マクラーレンのランド・ノリスは、今季のマシンMCL39の限界に近い領域でのドライビングに苦労しており、それがチームメイトのオスカー・ピアストリと戦う上で弱点のひとつになっている。
ノリスはシーズン序盤から、今年のマシンはステアリングホイールや他の部分を通じて、自身の入力に対する反応のフィードバックが大幅に減少していることに手を焼いていた。これにより、予選ラップでコーナーを限界まで攻めることが困難になっている。これは”キューイング”という技術的な用語で表現されている。
■ノリス最速! 僚友ピアストリを0.1秒差で退ける。レッドブルはフェルスタッペン3番手、角田裕毅9番手|F1オーストリアGP FP3
このフロントアクスルの”鈍さ”は、ピアストリも認識しているようだ。マイアミで、ピアストリはベストな予選ラップを再現するのが難しかったと語り、その理由として「どうやってそのラップを走ったのか、完全に理解できていなかった」と説明していた。
しかし、その程度はノリスより軽いようで、ピアストリはほぼ問題なくパフォーマンスを発揮。今季4度のポールポジションを獲得している。
問題を解決するためには、まずその根本原因を理解する必要がある。マシンのダウンフォースを増やすことはひとつの方法だが、機械的な問題を解決するのははるかに困難だ。それらをバーチャルで再現するのは難しいからだ。
また、マシンのハンドリング特性が片方のドライバーに明らかに大きな影響を与えていることから、これはより主観的な問題となる。
ノリスは4月のサウジアラビアGPとマイアミGPのレースの間、ファクトリーでかなりの時間、シミュレータに乗って、フロントアクスルのレスポンスの悪さの原因を深く理解しようとしていた。
チームはその後、段階的に解決策を模索。カナダGPでのフロントサスペンションのアップデートでそれが実を結んだようだ。
知的財産を保護するため、マクラーレンは詳細を明かしていないが、オーストリアGPの金曜フリー走行を前にメディアに対し、技術ディレクターのニール・ホールディは、ノリスがマシンと再び調和できるようになったプロセスについて説明した。
「それはただ、彼がタイヤの限界をより良く感じられるようにすることだった」
そうホールディは語った。
「我々は運動学的な調整を実施した。これでより良い結果をもたらすことができると確信している。我々は彼が求めているニーズを十分に理解しているし、我々は過去数レースでいくつかのエリアに小さな改善を施してきた。それが彼の役に立ち、今後も継続して彼の助けになるはずだ」
「パフォーマンスに大きな違いを期待していたわけではない。より良い結果を期待していただけで、ランドからその変更について否定的なコメントがなければよかった。だから変更を進めたんだ」
そのプロセスは単純ではなかったようだ。マクラーレンはチャンピオンシップをリードするマシンの全体的な性能を低下させないよう注意する必要があった。そしてノリスのためにより反応の良いフロントエンドを追求する一方で、考案された解決策に潜在的なデメリットやトレードオフがある可能性に気づいたという。
しかしさらに評価を重ねた結果、チームはそれが問題にはならないことを確認し、そのサスペンションの設計が継続されることになった。一方、ピアストリは元の仕様のサスペンションを使用し続ける見込みだ。
「ある領域でいくつか懸念があったんだ。シーズンの序盤からの投入を避けたくなる小さな問題点があった」
そうホールディは明かした。
「シーズン前半にテストを実施したことで、実際には問題にならないと確信できた。だからこの変更を特に懸念することなく投入することができた」
「これらの要素すべてにおいて、我々は複数の異なるシナリオの中から最適なものを探している。サスペンションについても同様で、最適なパフォーマンスを見つけるためにトレードオフを繰り返しているんだ。ランドに関しては、現在その最適なバランスを見つけたと考えている」
マクラーレンはオーストリアGPで新たなフロントサスペンションフェアリングを投入。これは純粋に空力的なメリットをもたらすものであり、ノリス仕様のサスペンションでもピアストリ仕様でも機能するはずであり、土曜日からこれがマシンに搭載される見込みだ。
木曜日にノリスは、前戦カナダでの同士討ちも含め、ピアストリと比較して自身のミスが多いと認め、それがタイトル争いにおいて決定的な差となっていると認めた。
一方、ノリスは予選でのマシンへの自信という点では、自身の努力とチームの変更により徐々に高めてきたものの、フロントエンドだけが課題ではなく、カナダGPで予選7番手に終わったのは単にプッシュしすぎたことが原因だと認めた。
「サスペンションの調整は、クルマの性能をさらに引き出すためというより、自分自身に良いフィーリングを与えるためのものだと考えている。でもその良いフィーリングが、何かしらの形でパフォーマンスを引き出す可能性もあるかもしれない」
「それは確かに僕が改善する必要のある分野のひとつだし、今も多くの改善に取り組んでいる。だけど自分自身にとって最も良いフィーリングが得られるコースがあるとすれば、おそらくここ(レッドブルリンク)だろう。個人的にもチーム的にも、クルマの改善を試みたり、必要な改善点を検討したりする点で、これは良い機会なんだ」
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