2万km毎、タイミングベルト交換は3年毎か4万km毎に実施したい。ただし、過度なシムクリアランスの調整は不調を招く。
カムカバー・ガスケットからのオイル漏れ、キャブレターからのガソリン漏れ、ウォーターポンプからのクーラント漏れがないか調べたい。ゴムホースの状態やオーバーヒートの過去がないかもチェックポイント。ディストリビュータも、定期的な調整は不可欠だ。
トランスミッション
セレクターとベアリングの摩耗、リミテッドスリップ・デフの固着は考えられる。異音がないか、聞き耳を立てて確かめる。クラッチの滑りにも注意したい。
フルードが冷えている状態では、シフトチェンジが渋い。特に2速への変速で引っかかリを感じやすいが、温まると解消するはず。
サスペンションとブレーキ
ガタツキがないか、試乗して確認したい。ブッシュ交換を含めたオーバーホールには、英国では1万ポンド(約195万円)程度必要になる。
ブレーキは、キャリパーやサイドブレーキの固着に注意。フルード交換も忘れずに。
インテリアと電気系統
フルレザーのインテリアが標準。すべてのスイッチ類やトリムが揃っているか、くまなく観察したい。
ヒューズボックス内の接触不良や腐食は、電気系統の不調の主な原因になる。ボックスの蓋は外れやすい。エアコンも含めて、すべて正常に動くか確かめたい。
フェラーリ308 GTB/GTSのまとめ
現実的なクラシック・フェラーリの1台、308 GTB/GTS。入門モデルとして、最適な選択肢といえるだろう。
FRPボディの「ヴェトロレジーナ」は希少性が高く、素晴らしいパワーとサウンドを放つものの高価。スチール製フレームやサイドシル、バルクヘッド付近で深刻な腐食が進行している可能性も高い。
ボディやシャシーの状態が良好で、定期的に乗られてきた車両を選びたい。メンテナンスの履歴も、充実していた方が望ましい。タルガトップのGTSは、ドラマの主人公気分を味わえるものの、防水性が良いわけではない。
良いトコロ
クラシック・フェラーリとしては、維持費が小さめ。英国にはオーナーズクラブが存在し、得意とするガレージも複数あり、サポート体制は充実している。殆どの部品は入手しやすい。
良くないトコロ
一部の部品はかなり高額。サスペンションのリビルドなど、専門的な技術が必要な状態管理には、相応の予算と時間が必要になる。
フェラーリ308 GTB/GTS(1973~1985年/英国仕様)のスペック
英国価格:1万8973ポンド(GTB/新車時)/1万9901ポンド(GTS/新車時)
生産数:4235台(GTB)/8004台(GTS)/987台(208)
全長:4230-4378mm
全幅:1720mm
全高:1120mm
最高速度:247km/h
0-97km/h加速:5.7~7.9秒
燃費:5.3-8.9km/L
CO2排出量:−
車両重量:1090-1303kg
パワートレイン:V型8気筒2927cc 自然吸気 DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:207ps/6600rpm-255ps/7700rpm
最大トルク:24.7kg-m/4600rpm-28.8kg-m/5000rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)
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