オフロードマシン ゴー・ライド6月号発売【初心者の不安と疑問を解決!! 林道ツーリング入門書】
オフロードマシン専門誌『ゴー・ライド』連載中の「令和の世に放つ 愛と青春のオフロードマシン」より、バイクが熱かった時代にラインナップされた懐かしのオフロードマシンを、”迷車ソムリエ”ことムッシュ濱矢が振り返る。本記事では新型CRF250L/ラリー登場記念として、’80年代以降にホンダが放ったデュアルパーパスモデルたちを、ダート好きムッシュによる不思議な線引きで紹介しよう!!
NHK紅白歌合戦を観て、けん玉リレーギネス記録挑戦は必要なんだろうかと思いつつ、裏番組で武田鉄矢が歌った“香水”が印象に残った’20年末、そして’21年始。それがもう遠く感じる。いつも時が経つのは早いもので、気がついたら墓の下だな、なんて思う今日この頃。そんな’21年始といえば、オフロード好きにとっては明るいニュースがあった。ホンダから新型CRF250LとCRF250ラリーが登場したのだ。フルモデルチェンジと呼べるほど変わったことについては、もう十分詳しいインプレ記事が溢れているだろうが、場末のスナックのようなココでは、そのポジティブな話題をネガティブに……じゃない、もっとポジティブに感じてもらおうと、ホンダがこれまでに発売した公道を走れるオフロードモデルを集めてみた。
XL250R DeCoster
XLX250R
XLR200R
XR400 Motard
CRF450L
そこでふと思ったけれど、XL/XLX/XR/XLRと車名がややこしくて一見さんには覚えられないね。CRFは排気量数字の後ろがRかLかで別物になってしまう。ある意味で仕方がないとしても、だったら誰もが覚えやすくわかりやすいペットネームもつけてくれたらいいのに。個人的にはラノベの題名みたいに長くすると面白いと思う。「CRF250ラリーあの日走った林道の名前を僕たちはまだ知らない」や「CRF250L転生したらオフ性能がアップしていた件」とかどうだろう。
XL250R:デコ助、じゃなくデコスターのシグネチャー
XL250Rが前作のXL250Sから大きく変化したのは、リヤがプロリンクサスになったこと。エンジンも手が入って、6速化で出力がちょいと上がった。そんなXL250Rに限定車として登場したこの「ロジャー・デコスター スペシャル」について肩ロース…語ろう。ロジャー・デコスターは’80年にスズキからホンダに移籍した元MX世界選手権チャンプ。なにぶん古い話なので、知らない人だと、「”さん”をつけろよ、このデコスター野郎!!」と金田が鉄雄に言ったかな、ぐらいしか思い浮かばないかも。通常版と違うのはサインまでプリントされたカラーだけ、というスペシャルなのかどうか悩む仕様。
―― 【HONDA XL250R】主要諸元 ■全長2170 全幅865 全高1230(各mm) 車重131kg ■空冷4ストローク単気筒 248cc 22ps/7500rpm 変速機6段 ■タイヤサイズF=3.00-21-4PR R=4.60-17-4PR ●発売当時価格:34万円
XLX250R:忘れられつちまつた悲しみに…
XL250Rに続くホンダのオフ車は何か、と問われると、ヒットしてロングセラーだったXLR250Rだと答える人が多く、忘れられがちなのがこのXLX250Rだ。バルブを放射状に配置したRFVCエンジンを最初に採用したのに、XLRより先にセミダブルクレードルフレームも採用したのに、知名度が低い。名作が多いタイムボカンシリーズの中でも印象が薄いイタダキマンのような、 財布に入っていたらなぜか動揺する二千円札のような、そういえばあった系。XLXは「忘れられつちまつた悲しみに、今日も土ぼこりがふりかかる」と中原中也みたいな詩を詠むだろう。それとも「フロントドラムブレーキでいいじゃないか、止まれるんだもの」と相田みつをの気分かも。
―― 【HONDA XLX250R】主要諸元 ■全長2175 全幅840 全高1225(各mm) 車重128kg ■空冷4ストローク単気筒 249cc 26ps/8500rpm 変速機6段 ■タイヤサイズF=3.00-21-4PR R=4.60-17-4PR ●発売当時価格:35万8000円
XLR200R:中途半端な排気量はいいとこ取りなの?
125ccをベースにした125ccオーバー250cc未満の、な排気量車の試乗記では「125ccの小さく軽い車体に、よりパワフルなエンジンを搭載したベストバランス」な~んて書かれるのが常套句。でもその表現にはちょっと飽きてきた。250よりコンパクトで軽い…? XLR200RはXLR250Rの初期型と比べてホイールベースは10mmしか短くないし、重量もほぼ同じだし、最低回転半径の差もわずか。逆にシートはこっちの方が高いというアッチョンブリケ。困った。数値じゃなく乗った印象が小さいんだ、と思い込む。でも中途半端な排気量に魅力を感じるのは確かだ。思い込みでもいい。
―― 【HONDA XLR200R】主要諸元 ■全長2140 全幅840 全高1175(各mm) 車重123kg ■空冷4ストローク単気筒 196cc 18ps/8000rpm 変速機5段 ■タイヤサイズF=2.75-21 45P R=4.10-18 P59 ●発売当時価格:36万9000円
XR400モタード:ブームは去ったような気がするが楽しさは不変
青春を「アオハル」と言うのが恥ずかしくなる日はきっと来る。’90年代には「チョベリバ/チョベリグ」なんて使っていたんだし、’70年代なんて「アーメン、ラーメン、冷やソーメン」と「おまえは狩野英孝か!!」と突っ込まれそうな言い回しが流行っていたんだから不思議なものだ。同じように、モタードも残念ながら内外のメーカーからの現行機種は少なくなってしまい、旬な時代は去ったと言わざるを得ない。でもオフ車をベースとした軽さが走りの楽しさにつながるのは間違いないから、いつかまた雨後の筍のように増えてほしい。XR400モタードについてはググろう(説明放棄)。
―― 【HONDA XR400 MOTARD】主要諸元 ■全長2140 全幅810 全高1140(各mm) 車重145kg ■空冷4ストローク単気筒 397cc 30ps/7000rpm 変速機5段 ■タイヤサイズF=110/70-17M/C 54H R=140/70R17M/C 66H ●発売当時価格:60万円
CRF450L:はっと気がついたら、いつの間にか絶版モデル
未来から自分がやってきた。その後に起こることを伝えてくれたことよりも、未来の自分に髪の毛がなかったことのほうがショックだろう。はかないと予想していても、事実になると残念。レーサーCRF450Rベースの公道モデルを販売するというオフ車界においてはエポックだったCRF450L。つい最近発売されたかと思っていたがいつの間にかカタログ落ち。エミッション規制などからロングセラーはないと予想したが、想像以上に早かった。RC213VをベースにRC213V-Sを作ったように、ひとりのオフロード走行好きとしてはおおいに評価していたのに。これを短命にしてはいけなかった。そう言いながら、自分だけでなくまわりでも買った人がいないケドね…。
―― 【HONDA CRF450L】主要諸元 ■全長2280 全幅825 全高1240(各mm) 車重131kg ■空冷4ストローク単気筒 449cc 24ps/7500rpm 変速機6段 ■タイヤサイズF=80/100-21M/C 51P R=120/80-18M/C 62P ●発売当時価格:120万円
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