現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 自動車カスタマイズのド定番! 新車も「シャコタン」「ツライチ」が増えている理由とは

ここから本文です

自動車カスタマイズのド定番! 新車も「シャコタン」「ツライチ」が増えている理由とは

掲載 更新 19
自動車カスタマイズのド定番! 新車も「シャコタン」「ツライチ」が増えている理由とは

カッコよさを追求するクルマ好きの永遠のテーマ

 クルマのカスタマイズ・チューニングといえば「シャコタン・ツライチ」は鉄板だ。もちろん、最近はリフトアップもトレンドとなっているが、スポーツカーやセダンでは、車高を下げて、インセットでホイールを外側に出すのがカッコイイという流れは不変だろう。

「ギリギリ」「キワッキワ」こそが美学! じつは難しいド迫力「シャコタン&ツライチ」セダンの作り方

自動車メーカーのコンセプトモデルもシャコタンツライチ

 そもそも自動車メーカーが新車発表時に公開するイメージスケッチにおいても、ほとんどのケースで大径ホイールを履かせ、シャコタン・ツライチとなっていることが多い。そのカッコよさはメーカーのデザイナーも認めている。

 では、シャコタン・ツライチのどこがカッコよく見えるのかといえば、タイヤとフェンダーのすき間が少ないことだ。実験してみるとわかるが、スプリングを短くするなどで車高を下げなくとも、タイヤだけ大径にしてフェンダーのギリギリにセットすると視覚的にはシャコタンのカッコよさが実現できる。

 また、ツライチというのはタイヤを車体が許すギリギリまで外側にセットするということ。これはシャーシセッティングにおいてもトレッドを広げる効果がある。

 やみくもにトレッドを拡大すればいいというわけではないが、基本的にはスタビリティの向上につながる手法だ。とくにFFのリヤタイヤでは、ツライチ的なセッティングは高速安定性にはプラスになる。逆にクルクルと曲がるセッティングにしたいときはトレッドを狭くしたほうがいいかもしれないが……。

 実際、この秋に発売予定の新型ホンダ・シビックでは、安定性の向上を狙ってリヤトレッドが12mmも広げられている。プラットフォームがキャリーオーバーなのでトレッドを広げるのは難しい部分もある。しかし、リヤフェンダー折り目部分の形状を工夫することで、片側6mmのスペースを生み出したという。

タイヤ&ホイールとフェンダーの隙間には意味がある

 シャコタン・ツライチにおいて課題となるのはタイヤとフェンダーの干渉だ。フェンダー部分というのは開放部だから、鉄板そのままではペナペナになってしまう。

 通常のクルマでは、フェンダーアーチの縁のところを、ツメ(ミミ)といって鉄板を90度程度に曲げることで強度を確保する必要がある。新型シビックでは、そのツメを折りたたむような特殊な形状にして、ミリ単位でクリアランスを確保した。

 このツメが大きいほどタイヤは外側に出すことができず、ツライチとは程遠いスタイルになってしまうのだ。それが純正状態でのタイヤが引っ込んだスタイルの大きな原因だ。そのためカスタマイズでツライチにしようと思うと、ツメを加工してタイヤに干渉しないようにする必要があり、その作業を「ツメ折り」といったりする。

 自動車メーカーはタイヤとフェンダーのクリアランス設定について、チェーンの装着も考慮して行っている。金属チェーンをつけても干渉しないだけのスペースを確保しようとすると、フェンダーとタイヤの間がスカスカになってしまうのも仕方がないことだ。

サスペンションの進化で新車のツライチ化が増加

 サスペンションがソフトで、ロールが大きなクルマの場合は静止状態ではスカスカに見えるすき間も、目一杯ロールさせるとギリギリのクリアランスになるケースもある。もちろん、タイヤを切ったときに干渉しないことも重要だ。止まっている状態でセッティングするとタイヤとフェンダーが当たってしまうことがあるのは、このようにタイヤがストロークする(動く)ためだ。それを防ぐにはサスペンションを固めていくのが常套手段である。

 さらにサスペンション形式によっては、ストロークによるタイヤ位置の動き方に違いがある。リジッドサスペンションでは、スプリングが縮んだときにタイヤが外側に移動することもあり、そうした部分まで考慮してクリアランスを決める必要があるのだ。最近の新車が「シャコタン・ツライチ」に近づけられる背景には、タイヤの動きをしっかりとコントロールできる、マルチリンク形式などのサスペンションを採用しているという面も無視できない。

