MotoGPは苦戦が続くホンダやヤマハを救済すべく新たなコンセッション(優遇措置)制度の計画を進めている。しかしマルク・マルケスはそういった制度があったとしても、今季限りでのホンダ離脱という判断は変わらなかっただろうと語った。
現在のMotoGPクラスは、ドゥカティが非常に強力なパフォーマンスを発揮しており、4チーム8台体制ということもあり上位を独占することも珍しくない。対照的にかつてレースを支配してきたホンダとヤマハの日本メーカーがここ数年は苦しんでしまっている。
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そんな状況に対し、競争力の拮抗を図るためにコンセッション(優遇措置)を活用しようという動きがある。コンセッション制度は新規参入メーカーの競争力を上げやすくすることを念頭に作られたシステムだが、ホンダとヤマハの苦戦を受けて、ドゥカティら欧州メーカーに様々な制限を設けようとしている。
現在考案されている仕組みでは獲得ポイントに基づくタイヤ使用本数やテストの制限、エンジン基数の制限、そしてワイルドカード参戦の禁止などが挙げられているという。ただKTMとアプリリアがドゥカティへの制限をより強めることを求めているため、この案が前に進むかはまだ分かっていない状況にある。
ホンダで苦戦が続き、ついにドゥカティ陣営への移籍を決めたマルケスのようなライダーも出ているが、こうしたコンセッション制度案が今年初めに浮上していれば、判断は変わっていたのか? マルケスにその点を聞くと、「それはない」と答えた。
「コンセッションについては、2ヵ月前から知っていたからね」
「だからこの件が僕の計画を変化させることは無かっただろう。ホンダの幸運を祈っている」
「僕はグレシーニとは1年契約を結んでいるから、コース上では速く走れるよう100%を尽くしていく。速く走れれば、それだけ将来に向けた可能性も広がるんだ」
なお前述のとおり、このコンセッション案はKTMとアプリリアがドゥカティへのさらなる制限を求めているなど、完全にはまとまっていない。
レプソル・ホンダのジョアン・ミルは、過去にホンダがコンセッションを受け入れたことを挙げつつ、KTMやアプリリアが案を拒む態度は利己的であると批判を展開した。
「KTMやアプリリアがコンセッションを必要としていたとき、ホンダは必要としていないにもかかわらず、それを受け入れたんだ」と、ミルは語る。
「今僕らをはじめ、状況は違うけどヤマハもそれを必要としているとして、あちらが僕らにそれ(コンセッション)を与えないというなら、それは利己的というものだろう」
「僕たちがまたトップ争いのレベルに戻るためには、少しの助けが必要なんだ」
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