天空のパノラマから湿原の静寂まで、標高がもたらす涼風と絶景
関東地方およびその周辺には、標高1000メートルを超える高所に整備されたドライブルートが点在しています。
【画像】うだるような暑さを抜けて爽快な絶景へ! 3選で紹介した高原道路を写真で見る(21枚)
これらの道路は、かつての有料道路が無料開放されたものや、国立公園内を抜ける観光道路など、成り立ちはさまざまですが、真夏でも爽快な走行が可能であるという点が共通しています。
なお、標高が100メートル上がるごとに気温は約0.6度(1000メートルで約6度)下がるとされています。
なかでも、地形の変化に富んだ北関東や信州、富士山周辺の山岳ルートは、視界に飛び込んでくる景色も変化に富んでいます。
今回は、標高の高さによる気温の低さに加え、高山植物や湿原、富士山の眺望といった付加価値を備えた道路を3か所取り上げます。
●長野県「ビーナスライン」
最初に取り上げるのは、長野県茅野市から松本市の美ヶ原高原までを結ぶ、全長約75.2キロメートルの山岳ドライブルートである「ビーナスライン」です。
ここは平均標高が1400メートルに達し、最高地点である美ヶ原高原付近では標高2000メートルを超えます。
森林限界に近い高所を走行するため、視界を遮る高い木々が少なく、アルプスの山並みや八ヶ岳連峰を見渡す開放的な風景が連続する点が特徴です。
また、夏季には高山植物が次々と開花し、なかでも7月上旬から下旬にかけては、車山肩周辺などでニッコウキスゲの群落が辺り一面を黄色く染め上げる光景を確認することが可能です。
路面は全線にわたって舗装されており、現在は全区間無料で通行することができますが、もともとは観光有料道路として整備された歴史を持っています。
くわえて、ルート沿いには霧ヶ峰富士見台や車山高原、白樺湖といった多くのビューポイントや休憩施設が点在しており、長距離のドライブでも飽きることなく過ごすことが可能です。
とくに標高1925メートルの車山山頂へはリフトを利用してアクセスすることもでき、360度のパノラマビューとともに、下界とは10度以上の気温差がある涼しい環境を享受できます。
続いては栃木県と神奈川県に位置する高原道路を紹介
●栃木県「いろは坂」
続いて紹介するのは、栃木県の日光市街と奥日光を結ぶ「いろは坂」から、その先に広がる「戦場ヶ原」へと続くルートです。
日光いろは坂は、下り専用の第一いろは坂と上り専用の第二いろは坂を合わせて48箇所の急カーブを持つ観光道路で、標高差は約440メートルあります。
この坂を登り切った先にある中禅寺湖の標高は約1269メートル、さらにその奥に位置する戦場ヶ原は標高約1400メートルの高地に位置しています。
戦場ヶ原は、かつて湖であった場所が湿原化したもので、約400ヘクタールの広大な面積を誇ります。
湿原の周囲には自然探究路と呼ばれる木道が整備されており、男体山を背景にした壮大な景色を眺めながら、平坦な道を散策することが可能です。
また、ここではホザキシモツケやワタスゲといった高山植物に加え、多くの野鳥を観察できる環境が整っています。
真夏の昼間でも、湿原を吹き抜ける風は冷たく感じられ、都心で猛暑日を記録するような日でも過ごしやすい気候が保たれています。
くわえて、近隣には湯滝や竜頭の滝といった名瀑もあり、水辺の涼しさと高原の涼しさを同時に体験できる点が奥日光ルートの利点といえます。
●神奈川県「箱根スカイライン」
最後に、神奈川県と静岡県の県境、箱根外輪山の西側の尾根を走る「箱根スカイライン」を取り上げます。
この道路は、御殿場から箱根峠を結ぶ延長約5キロメートルの有料道路であり、標高約1000メートル前後の稜線をトレースするように走っています。
最大の特色は、進行方向に富士山の雄大な姿を捉えながらドライブできる点にあります。
とくに標高1073メートルの三国峠付近は、遮るもののない状態で富士山の裾野までを展望できる絶好のポイントとして知られています。
眼下には芦ノ湖や箱根の山々、さらには駿河湾までを見渡すことができ、高所ならではの爽快な空気感を味わうことが可能です。
また、道路の一部には、走行することで音楽が流れるメロディーロードも設置されており、視覚だけでなく聴覚でもドライブを楽しむ工夫がなされています。
くわえて、箱根スカイラインから直結する芦ノ湖スカイラインと合わせれば、より長い距離を標高1000メートル超の環境で走行し続けることが可能です。
都心から比較的短時間でアクセスできる場所にありながら、箱根の温泉街よりも一段高い位置にあるため、夏季の避暑ドライブに適した道路といえます。
※ ※ ※
今回取り上げた3つの高原道路は、いずれも標高1000メートル以上の高地に位置し、夏季のドライブにおいても冷涼な空気を感じることが可能なスポットです。
ビーナスラインのように広大な山岳地帯を縦走するルート、戦場ヶ原のように湿原の静寂を楽しめるルート、そして箱根スカイラインのように富士山を間近に感じるルートと、それぞれに独自の景観美が備わっています。
地形や気候の特性を理解して目的地を選ぶことで、夏の厳しい暑さを避けつつ、クルマでの移動そのものを楽しむ旅を実現できるといえます。(Peacock Blue K.K.)
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みんなのコメント
一度は夏で霧が濃かったが晴れ間から見える緑の山は感動ものでした。
2度目は秋で少し紅葉が始まっていたのか夏のような緑では無かったです。
2度目の時は美しの塔まで行って鐘を鳴らしました。
ここは夏は霧が発生する事が多く晴れ間を見つけるのが難しいですね。