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VWのゴルフ GTEに相当 ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeへ試乗 電動化時代の高性能

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VWのゴルフ GTEに相当 ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeへ試乗 電動化時代の高性能

電動化時代の新しいサブブランド

英国オペル、ヴォグゾールの主力ハッチバックを務めてきたアストラにも、2023年後半にバッテリーEV(BEV)仕様が追加されるという。英国では人気を堅持しているが、さらに強力にバックアップすることになるだろう。

【画像】VWのゴルフ GTEに相当 ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe 競合ハッチバックも 全147枚

同社の最高経営責任者、ジェームス・テイラー氏は、「パズルの最後のピースを埋める」。と、電動アストラの仕上がりに自信を伺わせる。ちなみにヴォグゾールは、2028年までにBEVのみのラインナップを完成させる予定にある。

その一方で、オペルといえばツーリングカー選手権で活躍し、スポーティさを求めるドライバーも少なくない。高性能なGSiグレードやVRXグレードが姿を消し、近未来のブランド像を不安視しているのは、筆者だけではないと思う。

アストラ GSeは、そんな気持ちをなだめてくれる存在といえる。このGSeとは、グランスポーツ・エレクトリックの略。ひと回り大きいSUV、グランドランドにも設定された電動化時代の新しいサブブランドだと、ヴォグゾールは主張する。

ホットなモデルへ与えられる3文字として、これからのイメージを牽引することになる。ただし、アストラ GSeを本物のホットハッチとまでは呼べないようではあるけれど。

フォルクスワーゲンのGTEに相当する

パワートレインは、180psを発揮するアストラ・ハイブリッと基本的に同じ。1.6L 4気筒ガソリンターボに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合で225psへ増強されている。

トランスミッションは、マニュアル・モードでもギアが長時間保持されないことが惜しい、8速オートマティック。実容量で9.9kWhの駆動用バッテリーを搭載する。

10mm車高が落ちるサスペンションを獲得し、ダンパーは負荷に応じて減衰力が変化するコニ社製。スタビリティ・コントロールの制御も調整されたという。

装備でも差別化されている。ヘッドアップ・ディスプレイにマトリックスLEDヘッドライト、スマホのワイヤレス充電パッド、運転支援システムなどが標準。見た目では専用の18インチ・アルミホイールとバンパー、ブラック・ルーフなどで違いを表現する。

動力性能は、0-100km/h加速が7.5秒、最高速度は234km/hと充分。ヴォグゾールは、フォルクスワーゲンのGTEに相当するとしている。驚くほどパワフルとはいえないものの、環境に配慮した次世代のVRXとして、納得できる水準にはある。

トラクションは素晴らしい。足まわりが引き締められ、ステアリングがタイトになり、英国郊外の道を爽快に飛ばせる。スポーツ・モードを選択すると、ステアリングホイールの重みが増し、エンジンの高回転域を活用するよう、8速ATも制御される。

高められたコーナリングスピードで、確かな充足感を得られる。乗り心地は硬めだが、不快なほどではない。

気持ちを誘うことはない単調なサウンド

ただし、一体感は高くない。スポーティなハッチバックとして、パワートレインの濃密なフィーリングは大切な要素だと思う。充分なパワー感はあるものの、特にサウンドは単調気味といえる。アクセルペダルを踏み込みたいと、気持ちを誘うことはない。

実際、リアバンパーを観察してもマフラーの姿は見られない。全体の雰囲気は悪くないだけに、少し残念なポイントだといえる。

インテリアはレイアウトに気が配られ、上質感があり居心地は良い。スポーツシートはアルカンターラ張りで、実際に金属が用いられたスイッチ類など、お高めの価格に見合った印象を与える。

もったいないのが、車内でGSe独自といえる部分が、ヘッドレストにあしらわれたロゴだけなこと。運転中は視線に入ることはない。シートは、もう少しサイドボルスターが高くても良さそうだ。

英国価格は4万550ポンド(約652万円)。ライバルとなるのは、約3万8000ポンド(約611万円)のフォード・フォーカスや、約3万6000ポンド(約579万円)のヒョンデi30 Nなど。相手はしっかりホットハッチしており、一体感や感触では勝るだろう。

それでも、フォルクスワーゲン・ゴルフGTEや、プジョー308の同等仕様と比較すれば競争力はある。既存のアストラ・ハイブリッド・アルティメットより、僅かに高いだけでもある。

モダンなホットハッチとして魅力的に映る

試乗での平均燃費は14.2km/Lほど。プラグイン・ハイブリッドだから、駆動用バッテリーが充電されていれば、最長64kmを電気だけで走ることもできる。

英国では、ヴォグゾールは保険料も安い。モダンなホットハッチを検討するドライバーには、アストラ GSeは魅力的に映るはず。

ただし、GSeを新しい電動のパフォーマンス・ブランドと受け止めることは難しいだろう。スポーティなルックスやエンブレムから期待するほど、気持ちを高ぶらせることはなさそうだ。既存モデルの、最上級グレードだと理解した方が良いかもしれない。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万550ポンド(約652万円)
全長:4374mm
全幅:1860mm
全高:1470mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:90.9km/L
CO2排出量:25g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:9.9kWh
最高出力:225ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック

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