現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ボルボの新世代フラッグシップEVサルーン「ES90」が初公開

ここから本文です

ボルボの新世代フラッグシップEVサルーン「ES90」が初公開

掲載 2
ボルボの新世代フラッグシップEVサルーン「ES90」が初公開

 ボルボ・カーズは2025年3月5日(現地時間)、新型フラッグシップEVサルーンの「ES90」を発表した。

 EX90、EM90、EX40、EC40、EX30に続くボルボの電気自動車の第6弾となるES90は、セダンの洗練されたエレガンス、5ドアクーペの汎用性、SUVの広々とした室内空間と高い最低地上高を高度に融合させたエクステリアに、プレミアムな快適性や本物の素材、目的にあったデザインで仕立てたインテリア、そして新世代のコアコンピューティング技術と最新の800Vテクノロジーを採用して、新世代電動テクノロジーのイメージリーダーに昇華させたことが特徴である。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目

 まずエクステリアは、機能が形をつくるスカンジナビアンデザインを新たなアプローチで導入して、自信に満ち、かつ個性あふれるセダンスタイルに仕立てるとともに、コアコンピューティングやコネクティビティ、電動化などの最先端技術と組み合わせて、安全性、効率、デザインを最適化する。新しいトールハンマーデザインのLEDヘッドランプおよびデイタイムランプやクローズドタイプのグリル、C字型のLEDコンビネーションランプとリアウィンドウ左右に縦型に配したランプ、空力特性を考慮した独特な造形のアルミホイールなども目を引く部分だ。さらに、わずかに高められた車高によってドライバーに広い視界を提供。合わせて、流れるようなルーフラインがエレガントな外観と室内空間をバランスよく融合させ、同時に空気抵抗係数(Cd値)0.25という優れたエアロダイナミクスを実現することで、総合的な効率性と航続距離の向上を実現した。ボディカラーについては7色を設定し、足もとのホイールは20インチから22インチまでの4種類から選択可能。最大99.9%のUVカット付きパノラミックルーフも装備し、エレクトロクロミック(電気調光)仕様を選べばガラスの透明度を調整することもできる。

 インテリアに関しては、インパネ上部を水平基調にアレンジして前方視界を高めたうえで、高品質グラフィックスの9インチドライバーディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを配備する。また、バーチカルマウントの14.5インチサイズのセンタースクリーンディスプレイを採用し、インフォテインメントシステムとして最新のGoogleを搭載。Googleマップ、Googleアシスタント、Google Playといった各種アプリのサービスが利用できるほか、5Gに対応してシームレスかつ応答性に優れた性能を実現した。また、Qualcomm Technologies社のSnapdragon Cockpit Platformも組み込み、ドライバーディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを通じて運転に欠かせない情報を必要なときに素早く提供するよう設計する。さらに、ヘッドレスト一体型スピーカーを含めてキャビン全体に25個の独立したハイフィデリティ・スピーカーを配したBowers&Wilkinsサウンドシステムや、スマートフォンが車両のキーとなるフォンキーテクノロジーなどの新機能も採用。4ゾーンクライメートシステムと最先端の空気清浄機能も装備して、キャビン空間の快適を高めた。

 車両と外部との間の双方向通信機能を使ってクルマ本体を制御するソフトウェアを更新し続けて、ユーザーが購入後も性能向上を享受できる“ソフトウェア・デファインド・カー(Software-Defined Car)”に対するボルボ・ブランドのアプローチをさらに発展させて具現化したことも見逃せない。具体的には、コアコンピューティング技術、常時接続、データの活用により継続的に進化し、改善していくように設計。コアコンピューティング技術では、ボルボ車として初めてデュアルNVIDIA DRIVE AGX Orinコンフィギュレーションを搭載する。人工知能(AI)コンピューティング界のリーディングカンパニーのひとつである半導体メーカーのNVIDIA(エヌビディア)が手がけたDRIVE AGX Orinは、車内のさまざまな重要システムやプロセスを超高速で統合制御。毎秒約508兆回の演算(TOPS)という高レベルの演算能力を持ち、AIベースの最先端のアクティブセーフティ機能、車両センサー、効率的なバッテリーマネージメントなどの機能を管理する。また、メイン・コアコンピュータは従来のDRIVE AGX Xavierと比べてAIコンピューティング性能を8倍ほど向上させ、ディープラーニングモデルとニューラルネットワークのサイズを4000万パラメータから2億パラメータへと徐々に拡大することができる。その結果、より多くのデータを収集し、クルマの開発を続けながらカスタマー・エクスペリエンスと安全レベルの向上という総合的な目標を時間をかけて実現していくことが可能となった。

