アストンマーチン、F1カナダGP終盤のシステムエラーでアロンソに”予防的”燃料節約を指示

　アストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、F1カナダGPを2位で終えたが、レース終盤に燃料システムのエラーが発生。ペースを落とさざるを得なかったという。

　2番グリッドからレースに臨んだアロンソだが、スタートでルイス・ハミルトン（メルセデス）に先行を許し3番手に後退。しかしコース上でオーバーテイクし、2番手を取り戻した。

　レース終盤、チームから何の説明もないままリフト＆コースト（早めにアクセルオフして惰性走行すること）を始めるよう指示されたアロンソは、ハミルトンの接近を許しながらも2位を守ってレースを終えた。

　レース後、アストンマーチンのマイク・クラック代表は、燃料システムに問題が発生した懸念があったことが、リフト＆コーストの引き金となったこと、そして結局は問題なかったことを明かした。

「燃料システムに問題があると思ったんだ」とクラックは語った。

「しかし確信が持てなかったので、予防措置として燃料を節約してリフト＆コーストするのがベストだと言ったんだ」

　Autosportの取材に対し、クラックはそれ以上の詳細を明らかにすることを拒み、ただ「問題があると思ったが、結局それは起こらなかった」と述べている。

　不必要なリフト＆コーストでペースを落としたアロンソだったが、チームは今季6度目の表彰台獲得を目指してリスクを負いたくはなかったという。

「それがどれほどのロスになったか？　判断は難しい。コンマ数秒、おそらく0.1～0.2秒だろう」

「予防的なモノだったんだ。でも完走できないか、少し（燃料が）余った状態でフィニッシュするかを選ぶことができるから、安全な方を選びたかったんだ」

　アストンマーチンのアロンソへの曖昧な指示について、アロンソ自身は「あまり心配させないようにするため」だと推測していたが、ライバルチームもトラブルの原因については把握できていなかった。

　実際メルセデスはハミルトンに、アロンソがブレーキに問題を抱えている可能性があると伝えていた。

「私もあのコメントを聞いて驚いたよ」とクラックは付け加えた。

「ルイスは我々がブレーキの問題を抱えていると言われた」

「我々は互いに顔を見合わせ、こう言った。『ああ、彼らは我々よりも我々のクルマのことを知っている。メルセデスのエンジニア全員と話すべきだ』とね」

「でもノーだ。問題はなかったよ」