現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > パワーアップの落とし穴! クラッチ滑りを防ぐ最適な対策と選び方~カスタムHOW TO~

ここから本文です

パワーアップの落とし穴! クラッチ滑りを防ぐ最適な対策と選び方~カスタムHOW TO~

掲載 12
パワーアップの落とし穴! クラッチ滑りを防ぐ最適な対策と選び方~カスタムHOW TO~

クラッチはエンジンの回転をタイヤに伝えるための要となる装置。マニュアルトランスミッション車ではこのクラッチ操作が発進からシフトチェンジ、シフトダウンなどまで幅広く関わってくる。

そしてチューニングすればするほど、扱いにくくなることもあるのがクラッチの特徴。では、どんな場面でどんなクラッチを選べば扱いやすく、走りを楽しめるのだろうか。

最強ホイールはどれ? 軽さ×剛性で選ぶスポーツホイールの真実~カスタムHOW TO~

◆クラッチの素材でフィーリングが大きく変わる
純正クラッチはその多くがシングルと呼ばれるもので、オーガニック材と呼ばれる繊維や樹脂などによってできている。オーガニック材は、以前はアスベストが使われていた素材。その後、アスベストが使われなくなりノンアスベスト材やオーガニック材と呼ばれるようになっている。その特徴は扱いやすさ。半クラッチの領域が大きく、なめらかな発進がしやすい。

ノーマルの車で使っている分にはまったく問題がない。使い方にもよるが5万kmから10万kmほどの耐久性があるのが一般的。だが、パワーアップしていくと、ノーマルクラッチでは受け止められなくなってしまうことがある。

エンジンチューンによってトルクが増えると、クラッチとフライホイールの摩擦力を超える力が出てしまい、クラッチが滑るようになってしまうことがある。それは発進だけではなく、例えば加速中にエンジン回転数だけが上がってしまって、加速しなくなってしまうようなことが起きる。筆者もZC33Sスズキ『スイフトスポーツ』でタービン交換をした際、高速道路で90km/h位で走行中、ギアは6速でそこからアクセルを踏み込むとターボによって強大なトルクが発生し、クラッチが滑ってしまいエンジン回転数だけが上がるという症状が起こったことがある。

◆クラッチ滑りの対策は素材変更以外にも方法がある!?
そこで主な対策は2つ、1つはクラッチディスクの材質を変更すること。もうひとつはシングルクラッチからツインクラッチやトリプルクラッチに変更することである。

材質を変更するのは、オーガニック材からもっと摩擦の大きいオーガニック材にしたり、メタル材と呼ばれる金属成分の多い材質に変更するなどの手法がある。メタルクラッチとも呼ばれる金属成分の多い摩材は、伝達性能に優れるが半クラッチの領域が狭く、発進がしにくいと言われてきた。実際、つながり始めから完全につながってしまうまでの領域が狭く、完全につながってしまったときには、強大な摩擦力でしっかりと動力を伝達してくれるので、そこでドカンとつながりやすい。乗りにくいと言われてしまうこともあった。

もうひとつは、もともとクラッチディスクとフライホイールの1カ所でしか摩擦が生じていなかったものを、クラッチディスクを2枚にし、その間にプレートを入れることで2面で摩擦させるツインクラッチ。さらにもう1枚増やして3面で摩擦させる。トリプルクラッチなどにする方法がある。

しかし、シングルクラッチに比べて伝達性能が高い分、さらに半クラッチ領域は狭くなり、そこにメタルディスク材を組み合わせるとなかなかレーシーなクラッチになってしまうことが多かった。メタルトリプルとなるとそうとうシビアなクラッチとアクセル操作が求められることがあった。

だが、最近はクラッチディスクや摩擦材などの進化と設計の変更などもあり、昔のメタルクラッチとは大きく異なる性能を持つ。オーガニック材と同等とまでは言えないが、これまでのメタルクラッチに比べれば、はるかに扱いやすい半クラッチ領域を持ったメタルクラッチが増えている。

そんな街乗りの扱いやすさから、伝達制度の高さまで幅広く欲しいというユーザーからの声に応えて生まれたのがカーボンクラッチだ。カーボンディスクはメタル材に比べて柔らかく、半クラッチ領域があるが、熱に強く摩擦にも強いので高い伝達性能を持つ。半クラッチ領域の広さと伝達性能の高さを両立しているクラッチとして人気が高い。

また、熱を持つほど伝達性能が上がる特性があるので、サーキット走行などで熱を持つとより滑りにくくなるという。カーボンディスク自体が軽いので慣性が少なく、素早いシフトチェンジにも向いているというメリットも大きい。

だが、カーボン材だけあって、価格が高くなかなか気軽に導入とは言えないが、それでも街乗りからサーキットまで楽しみたいというユーザーには高い支持を受けている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

