現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マツダ新型SUV「CX-60」日本投入! なぜ異なるエンジンを用意? 市場縮小なるディーゼルに注力する理由とは

ここから本文です

マツダ新型SUV「CX-60」日本投入! なぜ異なるエンジンを用意? 市場縮小なるディーゼルに注力する理由とは

掲載 40
マツダ新型SUV「CX-60」日本投入! なぜ異なるエンジンを用意? 市場縮小なるディーゼルに注力する理由とは

■4つのパワートレインを設定する新型CX-60

 マツダは、新世代ラージ商品群第1弾として新型SUV「CX-60」を発表し、2022年6月24日に予約を開始します。
 
 新型CX-60には、ガソリン車、ディーゼル車、マイルドハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など複数のパワートレインを設定しますが、なぜ多くのラインナップを設定するのでしょうか。

マツダ新型SUV「CX-9」登場! 4WDシステムが進化し約400万円から発売

 同社はグローバルでラージ商品群のSUVの拡充を図っており、日本と欧州ではナローボディの2列シートSUVとして新型CX-60、北米ではワイドボディの2列シートSUVとして新型「CX-70」を投入。さらに、3列シートSUVの新型「CX-80」(日本・欧州)および新型「CX-90」(北米)が登場することになっています。

 日本仕様の新型CX-60は、直列6気筒ディーゼルエンジンと直列4気筒ガソリンエンジンを新たに開発するとともに、ディーゼルエンジンにはマイルドハイブリッド、ガソリンエンジンにはマツダ初のプラグインハイブリッドシステム(PHEV)を組み合わせた電動化技術を導入します。

 従来からマツダはディーゼルエンジンを主軸に据えていますが、新型CX-60ではこのようにさまざまなパワートレインを設定しました。

 なぜ主力のディーゼルエンジンだけでなく、それをベースとしたマイルドハイブリッドや、ガソリンエンジン、PHEVまで用意したのでしょうか。

 新型CX-60の開発主査の和田宜之氏は次のようにいいます。

「日本はディーゼル車が人気なので、長距離を乗られるお客さまも含めてまずはディーゼルが主流になるだろうと考えて、さらにそれをベースに低速のパワーや燃費を補うマイルドハイブリッドを設定しました。

 ガソリン車のほうが良いというユーザーに向けて、2.5リッター直列4気筒ガソリンと、それをベースに電動化技術を盛り込んだPHEVを用意し、さまざまなニーズに応えられるようにしています。

 欧州はPHEVを含むガソリン車、アメリカはターボへの要望が強く、それぞれの仕向け地に適したエンジンを投入します」

※ ※ ※

 新型CX-60から始まる新世代ラージ商品群では、「SKYACTIV マルチソリューションアーキテクチャ」を高出力化と環境性能を両立する縦置きパワーユニットに対応させ、国ごとの電源事情や環境規制、ユーザーニーズに合わせて実現するのがマツダの狙いです。なお、欧州では、直列6気筒ガソリンも設定されることになります。

■3.3リッターディーゼルという大排気量化を選択した理由は?

 今回投入される新開発のディーゼルエンジンは3.3リッター直列6気筒とし、「CX-5」に搭載される従来の2.2リッター直列4気筒ディーゼルエンジンよりも1.5倍の大排気量化を実施しました。

 昨今はエンジンをダウンサイジングするのが主流となっていますが、なぜ新型CX-60のディーゼルエンジンは大排気量化したのでしょうか。

 その理由は、CX-5からの乗り換えユーザーの期待に応えるため、環境対応や電動化対応、走りの進化が必要だったからだといいます。

 ラージ商品群におけるマルチソリューション戦略として、環境対応や電動化対応と走りの進化を両立させるため、ディーゼルエンジンの大排気量化によってパワーアップと燃焼改善を実現。

 大排気量化を従来の4気筒で実現するより6気筒のほうが適切であるほか、V型よりも直列のほうが振動への対策を含めて合理的であることを踏まえ、直列6気筒を基本としました。

 そして、スペースの関係から縦置きを選択し、さらに、この縦置きエンジンを理想的に搭載するためにFR(後輪駆動)ベースとした大改革をおこなっています。

 ほかにも、燃焼効率を上げるためにピストンの形状の変更をおこなうなどの対策を施した結果、2.2リッターディーゼルエンジンから燃費は8%改善。

 4WD同士で比較すると、燃費は2.2リッターディーゼルの16.6km/Lから3.3リッターディーゼルは18.5km/Lへと向上し、さらに、マイルドハイブリッドと組み合わせると21.1km/Lというさらなる低燃費を実現しているのです。

