上げ系が多いデリカD:5をあえてローダウンした異色のスタイルに迫る
デリカD:5といえば、リフトアップに大径タイヤを組み合わせたオフロードスタイルを思い浮かべる人も多いだろう。そんな定番の流れに対して、今回紹介する1台は真逆の方向へと舵を切った。なんと純正から約10~11cmも車高を落としながら、マッドタイヤやオフロード系パーツを組み合わせているのだ。オーナーが掲げるコンセプトは、「ストリート」と「オフロード」の融合。どちらか一方に振り切るのではなく、気に入ったパーツを組み合わせていった結果、唯一無二ともいえる現在のスタイルへとたどり着いた。
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上げ系が多いデリカD:5だからこそあえて下げるという選択にこだわる
もともと購入当初は、車高を上げるつもりだったという。しかし、デリカD:5のカスタムシーンを見渡すと、周囲は上げ系のスタイルがどんどん増えていた。そんななか、ホイールを探していると「これを履きたい」と思えるホイールに出会ったことが、方向転換の大きなきっかけになった。
「それなら下げもいいんじゃないか」と思い切ってローダウンしてみたところ、想像以上に目立つスタイルになったという。現行型デリカD:5では、当時このようなローダウン仕様はほとんど見られなかったこともあり、個性を求めるオーナーにとってはまさに理想的な方向性だった。
実際、現行モデルで最初にローダウン仕様を製作したショップは存在していたものの、需要の関係からすぐにリフトアップ仕様へ戻されたため、このスタイルが存在した期間はわずかだったという。だからこそ、自分の愛車では「あえて下げる」という選択にこだわったのだ。
約10~11cmのローダウンで見慣れたデリカの姿を完全に一変させる
足まわりにはブリッツ+KYBの車高調を投入した。純正からのローダウン量は、トータルで約10~11cmにも及ぶ。一般的なデリカD:5のカスタムとは大きく異なる車高だが、ここで重要になるのがタイヤサイズだ。
装着するホイールはマイスターL1の18×9.5J、オフセットは−18。かなりワイドなサイズを選択している。一方、タイヤにはマッドスター ラジアルM/Tの215/55を組み合わせた。
実は、このタイヤ選びにもローダウンならではの明確な理由がある。純正に近い外径のタイヤを装着したままここまで車高を落とすと、ステアリングを切った際にタイヤが干渉してしまう。そのため、純正よりも一回り小さい215/55を選択した。さらに、9.5Jという太いホイールに組み合わせることで、やや引っ張り気味の独特なシルエットを作り上げている。
「純正と同じ外径だとハンドルが切れなくなる。でもマッドタイヤを履きたかった」というオーナー。ローダウンとマッドタイヤという一見相反する要素を成立させるために、サイズまでしっかりと緻密に考えられている。
これらの足回りにマドリス製オーバーフェンダーを組み合わせ。ワイド量はフロント40mm、リア30mmを誇る。ビス留め風がマッシブだ。
マッドタイヤを引っ張ることで極めて異色の足元を作り上げる
このクルマを見ていてとくに目を引くのが、低い車高とマッドタイヤの組み合わせだ。通常、マッドタイヤといえばリフトアップした車両に大径サイズで装着するのが定番となっている。しかし、このデリカD:5ではあえて小径化し、9.5Jのワイドホイールに引っ張り気味でセットしているのだ。
「マッドタイヤを履きたかったので、あえてワンサイズ小さい215/55を選びました」と話すオーナー。オフロード感の強いタイヤを、ローダウンしたデリカに合わせることで、一般的なカスタムでは見られない違和感を意図的に狙っている。
その違和感こそが、このクルマの強烈な個性だ。低く構えたボディにゴツゴツとしたトレッドパターンが組み合わさることで、ストリート系ともオフロード系とも言い切れない独特の雰囲気を作り出している。
無骨なオフロードパーツをあえてローダウン車に惜しみなく投入する
外装も、このコンセプトを象徴するようなパーツ構成となっている。フロントにはワンオフ製作のエアロを装着し、リアにはオートフラッグスの「バックアーマー」をセットした。さらに、フェンダーとマッドガードにはマドリス、テールランプガードにはカディスを採用している。
バグガードはラダーフレーム製だ。さらにフォグにはIPFを使用し、テールランプはワンオフLEDへと変更するなど、灯火類にも抜かりなく手を入れている。
いずれもデリカD:5のカスタムシーンではおなじみのオフロードテイストを持ったパーツだが、それを大幅なローダウン車に組み合わせるところがじつに面白い。オーナー自身も「オフロード仕様を目指したというよりは、気に入ったものを付けていったら今の形になった」と話す。
つまり、最初から明確なジャンルを決めて作り込んだわけではない。ストリートで映えるスタイルを追求しながら、気に入ったオフロード系パーツも貪欲に取り入れる。その自由な発想が、現在の独特な姿に直結している。
マフラーまで抜かりなく仕上げることで徹底した低さをさらに引き立てる
マフラーにはエルフォードをチョイスした。ボディ下部に存在感を与えるアイテムとして、ローダウンされた車体との相性も抜群に良い。
オフロード系のアイテムを多数投入しながら、車高は徹底的に低く保つ。一般的なデリカD:5のカスタムとは異なる方向性ながら、各部のパーツがしっかりと主張し、ストリートでの存在感を圧倒的に高めている。
「上げる」のが定番となっているデリカD:5だからこそ、あえて「下げる」。しかも、ただ低くするだけではなく、マッドタイヤやガード類などオフロードテイストを積極的に取り入れる。その柔軟な発想こそが、この1台が放つ最大の魅力だ。
低さを追求しながらも、マッドテレーンタイヤを決して諦めない。そのためにタイヤ外径を小さくし、9.5Jのワイドホイールに見事に合わせる。細部まで理由のあるカスタムを積み重ねた結果、ストリートとオフロードという本来なら相反する2つのジャンルを見事に融合させた、個性あふれるデリカD:5が完成した。
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