クルマのダイエット最前線! コスパも性能も両立する“軽量化アイテム”まとめ~カスタムHOW TO~
クルマのダイエット最前線! コスパも性能も両立する“軽量化アイテム”まとめ~カスタムHOW TO~
レスポンス
『GRヤリス/GRカローラ』を排気量アップで大幅強化! HKSがハイパワー「ショートブロック」発売
『GRヤリス/GRカローラ』を排気量アップで大幅強化! HKSがハイパワー「ショートブロック」発売
レスポンス
スターターボタンを押すのはちょっと待て! 長い間動かしてなかったクルマの「いきなり始動」はNGだった
スターターボタンを押すのはちょっと待て! 長い間動かしてなかったクルマの「いきなり始動」はNGだった
WEB CARTOP
なぜスズキ『DR-Z4S』と『DR-Z4SM』にバイクファンは熱狂するのか? 唯一無二である理由とは…大阪モーターサイクルショー2025
なぜスズキ『DR-Z4S』と『DR-Z4SM』にバイクファンは熱狂するのか? 唯一無二である理由とは…大阪モーターサイクルショー2025
レスポンス
定番チューニングだけど本当に説明できるかと言われると……「強化クラッチ」ってなに?
定番チューニングだけど本当に説明できるかと言われると……「強化クラッチ」ってなに?
WEB CARTOP
カスタマー向けレーシングカーのアルピーヌA110 GT4が「A110 GT4+」に進化
カスタマー向けレーシングカーのアルピーヌA110 GT4が「A110 GT4+」に進化
カー・アンド・ドライバー
264馬力の「マツダスピードアクセラ」は知られざるホットハッチ! ホイールスピンは当たり前「EVと同じくらいの加速をします」
264馬力の「マツダスピードアクセラ」は知られざるホットハッチ! ホイールスピンは当たり前「EVと同じくらいの加速をします」
Auto Messe Web
2モーター搭載のAWD『ジュニアQ4』、アルファロメオが詳細発表…「パワールーピング」技術とは
2モーター搭載のAWD『ジュニアQ4』、アルファロメオが詳細発表…「パワールーピング」技術とは
レスポンス
マツダ初のEV『MX-30 EVモデル』が生産終了、発売から約4年2か月で
マツダ初のEV『MX-30 EVモデル』が生産終了、発売から約4年2か月で
レスポンス
「EVだったらマッスルカーじゃない」「V8じゃないの?」ダッジ最強のチャージャーデイトナに日本のファンは賛否両論?
「EVだったらマッスルカーじゃない」「V8じゃないの?」ダッジ最強のチャージャーデイトナに日本のファンは賛否両論?
レスポンス
カワサキ、大型ツーリングモデルの新型『ヴェルシス 1100 SE』を4月12日に発売 209万円
カワサキ、大型ツーリングモデルの新型『ヴェルシス 1100 SE』を4月12日に発売 209万円
レスポンス
「軽量化は最大のチューニング」なんて言うけど電気自動車には当てはまらない? 重さが有利に働くこともある!
「軽量化は最大のチューニング」なんて言うけど電気自動車には当てはまらない? 重さが有利に働くこともある!
THE EV TIMES
トヨタ『ランドクルーザー300』、盗難防止機能を強化し改良、だが受注停止状態は継続
トヨタ『ランドクルーザー300』、盗難防止機能を強化し改良、だが受注停止状態は継続
レスポンス
アルピーヌ『A110 GT4 Evo』が「GT4+」に進化、ラリーの経験でアップデート
アルピーヌ『A110 GT4 Evo』が「GT4+」に進化、ラリーの経験でアップデート
レスポンス
“もう飽きた”なんて言わせない! ハンドル・シート・タイヤ交換でクルマが激変する裏ワザ5選~カスタムHOW TO~
“もう飽きた”なんて言わせない! ハンドル・シート・タイヤ交換でクルマが激変する裏ワザ5選~カスタムHOW TO~
レスポンス
『シビックタイプR』の性能を最大限に引き出す! ブリッツからパワコン/パワスロ装着車対応の「チューニングECU」発売
『シビックタイプR』の性能を最大限に引き出す! ブリッツからパワコン/パワスロ装着車対応の「チューニングECU」発売
レスポンス
ホンダ『シビック』改良モデルに対応、ブリッツのフロント用ストラットタワーバー発売
ホンダ『シビック』改良モデルに対応、ブリッツのフロント用ストラットタワーバー発売
レスポンス
BMWの新世代エンジンにはテクノロジーが満載!? BMW Mの最新パワーユニット「S58B30A」の魅力とは
BMWの新世代エンジンにはテクノロジーが満載!? BMW Mの最新パワーユニット「S58B30A」の魅力とは
VAGUE

みんなのコメント

12件
  • kep********
    この手の記事に基本的に書かれていないのが耐久性。
    強化クラッチはあくまで最大入力(許容)トルクが増えるという意味での強化であって、
    高耐久(摩耗が少なく長く使えるか)とは関係がない。というか基本寿命は短い。
  • mad********
    以前 ツインプレート入れてましたが
    通勤で使っていた為 大変でした。
    もろもろあって 今のハイパワー車はDCTなどのATに成ったのでしょう。
    誰にでも乗れるように。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村