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GM、2021年限りで『ホールデン』ブランドの廃止を電撃決定。VASC新規定に影響か

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GM、2021年限りで『ホールデン』ブランドの廃止を電撃決定。VASC新規定に影響か

 GM(ゼネラル・モータース)は2月17日、オセアニア地域で展開する『ホールデン』ブランドを2021年限りで廃止すると発表した。デザインや設計を含めたエンジニアリング・オペレーションやセールス業務を段階的に停止し、2021年中にもオーストラリアでの販売は完全に終了する見通しに。VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーが2022年から導入する予定のGen3規定にも、その影響が避けられない情勢となっている。

 1960年代からフォードと熾烈な争いを繰り広げてきたホールデンが、その160年以上に渡るブランドの歴史に幕を降ろすこととなった。2019年12月には現行ZB型コモドアの終売を発表していたホールデンだが、2020年VASCシーズン開幕直前、プレテスト開催前日の段階になって、親会社のGMから衝撃の決断が下される形となった。

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「私たちは常々、苦しい時期こそ正しいことをするべきだと言い続けてきました。今回の決定も、まさにそのひとつだと言えます」と語るのは、GMの会長兼CEOを務めるメアリー・バーラ。

「国際事業を再構築し、堅調なリターンを生み出すために適切な戦略を持つ地域に焦点を当てるつもりです。とくに電動モビリティは全世界で喫緊の課題であり、将来の成長を促進するグローバル分野への投資に優先順位を振り向けます」

「同時に、この決断がブランドの浸透に多大な貢献をした多くの人々に影響を与えることも理解しており、市場に敬意を表し、秩序ある移行を確実にするため社員、顧客、関連企業へのサポートを行なっていく計画です」

 前述のとおり、昨年末でコモドアの終売を決定していたホールデンだが、VASCシリーズでファクトリー指定チームとなるトリプルエイト・レースエンジニアリング(レッドブル・レーシング・オーストラリア)とは2021年末までの契約が残っている。しかし、この契約が完全に履行されるかに関しても、不透明な情勢となっている。

 その点に関して、ホールデン・ブランドのマネージングディレクターを務めるクリスティアン・アキリーナは、プレスカンファレンスの席上で次のように答えた。

「私たちは確かなコミットメントを約束しており、オーストラリアを代表するレーシング・シリーズであるVASCと、我々のパートナーであるレッドブル・ホールデン・レーシングチームとも、腰を据えて話し合いをする必要があると考えています。今後、数日の間にも適切な移行について話ができることを願っています」

■2022年施行の新車両規定への影響は必至

 決定の背景には、ホールデン・ブランドがオーストラリア大陸とニュージーランドの右ハンドル市場でのみ展開されていた点が、規模の面でマイナスの要因となったことが挙げられているが、このアナウンスによりVASCのグリッドに並ぶチームやシリーズ全体にとって、長期的な計画に関する影響は必至の情勢となった。

 現在、レギュレーション策定作業が進められている2022年施行の“Gen3”規定は、現在のGen2規定をさらに推し進める形で、2ドア・スポーツカーのみのルールに変更される可能性が噂されている。加えてこの新規定では、フォードに対抗する新規マニュファクチャラーの参入を促す役割がより重要性を増すこととなった。

 車両開発とホモロゲーション取得を担当するファクトリーチーム、トリプルエイトも「この状況についてファンには最新情報を提供する予定だ」として声明を発表した。

「ホールデンのすべての従業員、ディーラー、ユーザー、そしてVASCシリーズを支えてくれるファンのことを思うと、非常に悲しい決定だと言わざるをえない。この困難な時期に、我々の心は彼らとともにある」

「チームの将来に関して、近日中にもプランをアップデートしたいと考えているが、今現在の段階では、ホールデンの友人や関係者たちのサポートに全力を尽くしたい」

 また、2017年までHRT(ホールデン・レーシング・チーム)としてファクトリープログラムを担ってきたWAU(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド)も、このニュースに際して「深い悲しみを抱いている」との声明を出している。

「我々のチームは、30年以上にもわたってホールデンとの輝かしいパートナーシップと成功体験を積み重ねてきた。その関係を共有した彼らが去るのはとても悲しい。彼らのサポートに感謝し、バサースト1000での7勝と6度のドライバーズチャンピオンシップ制覇という成果を心から誇りに思う。ライオンとヘルメットの紋章は、チームの歴史の中で永遠に生き続けるだろう」

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