トヨタGAZOOレーシングが発表したGRブランドの新たなフラッグシップとなる「GR GT」とレースベース車両の「GR GT3」、そしてレクサスブランドのBEVスポーツカー「LFAコンセプト」。この3台はすでに発表済みだが、今回、メディア向けの撮影会が愛知県豊田市にあるトヨタテクニカルセンター下山で行われた。改めてじっくりこの3台を取材することができたのでお伝えしよう。
文:徳田悠眞(GOOD CARLIFE/ゼミッタCHANNEL)/写真:小林岳夫
【画像ギャラリー】最新のGR GT、GR GT3、レクサスLFAコンセプトの生写真!!!(16枚)
テクニカルセンター下山で注目の3台に密着!
トヨタ・ウーブンシティ“インベンターガレージ”にてワールドプレミアされた「GR GT」、「GR GT3」、「レクサスLFAコンセプト」。その後、東京オートサロン2026で一般初公開となったが、今回、メディアからの熱い要望を受け、トヨタテクニカルセンター下山にて撮影会が開かれた。太っ腹なことになんと乗車可能(試乗ではない)だという!
というわけで現地に足を運び、詳細をチェックしたのでレポートしよう。発表時点では不鮮明だった部分も一部判明したぞ! さらに、排気サウンドを聞くこともできたので、その点も紹介する。
トヨタの式年遷宮として技能を次世代に伝承し、新技術に挑戦する。それを体現したのが「GR GT」であり、「GR GT3」、「レクサスLFAコンセプト」だ。過去を振り返ると、トヨタ2000GTや初代レクサスLFAといった名車には挑戦の跡がある。
次なるフラッグシップスポーツも同様、現代の知見をフルに活かしたうえで、トヨタ初のテクノロジーを投入するが、その背景には圧倒的な存在でなければならないという強い想いがあるのだ。そこでキーになるのは、“低重心”、“軽量・高剛性”“空力性能”であり、いずれのモデルも徹底的に追及してある。
公道を走れるスーパースポーツ「GR GT」
公道を走るレーシングカーを目指して開発された「GR GT」。エクステリアは空力性能の理想像を定めてデザインするという、逆転の手法で生み出されたもの。
カラーバリエーションは現在も検討中らしく、ガンメタ以外にも何パターンかありそうだ。ボディサイズは全長4820×全幅2000×全高1195mm、ホイールベースは2725mm。
なかでも注目したいのは全高だ。1195mmは衝撃的な低さといえるが、様々な工夫によって車両とドライバーの重心位置を極限まで下げてある。トヨタ初採用のオールアルミニウム骨格も相まって、走りのレベルは相当高いところに位置するだろう。
インテリアのポイントはサーキット走行のみならず、シティユースも大いに想定したうえで設計されたこと。ラウンドテーブルでは“街乗り”というキーワードが頻出したため、後者も強く意識したと窺えるが、そこに配慮した機能こそがリフターシステムだろう。
明確な回答は得られなかったが、センターコンソールスイッチの一つにそれらしきものがあったので付くと思っていい。なお、ワールドプレミアで披露した車両とは異なるのか、シート形状が違っていた。ウーブンシティで見た電動調整機能付きセミバケットシートではなく、本車両は手動前後スライド機構を持つバケットシートになっていた。
新たに判明したのがドライブモードセレクトの存在だ。ステアリング右下にある赤リングのダイヤルを操作すると、ノーマル/スポーツ/トラックの3モードを選択でき、フル液晶メーターには各モードに応じた演出が入る。
「ヴォン、ヴォン、ヴォヴォヴォ……」とV8らしいエキゾーストノートが響き渡る。トラックモードではエグゾーストバルブが開くのか、モード切替時に排気サウンドが野太くなり、アクセルオフで「バラバラ」といったバブリング音を轟かせる。
搭載ユニットは新開発4リッターV8ツインターボエンジンに1モーター式ハイブリッドの組み合わせ、システムトータルで最高出力が650ps以上、最大トルクが850Nm以上を誇るそうだ。最高速度は320km/hを超える。
残念ながら試乗することは出来なかったが、間近で生音を聞くことができた(後日、ベストカーCHANNELにて公開予定)。先にも伝えた通り、バルブが開くと勇ましさは増すが、素の状態でも迫力あるレーシングサウンドを響かせる。スムーズに吹け上がっていたのも印象的だった。
2027年中に発売! 価格は3500万~4000万円程度!?
開発に着手したのは2021年頃だという。5年弱という短期間でこれだけのスーパースポーツをゼロイチで作り上げたチームに驚きを隠せないが、走行テストでは実車だけでなく、ドライビングシミュレーターを活用したそう。
マスタードライバー“モリゾウ”を筆頭に、プロドライバーやジェントルマンドライバーが何度も乗ってはメカニックと対話して熟成させる。しかし、心配なのが高性能かつ後輪駆動であること。
トヨタのレガシーとしてこだわった面もあるそうだが、これだけのパワーを後輪だけで駆動するのは危なっかしくも思うのだが……。まあそれもFRの醍醐味でしょと言えばそれまでだが、開発陣は車両パッケージや電子制御を煮詰めて、安全に速く走れるクルマにすると語ってくれた。
現時点では未確認だが、ドライブモードセレクトの一つに「ウェット」があれば、ユーザーはさらに安心感を持って走れるのではないか。
「GR GT」の気になる市販時期だが、2027年中を目指しているという。はたしていくらになるのか? 関係者の方々に聞いたのだが「未定です」としか答えてくれなかった……。ボクの勝手な予想だが、おそらく3500万~4000万円になるのではないか。
誰が乗っても乗りやすい「GR GT3」
「GR GT」をベースにしたレーシングカーこそが「GR GT3」であり、FIA GT3規格に準拠する形で設計されている。
大切なのは「会話」とマスタードライバー・モリゾウが言うように、ドライバーとクルマの会話できるクルマに仕上げたという。つまり「勝ちたい人に選ばれる、誰が乗っても乗りやすいクルマ」だ。
開発はロードカーと同時進行だったそう。レギュレーションにより、こちらは非ハイブリッドの4L、V8DOHCツインターボだ。燃料はガソリンとeフューエルのどちらにも対応可能だ。
「GR GT3」がレースにいつ投入されるのかは未定だというが、おそらく「GR GT」の発売時期を鑑みながら、スーパー耐久シリーズやニュルブルクリンク24時間レースに参戦するだろう。
次世代のBEVスポーツカーを提案する「LFAコンセプト」
「GR GT」「GR GT3」とともに「トヨタの式年遷宮」を体現する次世代のBEVスポーツカー「LFAコンセプト」。
次なる者に受け継ぐべき技術を体現するモデルがLFAであり、進化し続ける挑戦の証でもあるという。官能的なプロポーションや未来的な没入コックピットなどが特徴的だった。
実際に運転席に座ることができたが、BEVでありながら音や振動でドライバーを走りの世界へ引き込む、新たな世界観は新時代のBEVスポーツカーにふさわしいものだった。
驚いたのがルーフパネルに収まるのはドローン。今から走る道の下見や走行風景を記録する際に用いるイメージだとか。レクサスLFAコンセプトのパワーユニットやバッテリーの詳細が明かされるタイミングにも注目しつつ、続報を待たれたい。
トヨタテクニカルセンター下山で改めて見た次世代のスポーツカー3台は、何回見ても溜息が出るほど驚きの連続だった。早く試乗してみたい!
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トヨタ=箱メーカー。その他国産メーカーは本物のエンジン屋ばかり。