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メルセデスF1がハミルトンのレースを分析「タイヤ無交換も可能だったが、7位か8位に落ちていただろう」

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メルセデスF1がハミルトンのレースを分析「タイヤ無交換も可能だったが、7位か8位に落ちていただろう」

 メルセデスF1チームのチーフテクニカルオフィサーであるジェームズ・アリソンが、F1第16戦トルコGP決勝でのルイス・ハミルトンのタイヤ戦略について改めて説明した。ハミルトンが無交換で走り切ることは可能だったものの、その場合は大きく順位を落としたと、チームは結論づけた。

 ウエットコンディションのレースで、ハミルトンはエンジン交換のため、11番グリッドから、他のドライバーと同様にインターミディエイトタイヤでスタートした。58周のレース中に路面は十分には乾かず、レース中盤以降、各車が新品インターミディエイトへと交換。上位勢のタイヤ交換によって3番手に繰り上がったハミルトンは、チームがタイヤ交換の指示を出した際に、無交換でそのポジションを維持することを望んだ。チームは検討した結果、結局はその作戦が不利になると判断し、他車より大幅に遅い50周目にハミルトンをピットに入れた。

タイヤ無交換を断念したメルセデス「リスクを冒してでも表彰台を狙いたかった」とハミルトンは主張/F1第16戦決勝

 ハミルトンは5番手に順位を落とし、ペースを上げて前を追うこともできないまま、そのポジションでフィニッシュした。

 レース直後の段階では、ハミルトンは無交換作戦で表彰台を狙いたかったと述べていた。しかし詳細な分析の結果、それは不可能だったという結果を得ていたと、アリソンは言う。

「レース終了を迎えれば、ピットストップを行う最適なタイミングがいつだったのかがはっきりする。そのころには、何が起こるかすべてが分かるからだ」とアリソンはチームが発表した動画において語った。

「今回の場合、全体的に見て、ピットストップに最適なタイミングは36周目か37周目だっただろう。そのころ、バルテリ(・ボッタス)や(マックス・)フェルスタッペンがピットストップを行った。ルイスが同じ時期にタイヤ交換をして、うまくタイヤを労わって走っていれば、おそらく4位に入った。さらに、3位の(セルジオ・)ペレスにプレッシャーをかけて、オーバーテイクすることも可能だったかもしれない」

「それができれば理想的だった。だが、我々はそうしなかった。長くステイアウトしたのだ。それは、路面が乾くことや、その時履いていたタイヤが最後まで持って、前のグループがピットストップをすることで、自分たちが3位をつかめることを期待したからだ」

「だが、ファーストスティントを延長し、数周たって、他のドライバーたちがピットに入った後、ルイスのタイヤの状態が急激に悪化していった。つまり、もっと早くピットストップしておくべきだったことが明らかになった」

■「ステイアウトしていたら、悲惨なペースになっていた」とアリソン
 ピットストップを終えたハミルトンが、前を行くペレスとシャルル・ルクレールを追うことができなかった理由として、新品インターミディエイトに履き替えたアウトラップでプッシュした後、グレイニングが発生し、ペースが急激に落ちたと、アリソンは説明した。

「完全に新しい状態のタイヤで走った最初のラップで、ルイスは前のルクレールに1周3.5秒も速いタイムで追いついていった。だが、その後、大幅にタイムが落ちてしまい、ルクレールは遠ざかっていった。そしてルイスはフレッシュタイヤで前を追うどころか、しばらくの間は、後方の(ピエール・)ガスリーや(ランド・)ノリスからプレッシャーをかけられる事態となった」

「タイヤがこのような挙動を起こした原因は、グレイニングである」

 アリソンは、ハミルトンはタイヤを交換せずに走り切ること自体はできたと述べている。しかしペースは大幅に低下し、より悪い結果になったとの分析結果を明かした。

「結果的に我々はステイアウトし、劣化しつつあるタイヤで9周を走った。最終的にルイスをピットに呼び戻したのは、予測のために使用しているラップタイムチャートから、そのまま走り切った場合、よくない結果になるという結果を得たからだ」

「そのころにはペースが落ちており、その時走っていたポジションを維持できないものと思われた。タイヤのデグラデーションが進みつつあったことから、7位か8位まで落ちてしまうと考えていた」

「(走り続けていたら)ペースが非常に遅くなったことだろう。周回を重ねて、タイヤのラバーがすり減っていた。終盤には路面が乾き始めてはいたが、完全に乾いた状態にはならなかった。それで摩耗が加速していった。ルイスのラップタイムは1周1周落ち込んできていた。レースの最後まで走り切ることはできただろうが、そのころにはペースはかなり悲惨なものになっていただろう」

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