ストイックでシンプルなショベルボバー〈ハーレーカスタムトレンドニュース〉
手に入れれば、生活のすべてが変わる可能性を秘めている。それがハーレーダビッドソンという乗り物だ。そんな暮らしを満喫中の個性派オーナーたちを、『ウィズハーレー』誌が全国を渡り歩いてピックアップ。今回はFXDLローライダーに乗るTさんのハーレーライフを紹介しよう。
●文/写真:森下光紹 ●外部リンク:S&Fモーターサイクル
夏の北海道、少ない時間に弾けるようにバイクを乗り回す
Tさんの愛車は、ツインカム88エンジンが搭載されたローライダー。ダイナフレームのモデルが消滅した今となっては、今後貴重なモデルとなっていくことが想像できる名車である。女性にとっては大型バイクの中でも重量級であることは間違いないが、身長の高い彼女にとっては、ベストマッチングという印象がとても強かった。
「元々20代の前半から乗っている250ccのスポーツバイクがあって、それは今でも所有しているんですけど、兄がアメリカンバイクに乗っていたことの影響で、私もクルーザー系に乗ってみたくなりました。すると、まわりは全員スポーツスターを勧めるんですよ」
しかし、彼女が選んだモデルはこのローライダーだった。ショップで見たスポーツスターよりも、断然ローライダーが魅力的に見えたというのだ。
スポーツスターには、彼女の求めているクルーザーとしての魅力が少ない気がしたのだろう。まわりのライダーが勧める「まず最初はスポーツスターから」という助言の意味を理解した上でも、やはり求めているイメージに一番近いモデルはローライダーだと確信して、購入を決意する。
お住まいは紋別郡。北海道の北部に位置し、さらに東にはサロマ湖を経て網走。西北に行けば稚内という場所である。そこで彼女はスナックを経営していて、バイクに乗れない季節は、ずっと仕事に明け暮れていると笑った。
「夏の北海道は最高ですからね。その少ない時間に弾けるようにバイクを乗り回します。ローライダーはピカピカに磨くのが好きなので、帰ってくると4時間くらいはバイクを磨いているかなぁ。そんな時間も楽しんでいますよ」
今回、撮影のために待ち合わせたS&Fモーターサイクルは、旭川にあるショップ。つまり彼女は、朝早く家を出て、すでに150キロほどツーリングしてきたことになる。乗れる時期にはガンガン乗るという彼女にとって、それくらいの距離は日常的なことなのだろう。
さすがに身のこなしは軽く、付き合いの長いローライダーを軽々と操る姿は、実に格好良く不安のないものだ。愛車を完全に自分のものにしている一体感が清々しい。普段はひとりで走ることが多いという彼女は、生粋のライダーだった。
「友達と一緒に走ったり、大勢のグループツーリングも好きですよ。でも基本はやっぱり一人かなぁ。気ままにクルージングしている時が一番気持ち良い瞬間だと思うから」
今後は、道外も走ってみたいと夢を語る。長野や岩手のミーティングには参加経験があり、本州のツーリングにも大きな魅力を感じているのだ。
ローライダーは、この先もずっと良き相棒として彼女の側にあることだろう。
―― お気に入りのローライダーは、オリジナルのスタイルを保ちつつ、足まわり等のカスタムを施してある。開放感のあるそのイメージは、北海道の環境にはベストマッチだ。 [写真タップで拡大]
―― 「S&Fモーターサイクルの店長」と紹介されて出てきたのは、黒柴犬のカブ。おとなしいが凛々しい、まさしく店長。看板犬だ。人に吠えるところを見たことがなく、Tさんにもすぐ寄り添っていた。 [写真タップで拡大]
―― 実は今回始めてのショップ訪問となった彼女は、ショップ代表の高橋さんから、インジェクションチューニングの効果を伝授されて興味を持ったようである。エンジンのバランス調整は、長く乗る秘訣だ。 [写真タップで拡大]
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みんなのコメント
でも、夏場よりも防寒対策した冬場のほうが案外快適にライディングできます。
夏場は熱との闘いだからね。
足元にエンジンが出っ張ってるので足元はポカポカ、ハンドルポストより幅広のフルフェアリングは体にはほぼ風が当たりません。真夏に乗ると死んでしまうのでお休み。真冬は快適です。