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ロールス・ロイスのビスポーク世界を知る。世界に1台を特注するという至上の贅沢【ファントム編その1】

Rolls-Royce Phantom

ロールス・ロイス ファントム

ロールス・ロイスのビスポーク世界を知る。世界に1台を特注するという至上の贅沢【ファントム編その1】

ロールス・ロイスは特注が「当たり前」

ロールス・ロイスは2019年に5152台を販売し、同社116年の歴史上最多のセールスを記録した。

ロールス・ロイスを買う。そこには単に車両を手に入れるだけでなく、ビスポークをするということも価値に含まれる。5152台のロールス・ロイスが売れたということは、つまり同時に5152種類のロールス・ロイスが誕生したということも意味するのだ。

顧客の想像力を自動車の世界に落とし込む

「The only limit is your imagination」というタグラインが示すとおり、ロールス・ロイスのビスポーク部門は、顧客の想像力に応じてあらゆる「答え」を提案する。

グッドウッドを訪れた顧客はビスポーク部門のスタッフから、趣味は何か、所有するヨットの室内はどのような装飾か、どんなスーツを好むかなど様々な嗜好をヒアリングされるという。そうして顧客の胸のうち、頭の中にあるイメージを引き出して、自動車づくりのプロフェッショナルとしてクルマのパーツや素材に彼らの真の望みを落とし込み、提案をするのだ。

未来の愛車の姿を思い描くその部屋には、何十、何百という革や塗料のサンプルはもとより、宇宙をイメージさせる隕石など、顧客のインスピレーションをかきたてるための様々なマテリアルやガジェットなどが用意されている。

ロールス・ロイスの千姿万態

膨らむ想像に応えられる既存の手法がない場合は、もてる技術を駆使して新しい手法を編み出すことも稀ではない。つまり顧客側の想像が膨らめば膨らむほど、ロールス・ロイスのビスポークの可能性も拡大するということになる。

2019年に作られたロールス・ロイスにはどんなビスポークが生まれたのか。5152分の1の「答え」を覗いてみよう。

50gの純金を使ったアートワーク

こちらはロールス・ロイスのフラッグシップサルーンのビスポークモデルの一例だ。「デジタル ソウル ファントム」と題した車両は、キャビンの中にコンピューターグラフィック的美学を表現した。

ダッシュボードやドアトリムを彩るのは、これまでの常識を覆す加飾パネルだ。プロダクト デザイン界の前衛作家として知られるトルステン・フランクが手がけた作品で、各自の遺伝子をアルゴリズムに従ってデータ化し、パターンに落とし込んだものを装飾に利用した。ステンレススチールを3Dプリント技術で立体成形し、その上に24K、つまり純金でめっきを施している。使われた金は50gにおよぶという。

デジタル的パターンに組み合わされるのはユーカリの美しく伝統的な木目と、やはり金で仕上げたスピーカーグリル。人の手の温もり、ロールス・ロイスの美学、そして独創的な表現力が共存するこのファントムのキャビンは、つまり宝石であり、彫刻であり、芸術作品そのものといえる。

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