■新型キックス登場によるエクストレイルへの影響は?
2020年6月24日、新型コンパクトSUVとなる日産「キックス」が発表されました。日産が完全な新規車種を発表するのはおよそ10年ぶりとなります。同社には、主力SUVとして「エクストレイル」が存在しますが、販売面に影響は無いのでしょうか。
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6月24日現在、日産のホームページでは、コンパクトSUVの「ジューク」とミドルサイズSUVのエクストレイルがラインナップされていますが、ジュークは2019年12月末で生産終了となっており、今回新たに発表された新型キックスが同社のコンパクトSUVを担うモデルとなります。
新型キックスは、「ノート」や「セレナ」に採用された電動パワートレイン・e-POWERを搭載する初めてのSUVです。また、生産はタイでおこなわれ、日産初の海外生産e-POWERモデルでもあります。
国内において競合するコンパクトSUVは、トヨタ「C-HR」や「ライズ」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-3」、「CX-30」など各社から多くのモデルが販売されている激戦ジャンルです。
一方のエクストレイルは、初代モデルが2000年に登場。2000年代半ばの日産には、「デュアリス」や「スカイラインクロスオーバー」、「ムラーノ」などのSUVが存在していましたが、現在まで残っているのがエクストレイルです。
2013年に登場した現行エクストレイルは、ガソリン車とハイブリッド車(2015年に追加)を設定。ハイブリッド車には「インテリジェント デュアル クラッチ コントロール」方式によるシステムが採用されており、エンジンを発電だけに使うe-POWERとは根本的なメカニズムが異なります。
また、ボディサイズは新型キックスが全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmで最低地上高は170mmなのに対して、エクストレイルは全長4690mm×全幅1820mm×全高1730mm-1740mmで最低地上高が200mm-205mmです。
このように同じSUVでもサイズやパワートレインなどさまざまな違いを持つ2台ですが、キックスの登場はエクストレイルの売れ行きに影響を与えるのでしょうか。
首都圏の日産販売店のスタッフは、以下のように話します。
「ネガティブな影響はないと考えています。その理由として、キックスはエクストレイルより車格が小さいため、エクストレイルでは大きすぎるというお客さまにおすすめできます。
そうした意味では、エクストレイルに加えて、新たな選択肢ができたことで、さまざまなお客さまのニーズに対応できると考えています」
また、関西圏の日産販売店のスタッフは、次のように話します。
「キックスとエクストレイルはサイズが違うため、比較対象になりにくいと思います。ただし、現在の日産は生産終了のジュークを除くと、エクストレイルしかSUVがありません。
それからすると、キックスが出たことでエクストレイルをやめてキックスにお客さまが流れることが予想でき、結果的にエクストレイルの販売台数に影響が出てくるのではないでしょうか」
※ ※ ※
また、グレード展開や価格面では新型キックスの「X」が275万9900円、「X ツートンインテリアエディション」の286万9900円の2グレードで2WD車のみの展開となっています。
対して、エクストレイルはガソリン車が「20S(4WD)」の248万2700円から「20Xi レザーエディション(4WD)」の350万3500円。ハイブリッド車では「20S HYBRID(4WD)」の288万2000円から「20Xi HYBRID レザーエディション(4WD)」の375万6500円です。
そのため、e-POWERを搭載する新型キックスと比較対象になるのは、価格面ではハイブリッド車のエントリーグレードとなる「20S HYBRID(4WD)」となります。
ただし、新型キックスではプロパイロットを標準装備しているので、装備で比較する場合は「20Xi HYBRID(2WD)」の329万8900円が対象となるでしょう。
■エクストレイルよりキックスが売れ筋になる!?
今後の日産SUVラインナップにおいて、エクストレイルより新型キックスのほうが売れ筋になるのではないか、という話もあります。
その理由として、日産販売店のスタッフは以下のように話します。
「エクストレイルはハイブリッド車もありますが、燃費や静粛性ではe-POWER並とはいえず、燃費を重視されるお客さまにはおすすめすることが難しいクルマです。
また、都市部では取り回しのしやすいサイズが好まれますので、その意味でもキックスの方が売れ筋になるのではないかと考えています」
新型キックスのJC08モード燃費は30.0km/L(WLTCモード:21.6km/L )です。対して、エクストレイルは、JC08モードのみ公開されており、比較対象となるハイブリッド車の「20S/20Xi」では20km/Lから20.8km/Lと、新型キックスには届きません。
また、取り回しについても新型キックスは最小回転半径が5.1m、エクストレイルは5.6mとこれもボディサイズが異なるために新型キックスが有利です。
しかし、販売店スタッフは「エクストレイルにはエクストレイルにしかない強みがあります」と語気を強めます。
「都市型SUVが流行りのなかで、タフで無骨なエクストレイルのスタイリングを好むお客さまは多くいらっしゃいます。
新型キックスは未来感のある都市型SUV路線ですので、アクティブなイメージを好むお客さまは今後もエクストレイルを選択されると思います」と話しました。
※ ※ ※
e-POWERを搭載する新型キックスは、魅力的な車種ではありますが、一方のエクストレイルも根強い人気があるようです。エクストレイルには、4WDが設定されていることから雪国での需要も見込まれます。
さらに、エクストレイルも2021年にフルモデルチェンジがおこなわれ次期型エクストレイルが登場すると噂されています。
2020年6月15日には、北米日産が新型「ローグ」が発表されましたが、ローグとエクストレイルは兄弟車同士であることから、この新型ローグが次期型エクストレイルとして日本に導入される見込みです。
詳細はまだ明らかになっていませんが、e-POWERが搭載される可能性もあります。そうなると、コンパクトかつ燃費の良いキックスと、刷新された次期型エクストレイルという日産の二大SUVが他社SUVに対抗する構図となるかもしれません。
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みんなのコメント
カテゴリーが違うなんて誰でも分かる当たり前な話。
> 日産の二大SUVが他社SUVに対抗する構図となるかもしれません。
意味不明。日産のSUVが全ての基準で、日産とそれ以外の構図ってこと?
その構図になるのは日産内部の話であって、ユーザーからしたら全く関係ない話。