■中国の4輪新車販売台数はアメリカを抜いて世界第一位に
2018年の1年間、中国では2800万台以上の新車が販売されました。2位のアメリカに1000万台以上の差をつけて断トツの1位です。前年より2.8%減少したということですが、こんなにたくさんの新車が売れる中国での一番人気は、実はいまの日本でもなじみのあるクルマでした。
このまま日本へ? 日産 新型「シルフィ」の後席快適性がハンパない!
世界の自動車市場で北米・欧州・日本は重要な市場といわれ続けていますが、近年存在感が大きくなった市場が中国です。
その中国市場で販売台数が好調な車種は、日産のセダン「シルフィ」です。日本ではやや影の薄いモデルですが、なぜ人気なのでしょうか。
2019年4月に上海モーターショーでフルモデルチェンジを行ったシルフィ。中国市場で人気が高いだけではなく、世界的にも販売好調なセダンです。
シルフィが中国市場で支持される理由について現地で取材したところ、「後部座席が広い」「装備が充実していて高級感もあるのに値段が安い」「日本のブランドゆえ信頼できる」という声が多数寄せられました。
さらに、中国最大級の自動車メディア「汽車之家」の満足度調査によると、1位の広汽トヨタ「レビン」、2位の一汽トヨタ「カローラ」に続いてシルフィは3位で、部門別では室内の広さと快適性が1位、内装が2位となるなど、これらの要素が評価されて、中国では販売が好調となっているのでしょう。
●総合満足度の高い乗用車ベスト5 1位 広汽トヨタ レビン 2位 一汽トヨタ カローラ 3位 東風日産 シルフィ 4位 上海フォルクスワーゲン ラヴィーダ 5位 一汽フォルクスワーゲン ボーラ
中国市場でシルフィのライバル車といわれているのが、上海フォルクスワーゲンの「ラヴィーダ」。このモデルは、シルフィと毎年販売台数の首位争いをしている上海フォルクスワーゲンのセダンです。
上海フォルクスワーゲンは、中国で非常に人気と信頼のあるブランドです。とくに、上海は上海フォルクスワーゲン(上汽大衆)のおひざ元でもあるため、タクシーなどにも「サンタナ」をはじめとしたフォルクスワーゲン車が多く用いられています。
ラヴィーダは、同社のハッチバック「ゴルフ」がベースとなっている中国専用車で、姉妹車に「ボーラ」というクルマも存在。中国のユーザーが重視する後席の広さや内装の高級感はもちろん、口コミ評価では外観への評価が1位となっていることから、スタイルの良さも高く評価されているといえます。
■セダンだけじゃない! 中国で人気の車種たちを紹介
中国において人気のカテゴリーはセダンだけではなく、SUVもセダンとほぼ同じシェアを占めています。まだ道路の舗装率が低いエリアもあることから、最低地上高の高さや悪路走破性の高さもSUVの人気の一因です。
SUVの中でもとくに販売が好調な車種が、長城汽車の「ハヴァル H6」。ハヴァルは長城汽車のSUV専用ブランドで、若者向けの魅力的なSUVを数多くラインナップしていますが、H6はその中でも人気が高く、SUVカテゴリーでは断トツです。
汽車之家のユーザー評価によると、ハヴァル H6は快適性、外装デザイン、そしてコストパフォーマンスの点で高い評価を受けています。
セダンやミニバン以外では、ミニバンも中国で売れているクルマのカテゴリーですが、中でも人気の高いクルマが上汽通用五菱の「宏光」です。
宏光は中国で最も売れているMPV(ミニバン)で、上汽(上海汽車)と通用(ゼネラルモータース)、そして五菱(五菱集団)の3社による合弁会社で製造されています。
1.2リッターと1.5リッターの2種類のエンジンをラインナップしており、日本円で約70万円から約110万円という安価な価格もあって、販売実績は好調です。
じつはこの「宏光」は、日本はもちろん中国、アジアで絶大な人気を誇る漫画「頭文字D」が公式キャラクターに起用されていて、これによって中国での若者層からの人気が高まったともいわれています。
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このように日本と中国で市場は違えども、多様化するユーザーのニーズに応えたいという自動車メーカーの願いは、万国共通といえるのかもしれません。
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