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【ハイブリッドとターボの価格差、元を取るには】スバル フォレスター スポーツEXに試乗

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【ハイブリッドとターボの価格差、元を取るには】スバル フォレスター スポーツEXに試乗

この4月から発売となった6代目フォレスター。その話題は、歴代初となるストロングハイブリッドの搭載だ。どうやら受注台数はそのS:HEVモデルに集中しているようで、早くも納車は来年になるとのこと。ええと…忘れちゃいませんかターボモデルの存在を!

影に隠れるには惜しすぎるターボモデル

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7年ぶりにフルモデルチェンジされた新型フォレスターは、4月3日から国内先行予約が始まった。販売状況は絶好調で、同月24日までの3週間で約1万台を受注。これは販売計画(月販2400台)の約4.2倍という大人気ぶりだ。

なかでも注目を集めるのは、スバルユーザー待望のS:HEVことストロングHV(ハイブリッド車)。販売比率の詳細は不明だが、S:HEVは今注文しても納期が2026年春になる。新型フォレスターは3グレードのうち「プレミアム」と「Xブレイク」がS:HEVで、国内市場の主力に位置づけられている。

残る1グレードは「スポーツ」。先代に続いて設定された1.8Lガソリンターボモデルだ。この受注も非常に好調とのことだが、納期は今年の夏と断然短い。これには、S:HEVは北米向けにも回さなければいけないが、1.8Lターボは国内専用という仕向けの事情も関係している。

S:HEVとの違いは、まず燃費だ。スポーツはWLTCモード13.5~13.6km/Lで、S:HEV(18.4~18.8km/L)が断然いい。

一方、スタート価格はスポーツが約405万円。S:HEVのXブレイクは約420万円で、約15万円の差だ。しかし、この比較ではスポーツに標準装備の前席パワーシートやキックセンサー付きハンズフリーパワーリヤゲートなどが、Xブレイクにはオプションになる。そこで基本装備の内容がほぼ同じスポーツEXとXブレイクEXで比べると、価格差は28.6万円に拡大する。ちなみに、最上級のプレミアムEXはさらに約11万円プラスだ。

ただし、S:HEVはエコカー減税で購入時の税金が8.5万円ほど安くなる。トータルでスポーツEXとXブレイクEXの差額は約20万円。レギュラーガソリンを180円/Lとしてカタログ燃費で単純計算すると、XブレイクEXはスポーツEXより5.5万kmほど多く走行してストロングHVの元がとれることになる。

静粛性で選ぶなら断然ストロングHVと思いきや

納車を1年待ち、例えガソリン車より割高な買い物になっても、S:HEVを選ぶべきか? ガソリン車ではイケないのか!? そのギモンに応えるべく、スバルはメディア向け試乗会に先立ってスポーツEXのディーラー車を貸し出した。ゴールデンウイーク真っ只中の都内で、新型フォレスターの公道初試乗だ。

1.8LターボのCB18型はスバルで世代が一番新しいだけあり、もともと素性のいいエンジンだ。吹き上がりはフリクションが少なく、じつにスムーズ。振動が少ない水平対向の美点に加え、ノイズは耳触りなところがなく音量も抑えられている。

新型フォレスターでは、そうした洗練さがさらに際立った印象だ。室内の静粛性は大幅に向上。ロードノイズや車外音が十分に抑えられているが、それでもパワーユニットのノイズがまるで気にならない。入念な遮音・吸音策の効果だろう。

室内の静粛性はミッドサイズSUV屈指を思わせる高さ。プロトタイプで試したS:HEVは、2.5Lエンジンが低回転域でも意外と勇ましい。EV走行時を除けば静粛性はスポーツのほうが上ではないだろうか。

170馬力/30.6kgmの動力性能も、先代フォレスターやレヴォーグ系など従来と変わらず。過給ラグはほとんどなく、わずか1600回転から3Lガソリン並の最大トルクをフラットに発揮する。それをチェーン式CVTが効率よく引き出し、実用上は2000回転台で高速走行まで事足りる。

そして、じつは回しても楽しいのだ。タコメーターの針は約3000回転から勢いを増し、新世代ボクサーらしい爽快な吹き上がりを堪能させる。トップエンドの6000回転でもエンジン音に雑味はない。ステアリングのパドルシフト、ステップ変速を行うSモードと、パワーバンドを駆使するアイテムも揃っている。

スポーツには専用ダンパーが装着されている!

室内静粛性の高さとともに、乗り心地のよさも特筆ものだ。

以前、サーキットでプロトタイプに乗ったときの感触どおり、スポーツは18インチタイヤ(Xブレイクも同じ、プレミアムは19インチ)でも適度に締まったスポーティなサスフィールだ。それでも大径のオールシーズンタイヤが路面の凹凸に見事に追従し、不快な突き上げは皆無。段差の乗り越えでもショックにカドはなく、フロアまわりに微振動も認められない。

スバルグローバルプラットフォームにフルインナーフレーム構造を組み合わせたボディは、安心の骨太感で乗員を包み込む。車両姿勢も基本的にフラット感が高い。市街地から高速まで乗り心地もクラストップレベルの上質さなのだ。

それでいてグレード名に恥じない強かさも秘めている。サスはジワッとストロークしながら、全高の高いボディをしっかり支えるロール剛性を発揮。同時にここでもバネ下がよく動き、4輪が路面を包み込むように捉え続ける。当たりの柔らかい乗り心地と頼もしいロール剛性の両立には、スポーツに専用装備の超飽和バルブ付きダンパーもおおいに貢献しているはず。

2ピニオン式の電動パワステはすっきりした軽さとリニアな操舵感を備え、これも上質。ステアリングギヤ比はスバルSUVでおなじみの可変式で、ラフロードでも安心の直進性とロック・トゥ・ロック2.5回転の扱いやすい取り回り性を両立している。

先代やレヴォーグ系のCB18搭載車に試乗した経験上、燃費は一般的な高速巡行なら14~15km/Lまで伸びるはず。このクラスのガソリン車としてけっして悪くない数字だ。

経済性に不満がなくHVにこだわらないなら、スポーツは買いだ。ストロングHVでなくても、クラストップレベルをうかがう新型フォレスターの出来映えを十分に堪能できる。

■フォレスター スポーツEX主要諸元(4WD・8速CVT)
全長×全幅×全高(mm):4655×1830×1730
ホイールベース(mm):2670
最低地上高(mm):220
車両重量(kg):1640~1660
エンジン型式・種類:CB18・水平対向4DOHCターボ
総排気量(cc):1795
ボア×ストローク(mm):80.6×88.0
圧縮比:10.4
最高出力:130kW(177ps)/5200~5600rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1600~3600rpm
使用燃料・タンク容量:レギュラー・63L
WLTCモード燃費(km/L):13.6
乗車定員:5人
サスペンション形式:前ストラット/後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ形式:前後Vディスク
タイヤサイズ:225/55R18
車両本体価格:419万1000円

〈文=戸田治宏 写真=山内潤也〉

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みんなのコメント

16件
  • セチャミ
    納期短い、安い、輸出需要でHVよりリセール良いはずなので、経済性で言えばガソリン一択ですね。
  • mmm
    納期が早いガソリン推しの記事、動画が増えてきた。メーカーの思惑があるんだろうね。スポーツはいいと思うがカッパー加飾は好みが分かれるだろうなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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