■6代目へ進化した新型A6とは
アウディの伝統モデルのひとつである「A6」がフルモデルチェンジし、6代目へと生まれ変わりました。
【画像ギャラリー】これがアウディ新型「“4WD”セダン」です! 画像で見る(45枚)
「エレガンスの到達点」と銘打たれた新型A6は、アウディの最新技術が惜しみなく投入されている一台です。
ボディは、セダンとステーションワゴンのアバントの2種類をラインナップしていますが、今回はセダンモデルに試乗しました。
6代目となったA6は、先祖ともいえるモデルである「アウディ100」から数えると9代目となり、まさにアウディの伝統の中心にいるモデルといえます。
なお、少し前までアウディは、BEV(電気自動車)モデルを偶数、内燃機関を搭載するモデルを奇数とする方針を打ち出していました。
しかし、市場の動向などに合わせてその法則は撤回。基本的には、アウディの伝統通りにボディサイズや形状、つまりクーペが奇数系、オーソドックスなセダンやアバントが偶数系というかたちで、数字が示されるようです。
すでに2025年には「A6 e-tron」というBEV専用モデルが日本市場に投入されていますが、今回試乗したA6とは完全に別物です。
エンジンが搭載されていることはもちろんですが、プラットフォームから異なっています。
新型A6のプラットフォームには、「PPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)」と呼ばれるフォルクスワーゲングループの新世代プラットフォームを採用。これは、2025年に日本へ投入された「A5」と同じものです。
プラットフォームが共通と聞くと、“大きくなったA5”という印象を持ってしまうかもしれません。
しかし、新型A6には独自のメカニズムも多く投入されており、明確なヒエラルキーの違いが現れています。
A6には、先進的なマイルドハイブリッドシステムである「MHEV plus」が装備されていますが、A5ではディーゼルエンジン車のみの採用となっています。
さらに、A5では用意のない遮音性の高いアコースティックガラスが装備されていることも、ヒエラルキーの違いを感じる代表的なポイントといえます。
ほかにも、エアサスペンションやオールホイールステアリングといったオプションが用意されているのも、A5にはないA6の特徴です。
ラインナップは、セダンとアバントの2種類のボディに、2リッター直列4気筒ターボのガソリンエンジン「TFSI」と、2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン「TDI」の2種類を用意。
エンジンとボディの組み合わせはどちらも用意されており、全車にアウディの四輪駆動システム「quattro(クワトロ)」を組み合わせます。
今回は、セダンボディのディーゼルエンジンモデル「A6 150kW TDI quattro」に試乗しました。
■アバントとは異なるセダンの走り
アバントに試乗してからセダンに試乗するという流れだったのですが、明確に両車のキャラクターは異なっていました。
しっとりとした乗り味で静粛性も高く、ピカイチのコンフォート性能を見せてくれたアバントと比べると、セダンはややハードで、ロードノイズや風切り音も気になるというのが乗り始めての第一印象でした。
この印象は、ドライブモードを「コンフォート」にしても同じです。
今回試乗したセダンと、その直前に試乗したアバントには、どちらもオプションのアダプティブエアサスペンションが装着されていました。
このオプションを選択すると、ドライブモードに合わせて各種設定が変更される「アウディドライブセレクトアシスタント」が備わります。
アバントのコンフォートモードが極上の乗り心地であったことを考えると、セダンはコンフォートモードで及第点といったところ。
アバントはスポーティな「ダイナミック」モードでも、乗員から不満の出ない乗り心地を確保していましたが、両車の乗り心地には明白な差がありました。
ただ、ボディの重心が低いセダンの方が、ドライバーの意のままに反応してくれる感触は強く、ドライバーズカーとしての楽しさはセダンの方が上だといえます。
なお、静粛性に関しては、ディーゼルエンジンのTDIだから悪いと感じるわけではありません。
車内に入ってくるエンジン音は程よく抑えられており、低速域をしっかりとアシストするMHEV plusは、ディーゼルのレスポンスの悪さをフォローしてくれます。
しかしながら、試乗したアバントにガソリンエンジンのTFSIが搭載されていたことを思い出し、MHEV plusがここまで積極的に電動走行をしてくれるシステムであることを考えると、ディーゼルの低速トルクによる恩恵はあまり大きくないとも思えました。
ディーゼルが輝くのは、長距離ツーリング時の燃費性能といえそうです。
同じA6でも、ボディ形状と搭載エンジンによって異なるキャラクターを持っていることが明確に分かった試乗時間となりました。
自身のカーライフスタイルにマッチするA6はどれか。キャラクターの違いは、選ぶ時間も楽しいものにしてくれそうだと感じました。
※ ※ ※
新型A6シリーズの価格(消費税込)は、セダンモデルの「A6 200kW TFSI quattro」が885万円、A6 150kW TDI quattroが898万円です。
A6アバントは、「200kW TFSI quattroが927万円」、「150kW TDI quattro」が940万円となっています。(西川昇吾)
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