 もちろんトルクアップも実現したほか(200馬力→231馬力/450Nm→500Nm)、安全性の向上や車両の運動特性も最適化。さらにはデザイン的にプロポーションも良くなるなど、さまざまなメリットがもたらされました。

 CX-5からの乗り換えユーザーを取り込むという意味では、価格も戦略的です。

 2.5リッターガソリンは299万2000円(消費税込、以下同様)からと、CX-5(267万8500円から)と比べて約30万円アップに留めた価格を実現。

 その一方で、最上級となる2.5リッターPHEVは626万4500円とマツダ車としてはかなり高額な部類に入りますが、プレミアム感あふれる内外装が特徴となっており、上級志向のユーザーも満足できる質感を備えています。

 手ごろな価格で買いたいユーザーから高級感を重視するユーザーまで、幅広いラインナップを揃え、さまざまな顧客のニーズに応えられるような設定としている点も新型CX-60の魅力だといえそうです。

こんな記事も読まれています

マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
レスポンス
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
WEB CARTOP
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
AUTOSPORT web
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
くるまのニュース
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
レスポンス
なんで芝生が燃え広がったんだ?? FIA、F1中国GPの火災再発防止のため詳細な調査を実施へ
なんで芝生が燃え広がったんだ?? FIA、F1中国GPの火災再発防止のため詳細な調査を実施へ
motorsport.com 日本版
レクサスが考えるアウトドアライフは上質だった──新型NX350“OVERTRAIL”試乗記
レクサスが考えるアウトドアライフは上質だった──新型NX350“OVERTRAIL”試乗記
GQ JAPAN
スプリント予選4番手は「妥当な位置」とフェルスタッペン。雨でタイヤ熱入れに苦しむ|F1中国GP
スプリント予選4番手は「妥当な位置」とフェルスタッペン。雨でタイヤ熱入れに苦しむ|F1中国GP
motorsport.com 日本版
新型「ランドクルーザー」なぜカクカクに? 徹底的に「悪路」重視のカタチとは
新型「ランドクルーザー」なぜカクカクに? 徹底的に「悪路」重視のカタチとは
乗りものニュース
トヨタ、ランドクルーザー新型“250”シリーズの特別仕様車“First Edition”を限定8000台発売
トヨタ、ランドクルーザー新型“250”シリーズの特別仕様車“First Edition”を限定8000台発売
AUTOSPORT web
ガスリー、FP1でトラブルに見舞われパワーユニット交換。しかし予選アタックには満足「期待よりもポジティブ。今後も仕事を続けていかないと!」
ガスリー、FP1でトラブルに見舞われパワーユニット交換。しかし予選アタックには満足「期待よりもポジティブ。今後も仕事を続けていかないと!」
motorsport.com 日本版
1000万円超えた!? 三菱が「最後のランサーエボリューション」販売! 特別な「エボX」に驚愕! 即“完売”の「激レアランエボ」に大反響
1000万円超えた!? 三菱が「最後のランサーエボリューション」販売! 特別な「エボX」に驚愕! 即“完売”の「激レアランエボ」に大反響
くるまのニュース
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
レスポンス
「ここまで苦しんだことはなかった……」角田裕毅、19番手に終わったF1中国GPスプリント予選の苦戦に困惑
「ここまで苦しんだことはなかった……」角田裕毅、19番手に終わったF1中国GPスプリント予選の苦戦に困惑
motorsport.com 日本版
BASFコーティングス事業部、アジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売
BASFコーティングス事業部、アジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売
AutoBild Japan
マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
レスポンス
ノリス、”オール・オア・ナッシング”のアタックが報われポール「状況は悪かったけど、楽しかったよ!」
ノリス、”オール・オア・ナッシング”のアタックが報われポール「状況は悪かったけど、楽しかったよ!」
motorsport.com 日本版
トヨタ、ランドクルーザーの中核モデル“250”シリーズを発売
トヨタ、ランドクルーザーの中核モデル“250”シリーズを発売
AUTOSPORT web

みんなのコメント

40件
  • 自動車税制は古すぎて、リッター20キロ以上走る3.3ディーゼルより、半分くらいしか走れない2.0ガソリンターボのスポーツユニットの方が安い。
    いつまでも大排気量は贅沢という固定観念を捨てられないのかね?
  • トルクがより太いエンジンの方が、
    ギアをシフトアップして、低い回転で巡航できるから、
    かえって燃費は良いからな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

291.0422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8391.6万円

中古車を検索
CX-5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

291.0422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8391.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村