エンジン含めた大幅改良「カローラ」シリーズの商品力は？ ライバル比較やおすすめグレードも紹介

価格上昇を最小限に抑えつつ、中身を進化
トヨタを代表する乗用車、「カローラ」「カローラツーリング」「カローラスポーツ」がこの10月に一部改良により、さらなる進化を遂げた。その内容はパワートレーンの変更、安全装備の充実等と幅広い。そこで今回は改良型カローラファミリーの魅力を、ライバルと比べながら探っていきたい。

まず、パワートレーンは純ガソリン車、ハイブリッド車ともに全面刷新された。純ガソリン車は1.2L 直4ターボ、または1.8L 直4自然吸気から、1.5L 直3自然吸気（カローラ/カローラツーリング）と、2.0L直4自然吸気（カローラスポーツ）の“ダイナミックフォース”エンジンに刷新された。

ハイブリッド車は、構成こそ従来同様1.8L 直4自然吸気＋モーターだが、すべての電動モジュールを刷新した新システムとなっている。また、「トヨタ セーフティ センス」は歩行者検知機能の対応領域が拡大したほか、ステアリング／ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシスト機能が追加された。さらに、Apple CarPlayの接続がワイヤレスになったのも見逃せない。










今回の改良による値上げは最大でも10万円未満なので、機能向上も考えると、原材料価格が上がる中で相当頑張った印象だ。ただ、残念ながらMTの設定はなくなってしまったため、MTにこだわるなら、本年冬頃から抽選予約受付を開始するという「GRカローラ」一択となる。



3種のボディが選べること自体に価値あり
では、ライバルと比較した場合のカローラの長所はどこにあるのだろうか。まず、セダンでは「スバル インプレッサG4」、「マツダ３」、「ホンダ シビック」などがカローラの競合車種として挙げられる。これらのモデルはいずれもカローラより全長が長く、最小回転半径も大きいため、街中での取り回しではカローラよりも気を遣う。この点、カローラは国内市場を主眼に専用ボディまで採用し、取り回し性を高めている。そして、スタート価格もカローラが唯一100万円台（199万円）で最安。使いやすさとコスパの点でカローラに一日の長があるといえるだろう。









ワゴンのカローラツーリングはさらにライバルが少ない。なぜなら、既に国産ステーションワゴンが絶滅危惧種であり、このクラスで生き残っているのは先日フルモデルチェンジした「スバル レヴォーグ」と「ホンダ シャトル」のみ。だが、レヴォーグはボディサイズがカローラより全方位に大きく、逆にシャトルは一回り小さい。さらに、シャトルについては既に在庫のみの販売となっているので、カローラツーリングは唯一無二の存在ということになる。








ハッチバックのカローラスポーツについては、スバル「インプレッサスポーツ」、「マツダ３ハッチバック」がライバルに挙げられる。ただ、シリーズの中で唯一ボディが国内向けにローカライズされておらず、車幅が広いカローラスポーツを選ぶ人は、そのメリットを理解している運転好きの人が多いと予想する。だとすると、カローラスポーツはサスペンション形式も強みとなるだろう。

ライバルのマツダ3はデザイン面は人気があるものの、リアサスペンションがトーションビーム式だ。この点、カローラスポーツは構造が複雑な独立懸架式のダブルウイッシュボーンを採用しており、高次元の走りが追求されている。インプレッサスポーツもカローラスポーツ同様、ダブルウイッシュボーン式を採用しており、あとはボクサーユニットやAWDに魅力を感じるならインプレッサスポーツ、純ガソリンとハイブリッドの両方に共通する燃費の良さを評価するならカローラスポーツとなる。








おすすめは海外で500万円超の「ツーリングW×B ハイブリッド E-Four」
最後に、シリーズのベストバイを探っていこう。ここは独断も入るがズバリ、「カローラツーリング」の最上位グレード「W×B ハイブリッド E-Four」（304万8000円）に注目したい。というのは、運動性能とユーティリティを兼ね備えた国産ワゴンは今や希少だし、カローラツーリングはヨーロッパで「フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント」と争っているモデル。

参考まで、ゴルフヴァリアントの国内価格は最近の値上げによって最廉価の「eTSI Active Basic」でも330万9000円になっているから、ハイブリッドで4駆ということも考えるとカローラツーリングのお買い得さが光るのだ。ちなみに英国では同等パワートレーンを積んだカローラツーリングの現地版は、スタート価格3万0945ポンド（約502万円）となっている。国内だからこそ、リーズナブルな価格で買えるが、実は海外ではもっと高価な価格で販売されているのだ。



以上、改良型カローラファミリーについて購入に役立ちそうな情報をまとめてみた。参考にしてもらえたら幸いだ。

Comments

なぜツーリングは1.5Lでスポーツは2Lなのか
ツーリングのほうが多く荷物積んだりするだろうに

セダンとツーリングのGグレードに標準装備だった16インチアルミがレスになったり、1500のサスペンションがグレードダウンしたり、残念な点もいくつかある。