2021年12月10日に発表(発売は12月22日)された、9代目となるスズキ アルト。発売から半年が経過したところで、その人気動向などを実際のセールスデータから探ってみた。
半導体不足などの事情で受注に納車が追いつかない!
1979年に初代が誕生して以来、セダンタイプ(デビュー当初は4ナンバーだったのでボンネットバンと呼ばれたが)、いわゆるハッチバック軽自動車らしいベーシックカーとして愛されてきたアルト。2021年末に登場した9代目も、発売開始されてから早くも半年が経過した。
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アルトの目標販売台数は6000台/月。だが、2022年1月から6月までの半年で、登録台数は2万0066台。1カ月平均では、3300台あまりとなる。つまり、アルトは売れていないのか?と思われるだろうが、「受注ベースでは月間目標台数をクリアしているのですが、半導体不足などの影響で、供給が間に合わないのです(スズキ広報部)」
したがって、いま発注すると納車はいつ頃になるかという時期も、グレードや装備などにもよって変わることもあり未発表となっている。それでも「他のメーカーさんほどは待たせないと思います(スズキ広報部)」とのことだ。アルトに限らず、いま新車を購入しようと考えているならば、納期は焦らないほうがいいということだろう。
さて、最近のアルトの人気グレードは、L、ハイブリッド X、ハイブリッド Sの順になる。発売当初はトップグレードのハイブリッド Xが一番人気だったが、半年が経ち受注が少し落ち着くと、装備の割りに価格が安い(車両価格は100万円を切る)こともあり、ハイブリッドでなくてもいいとLに人気が集まっているという。逆に、ハイブリッドなら価格差を考えて装備の充実したXに、ということになるらしい。
人気のボディカラーは、1位がソフトベージュメタリック(2トーンルーフ含む)、2位がホワイト、3位が訴求色のダスクブルーメタリック(2トーンルーフ含む)。後述するようにアルトのオーナーは比較的年齢が高いため、おとなしめの色を選ぶ人が多いらしい。かつての「アルト=赤」のイメージは、かなり薄らいでいるようだ。
アルトのメーカーオプションはディスプレイオーディオ(これは装着率が高い)や2トーンルーフくらいと標準装備が充実している。ディーラーオプションでは、フロアマット、ドラレコやカーナビといった基本的な用品を除いて人気のあるものは、メッキやシルバー調のアイテムだ。比較的シンプルなアルトを効果的にドレスアップできる。
以前よりも男性ユーザーが増えた要因は・・・?
購買層の男女比は、ほぼ半々だが女性がやや多いといったところ。軽自動車全体では女性が約6割を占めるのだが、他の車種に比べると男性比率は高い。また、先代よりも男性比率が高まっている。これには、現行型アルトにはバンがなくなり、自営の人の営業車として登録されるものがあることも要因かもしれない。
年代では、50~60代がボリュームゾーンだ。女性だけだと40代が中心になる。スズキの軽自動車の場合、生活環境の関係もあるが、20代までの女性はラパン、30~40代はスペーシアやワゴンRスマイル、そして40~50代はアルトを選ぶ層が多いという。
購入時には、「車両価格」「低燃費」「安全装備の充実」が重視されるポイントだそうだが、これは他メーカーの軽自動車にも当てはまってしまう。それでもアルトを選ぶのは、これらに加えてスタイルも挙げられている。しかも指名買いの割合は高まっているという。
実際に運転してみて、小回りの良さや全体的な運転のしやすさも相まって、満足している人は多いようだ。主な使い方は、買い物など近隣への外出や通勤・通学が多いのだが、先代よりは日帰りドライブに行くという人は増えている。少しは遠出も楽しめるクルマになったというわけだ。
軽自動車にもEVが登場したが、インフラやイニシャルコストを考えると、普通の軽自動車より敷居は高い。リアシートに人を乗せる機会は少ないし、普段使いのベーシックカーならアルトで十分と考える人は少なくない。実際に試乗してみても「軽だから」ではなく「軽なのに」と思わせる走りっぷりを見せてくれる。
まさにベーシックカーの王道を行くスズキ アルト。軽自動車の主流はハイトワゴンに移ってしまったが、ハッチバック軽を愛用している層は、けっして少なくはないのだから。(写真:伊藤嘉啓、ほか)
■スズキ アルト L 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1525mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:680kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:658cc
●最高出力:34kW(46ps)/6500rpm
●最大トルク:55Nm(5.6kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・27L
●WLTCモード燃費:25.2km/L
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):99万8000円
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みんなのコメント
実車を見ると内装が良くも悪くも昔の軽自動車のイメージそのままなんですよね。
購買意欲そそられないのは、そのあたりもあるかなと。
今時「エッヘン!」は無いわ。