 いずれにしても、自動車メーカーは「シャコタン・ツライチ」なスタイリングのほうが魅力的であるということは昔からわかっていた。だからといって、タイヤとフェンダーが干渉するようなクルマを新車で出すわけにはいかない。カッコいいスタイルを、メーカーに求められる要素を満たしながら実現できるだけの量産技術が確立したことが、最近の新車において「ツライチ」が増えてきた理由だ。

こんな記事も読まれています

交通安全の影の立役者「カーブミラー」は、なぜオレンジ色で丸鏡?
交通安全の影の立役者「カーブミラー」は、なぜオレンジ色で丸鏡?
月刊自家用車WEB
ホンダ新型「CB650R」登場! 初採用のEクラッチ仕様車は専用色も用意されて価格差5万5000円!
ホンダ新型「CB650R」登場! 初採用のEクラッチ仕様車は専用色も用意されて価格差5万5000円!
WEBヤングマシン
一充電の走行距離591km!メルセデス・ベンツが新型電動コンパクトSUV「EQA」を発表
一充電の走行距離591km!メルセデス・ベンツが新型電動コンパクトSUV「EQA」を発表
@DIME
【魅力あるクルマ】モータースポーツ挑戦で得た知見をフル投入した本格派、トヨタGRヤリスの戦闘力
【魅力あるクルマ】モータースポーツ挑戦で得た知見をフル投入した本格派、トヨタGRヤリスの戦闘力
カー・アンド・ドライバー
ホンダ“新”「高級SUV」登場! 黒パーツ&上質内装の「ブラックスタイル」24年夏発売! どんなモデル?
ホンダ“新”「高級SUV」登場! 黒パーツ&上質内装の「ブラックスタイル」24年夏発売! どんなモデル?
くるまのニュース
ホンダ2輪を代表する「CB」の頂点がさらに進化! 憧れのスポーツバイク「CB1300」2モデルが“高級感あふれるカラー”で新登場
ホンダ2輪を代表する「CB」の頂点がさらに進化! 憧れのスポーツバイク「CB1300」2モデルが“高級感あふれるカラー”で新登場
VAGUE
正式にマツダ「最大・最上級車」生産終了! フラッグシップモデルが“22年の歴史”に幕… セダン&ワゴンの代わりは?
正式にマツダ「最大・最上級車」生産終了! フラッグシップモデルが“22年の歴史”に幕… セダン&ワゴンの代わりは?
くるまのニュース
スズキ「SV650X」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「SV650X」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
車の中はミストサウナ! 快適なサウナ室でバッチリととのうトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
車の中はミストサウナ! 快適なサウナ室でバッチリととのうトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
さすがのプロボックスもマネできず!? 白いのなに!? ADバンの内装にドーンって付いていた謎の白い物体の正体が衝撃すぎ!!!! 
さすがのプロボックスもマネできず!? 白いのなに!? ADバンの内装にドーンって付いていた謎の白い物体の正体が衝撃すぎ!!!! 
ベストカーWeb
負傷したハプスブルクに代わりグーノンが第2戦イモラ出場へ。アルピーヌA424でWECデビュー
負傷したハプスブルクに代わりグーノンが第2戦イモラ出場へ。アルピーヌA424でWECデビュー
AUTOSPORT web
ホンダっていつもちょっと早いのよ!! 今こそエレメント投入の時期だったんじゃ
ホンダっていつもちょっと早いのよ!! 今こそエレメント投入の時期だったんじゃ
ベストカーWeb
ランドクルーザー250、いよいよ発売へ!!気になる最新情報総まとめ!
ランドクルーザー250、いよいよ発売へ!!気になる最新情報総まとめ!
グーネット
静岡最大級のキャンピングカー&アウトドアイベント開催決定!輸入車フェアも同時開催
静岡最大級のキャンピングカー&アウトドアイベント開催決定!輸入車フェアも同時開催
グーネット
JAF 日本選手権に「ドリフト競技」追加 竹岡圭氏が「競技参加」語るトークショーも開催
JAF 日本選手権に「ドリフト競技」追加 竹岡圭氏が「競技参加」語るトークショーも開催
グーネット
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
ベストカーWeb
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
グーネット

みんなのコメント

19件
  • ローダウンって言わないの・・・?
  • シャコタン・ツライチとか言ってるだけで恥ずかしいですよ
    本来は低重心化で操縦性向上を狙って車高調整するので有ってドレスアップの為じゃないでしょ
    記者の知能レベルが知れる記事
    あまりミスリードしないほうが良いと思いますよ
    次は竹槍・出っ歯で記事書いてはいかがですか?w
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村