フルモデルチェンジを受けたメルセデス・ベンツの新型「CLA」は、大変貌を遂げていた! ひと足先に実車を見た、島下泰久がリポートする。
まずはBEVから
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扱いやすいサイズながらスタイリッシュな4ドアクーペとして2013年に登場した初代モデル以来、高い人気を誇っているメルセデス・ベンツCLAが、フルモデルチェンジを受けた。
筆者は先日、メルセデス・ベンツ工場内にひっそり存在するスタジオで、この時点ではまだトップシークレット扱いだった新型CLAの実車と対面してきた。そこでの印象を簡潔に言うならば、通算3世代目となるこの新しいCLAがもたらすインパクトは、間違いなく過去一番である。
どの話から始めるべきか悩むところだが、やはりパワートレインから触れることにしよう。新しいCLAは何とまずはBEV(バッテリー式電気自動車)からデビューするのだ。まず登場したCLA250+ with EQ Technologyは1モーター後輪駆動、CLA350 with EQ Technologyは、2モーター四輪駆動となる。
前者のリヤモーターは最高出力272ps、最大トルク335Nmで、発進、加速用と巡航用の2段ギヤを備える。0~100km/h加速は6.7秒。バッテリー容量は85kWhで、航続距離は694~792kmとなる。一方、後者は前後2モーター合計で最高出力354ps、最大トルク515Nmを発生する。リヤモーターに2段ギヤが備わるのは一緒で、0~100km/h加速は4.9秒という俊足ぶりだ。航続距離は672~771kmとされている。
それでも、BEVは現実味が……という方も、心配は無用だ。遅れて2025年終盤には、内燃エンジンを積んだモデルが48Vシステムを用いたハイブリッド車として登場する。
搭載されているエンジン、ハイブリッドシステムは、いずれも完全新設計。小型軽量な直列4気筒1.5リッターターボエンジンに、8速DCT内蔵の電気モーターを組み合わせる。電気モーターの出力は20kWと十分で、容量1.3kWhのバッテリーと相まって、EV走行で100km/hの大台の乗せることも可能だという。
こちらは前輪駆動、あるいはプロペラシャフトを用いた機械式4WDの2タイプが設定される。そう、この新型CLAを皮切りに合計4モデルが登場する予定の新しいコンパクトクラスのラインナップは、同じモデルの中に電気自動車とハイブリッド車が共存することになる。従来の、電気自動車を内燃エンジン搭載車とは別のラインとなるEQシリーズとして展開する方針は、転換されたのである。
しかも、BEVのエントリーモデルは後輪駆動で、ハイブリッドだと前輪駆動になる。かつて無かったモデル体系であることは間違いない。
アッと驚くデザインそしてこのアピアランスだ。更に大きくなったグリルは、中央にいよいよ発光するようになったスリーポインテッドスターを置き、その周囲にも142個もの星々が散りばめられて、アニメーションを演出する。左右がLEDストリップで連結されたマルチビームLEDヘッドランプも、よく見るとシグネチャーランプはスターマークである。このギラッギラの顔つきは、アピール度が高い。
ちなみにこの顔になるのはBEV版だけで、ハイブリッド仕様は当然ながらエンジンを積むために、ちゃんと穴の開いたラジエーターグリルが備わる。スターマークは発光しないが、代わりにグリルの周縁にはLEDが埋め込まれている。こちらも目立たないわけがない顔である。
サイドビューを眺めると、これまで無かったリヤクオーターウインドウが追加され、キャビン後端はゆるやかにトランクリッドに繋がるファストバック形状とされている。これは主に大容量バッテリーを床下に積むが故の全高拡大、ホイールベース延長という条件の下、4ドアクーペを成立させるためである。
リヤに回っても、やはりテールランプは左右が連結され、新たなデザイン表現がなされている。そしてテールランプには、やはりスターマーク。「Eクラス」に初採用された時には違和感が拭えなかったものだが、そろそろ目に馴染んできた感アリだ。
インテリアのほうが、きっと驚きは大きいに違いない。2018年のAクラスから投入されたMBUXは4世代目へと進化して、このCLAにはMBUXスーパースクリーンが設定される。センター、そして助手席側のディスプレイはそれぞれ、なんと14インチである。
画面が大きいだけでなく、新たに「MB.OS」と呼ばれる自社製OSが採用されたこともトピックと言える。マイクロソフトとグーグルの両巨塔のAI搭載により、これまで以上にクルマとのインタラクティブなやり取りを楽しめる。音声認識も、まさに友達に話しかける感覚。ChatGPT4o、Microsoft Bingの活用で、もはや音声認識で行なえるのは目的地設定や空調の調節だけには留まらず「今日のデートに最適なレストランはないかな?」なんて無茶ブリにも応えてくれるのだ。
初採用の電動開閉式トランクリッドの下の荷室の容量は、従来よりも55L少ない405Lに留まる。しかしながらBEV版に限っては、メルセデス・ベンツでは1930年代のW23以来、実に90年ぶりの採用というフロントトランク、いわゆるフランクが備わり、こちらには101Lものボリュームが確保されている。
概要としては以上となる。今回、実車と対面して唸らされたのは、そのクオリティへのコダワリである。紹介した外装各部の凝ったデザインは、当然高い製造品質無しに実現できるものではない。内装も然りで、手に触れる部分のソフトパッド、レザーなどの質は非常に高く、目に見えるところにあからさまにハード樹脂が使われているようなことはないのである。
実際、カラーや素材などの担当の方が何度も使っていたフレーズが“Sクラスフィール”という言葉だった。今後の上級・高級志向の商品展開を明言している今のメルセデス・ベンツの意気込みが、コンパクトクラスのモデルだからこそ一層、明確に示されているのがこのCLAなのだと言って良さそうだ。
この新型CLA、日本導入の時期は現時点では明言されていない。しかし、おそらくはハイブリッド版が登場して以降のことになるに違いない。
文・島下泰久 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
変に光り物で装飾されて安っぽいおもちゃにしか見えない