現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ランボルギーニ エッセンサ SCV12、世界初となるロールケージ不要のGTレーシングカー!

ここから本文です

ランボルギーニ エッセンサ SCV12、世界初となるロールケージ不要のGTレーシングカー!

掲載 更新 1
ランボルギーニ エッセンサ SCV12、世界初となるロールケージ不要のGTレーシングカー!

Lamborghini Essenza SCV12

ランボルギーニ エッセンサ SCV12

LEGO、40万個以上のパーツで作成した実物大のランボルギーニ シアン FKP 37を発表 【動画】

スチール製ロールケージを使わず安全性を確保

アウトモビリ・ランボルギーニが開発した「エッセンサ SCV12」は、新世代カーボンファイバーモノコックシャシーを採用した史上初のトラック専用スーパースポーツとして登場した。今回採用された世界最高峰の複合材技術は、ランボルギーニの30年に及ぶ研究・開発の成果により実現している。

エッセンサ SCV12は、カーボン製モノコックがロールケージの役割を持っており、これまで見られたようなスチールパイプ製ロールケージを使用せずに、WEC(世界耐久選手権)を走行するFIAハイパーカーの安全規定をクリア。開発を担当したモータースポーツ部門、スクアドラコルセを率いるジョルジョ・サンナはエッセンサ SCV12の革新性を次のように説明する。

「エッセンサ SCV12は、“走る実験室”として誕生しました。例えば、GTカーとしては革新的な、ギヤボックスに直接サスペンションを取り付けるなど、通常はWECを戦うようなレーシングプロトタイプに見られる技術的なソリューションを採用することができました」

「さらに、FIAとの技術協力により実現した、スチール製ロールケージを持たない新しいカーボンファイバー製モノコックシャシーを採用しています。こちらは将来的にGTシリーズに参戦するドライバーの安全性を飛躍的に向上させる試みになります」

FIAの厳しい安全規定をクリアしたカーボンモノコック

エッセンサ SCV12のカーボンファイバー製モノコックシャシーは、サンタアガタ・ボロネーゼの本社ファクトリー内にあるランボルギーニのCFK部門によってオートクレーブ成形で製造。このCFK部門はアヴェンタドールのシャシー製造も担当している。

FIAがモノコックシャシーのホモロゲーション取得のために求めるテストは、静的テストと動的テストの両方が含まれており、非常に厳しい安全基準をクリアしなければならない。スクアドラコルセの技術者たちは、エッセンサ SCV12のシャシーのベースとなったプロダクション仕様のシャシー構造を大幅に変更した。

カーボンファイバー製モノコックは、大規模なポイント補強が施されており、FIAによるホモロゲーションテストでは12トン以上の力にも耐え、大きな形状変形は一切なかった。シャシーだけでなく、ペダル、ベルト、燃料タンクを含む20以上コンポーネントも同様の静的テストをクリアしている。

一方、動的な衝突試験では、最大で毎秒14mの速度で衝撃が加えられた。このテストではドライバーと接触する可能性のある外部要素がコクピット内に侵入してはならず、同時に燃料タンクからの漏洩も一切許されない。

従来のスチールパイプ製ロールケージを排除

エッセンサ SCV12の開発に際して、スクアドラコルセの技術者たちはスチール製ロールケージの不採用を決めた。シャシー内部に革新的なラミネートフォーム(ROHACELL 71 XT)を使用することで、軽量化と高剛性を両立しながらコクピットのスペースを大幅に拡大。ドライバーに快適なコクピット空間を提供することが可能になった。

FIAの安全規定「8862」をクリアしたOMP製レーシングシートは、ランボルギーニのCFKラボで製造されたカーボンファイバー製クレードルにマウント。シート高は現行ロードモデルよりもかなり低く設定されており、ドライバーとパッセンジャーは見慣れたスチール製ロールケージの代わりに、ドア内側に備わる複合素材で作られたサイドインパクトガードによって保護される。

ランボルギーニのファクトリードライバーを務めるマルコ・マペッリはエッセンサ SCV12のコクピット環境について、次のようにコメントした。

「エッセンサ SCV12は、サーキットで爽快な走りを実現する最高に速いスーパースポーツですが、同時に信じられないほど快適で広いキャビンを備えています。これはこのクルマが対象とするすべてのジェントルマンドライバーにとって非常に喜ばしいポイントでしょう」

2021年6月から専用トラックイベントを開催

もうひとつのトピックとして挙げられるのが、モノコック後部に設置されたクレードルだ。このクレードルはエンジンに対して縦方向に装着。これによりウラカン GT3 EVOより20%も高いねじり剛性値を実現している。マペッリはエッセンサ SCV12の剛性レベルについて次のように付け加えた。

「トップスピードにおいては1200kgを超える空力的負荷がかかります。エッセンサ SCV12のねじり剛性の高さは、そのドライビング精度に貢献しています。ドライバーはステアリングの角度を大きく変えることなく、スピードに乗ってコーナーを曲がることができるのです。最高出力830hpという凄まじいパワーも持っていますが、それもあってドライブは比較的簡単にできるでしょう」

エッセンサ SCV12の1号車は2021年4月にデリバリーが開始されており、6月末からは専用のサーキットイベントがスタートする。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
motorsport.com 日本版
高性能Aクラスの集大成、メルセデスAMG『A45 S ファイナルエディション』が限定発売
高性能Aクラスの集大成、メルセデスAMG『A45 S ファイナルエディション』が限定発売
レスポンス
「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
motorsport.com 日本版
ラスベガス予選で50G超大クラッシュのコラピント、決勝前に再度メディカルチェックへ。「彼の体調が何より重要」とウイリアムズ
ラスベガス予選で50G超大クラッシュのコラピント、決勝前に再度メディカルチェックへ。「彼の体調が何より重要」とウイリアムズ
motorsport.com 日本版
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
くるまのニュース
BMW、ディーゼルエンジン車8車種のリコール…最悪の場合は車両火災に
BMW、ディーゼルエンジン車8車種のリコール…最悪の場合は車両火災に
レスポンス

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村