今シーズン、全日本スーパーフォーミュラ選手権で活躍中の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。レッドブルの育成ドライバーとして4月のF1日本グランプリではビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム(RB)からFP1に参加するなど、F1のプログラムと並行しながらシーズンを戦っている。
そんな岩佐だが、第3戦SUGOが終わった後に、自身の公式Xでイギリスに向かう投稿や、レッドブルのファクトリー外観を撮影した投稿がされ、一部ファンの間では「これは何か匂わせなのか?」というような憶測も飛び交っていた。
カメラ沼へ一直線/Jujuの“気遣い”/ドキドキのペペロンチーノetc.【SF富士テストメディアデー・ダイジェスト】
富士で行われたスーパーフォーミュラ公式テストで確認してみると、彼にとって「今年のF1における役割」であるシミュレーターサポートの仕事だったという。
「いわゆる『フライデーサポート』と言われているのですけど、現地のサポートをシミュレーターで行うというもので、基本的に金曜日にやることが多いです」と岩佐。
F1では金曜日にFP1とFP2とセッションが行われ、各車がサーキットを走ってセットアップを進めていくが、その裏ではファクトリー側でもシミュレーター担当のドライバーとデータ解析チームが待機しており、現場から上がってきたリクエストに応じてシミュレーターテストを敢行。そのフィードバックを現場に返して、次のセッションでのセットアップ案などに取り入れられていくのだ。
「リアルタイムで(現場でやっていることを)シミュレーターに反映させて何かを試すのではなくて、基本的には先のセッションで投入するテストアイテムを裏でやっているという感じです」と岩佐。シミュレーターで走り出すタイミングも、現場とやり取りしながらケース・バイ・ケースで対応することになるという。
「FP1の前から走り出す時もあれば、FP1が終わった後から動く時もありますし、セッション中に走り始めることもあって、そこは時と場合によりますね」
「その時のランプランによりますけど、基本的にはセッションの前後がメインになりますが、必要であればセッション中に走ることもあって、現場から『次のセッションでこれをテストしたい』ということで上がってきたものをシミュレーター側でテストするという形です。リアルタイムで(マシンの)変更に対してのサポートというわけではないです」
1日にシミュレーターで走る周回数も「時と場合による」そうだが、多い時はかなりの数のセットアップなどを試しているとのこと。
「ラップ数もそうですし、ラン数も多いです。セットアップとかでトライすることが多いので、あまりロングをやることはないですけど……周回数は結構走りますね」と岩佐は語る。
「そこで行ったテストに対してフィードバックをして、データと照らし合わせて良くなっているか悪くなっているか、使えるか使えないかを判断して実車に導入するか否かを判断しています」ということで、昨年のリアム・ローソンもそうだったが、岩佐が今年担っているシミュレーターサポートが重要な役割であるのは確かなようだ。
基本的にスーパーフォーミュラのレースやテストなどと日程が重なっていない時は、ヨーロッパに戻ってシミュレーターを担当するとのこと。「今年は、それがF1でのメイン担当になっています」と岩佐。
こうした経験はスーパーフォーミュラにも少なからず活きているようで、「もちろん、新たに学ぶことは多いですし、シミュレーター担当というところでのレッドブルやVCARB(RB)に対しての評価にもつながっていると思うので、シミュレーターはSFと同じように全力でやっていきたいなと思います」と、シミュレーターワークにも一層気合いが入っている様子だった。
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