 一方で基本設計には、アップデートしたEX90に続いて、ボルボの新世代アーキテクチャー“SPA2”をベースとするスーパーセット・テックスタックを導入。スーパーセット・テックスタックは統合型のハードウェアとソフトウェアのモジュールおよびシステムで構成し、車両のライフサイクル全体を通じて、クルマの安全性、テクノロジー、総合的なパフォーマンスを無線アップデート(OTA)を活かして向上させる。また、スーパーセット・テックスタックは今後発売されるすべてのボルボ製EVの基盤となるため、EVラインアップ全体の性能を同時に向上させることが可能。つまり、ソフトウェアがハードウェアに代わって、ユーザーにとってのイノベーションと価値創造の主な原動力に昇華するのである。

 一方、キャビン空間自体は3100mmというロングホイールベースを活かし、広々とした後席足もと空間を確保。また、6種類のアンビエントライトテーマによって乗員の感覚的な心地よさを演出する。さらに、シート仕様にはリサイクル素材を使用したテキスタイルなど多彩な表皮を設定。インテリア全体にもサステナブルな素材や責任ある方法で調達された天然素材を使用した。荷物の積載性も重視し、大きく幅広のテールゲートを配したリアラゲッジは424リットル(3分割式後席シートバック格納時で最大733リットル)の容量を確保。ゲートのリッドには収納できる荷物の大きさを正確に把握できる便利なガイド「Will it fit?」を刻印する。合わせて、フロントには充電ケーブルの収納に最適な22リットルのフランクを備えた荷物スペースを配備した。

 パワートレインについては、新しい800Vテクノロジーを採用して航続距離および充電性能を高めたことがトピック。350kWの急速充電ステーションではわずか10分間で300kmの航続距離を追加でき、WLTPテストサイクルでは最大700kmの航続距離を実現する。パワーユニットとしては、最高出力245kW/最大トルク480Nmを発生するリアモーターに総電力量92kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせるシングルモーター エクステンディッドレンジ、システム最高出力330kW/最大トルク670Nmを発生する前後モーターに容量106kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせるツインモーター、システム最高出力500kW/最大トルク870Nmを発生する前後モーターに容量106kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせるツインモーター パフォーマンスを設定。充電に関しては、AC普通充電とDC急速充電に対応させた。一方、基本骨格は新世代のSPA2プラットフォームと、約18%の再生スチールや約29%の再生アルミニウム、そして約16%のリサイクルポリマーとバイオベース素材を使用した専用ボディで構成。車内のウッドパネルにはFSC(Forest Stewardship Council)認証の木材を採用している。

 先進安全運転支援システムの進化もES90の注目ポイントで、周囲の状況を正確に把握する高度なセンサー群、LiDAR 1個、レーダー5個、カメラ7個、超音波センサー12個に加え、車内には高度にドライバーの状況を把握し理解するシステムを搭載する。これらのシステムは、暗闇でも障害物を検知し、衝突回避などのプロアクティブな安全機能を作動させることで、高い安全性を確保する。ボルボはこの先進安全技術を“セーフ・スペース・テクノロジー”と呼称している。

 なお、ES90は3月よりオーストリア、ベルギー、チェコ共和国、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国で注文受付を開始。その他の市場では本年後半から2026年にかけて順次展開する予定である。日本への導入時期は現在のところ未定だ。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

モーガン新型『スーパースポーツ』初公開 快適性と使いやすさを向上 約1950万円から
モーガン新型『スーパースポーツ』初公開 快適性と使いやすさを向上 約1950万円から
AUTOCAR JAPAN
ジムニーノマド徹底ガイド【3】キャビン&ユーティリティ
ジムニーノマド徹底ガイド【3】キャビン&ユーティリティ
グーネット
新しくなくたって楽しめる!! [先代のほうが買いかも……]なクルマ4選
新しくなくたって楽しめる!! [先代のほうが買いかも……]なクルマ4選
ベストカーWeb
待望の『クラウンエステート』発売に、「もっと高くなると思ってた」「欲張りな人に最適」などSNSで話題に
待望の『クラウンエステート』発売に、「もっと高くなると思ってた」「欲張りな人に最適」などSNSで話題に
レスポンス
3代目新型メルセデス・ベンツ「CLA」が誕生! まずはBEV、年末までに48Vマイルドハイブリッド仕様を追加【新車ニュース】
3代目新型メルセデス・ベンツ「CLA」が誕生! まずはBEV、年末までに48Vマイルドハイブリッド仕様を追加【新車ニュース】
くるくら
BMW 3シリーズ 次期型は2026年発売、EV『i3』もデビュー
BMW 3シリーズ 次期型は2026年発売、EV『i3』もデビュー
AUTOCAR JAPAN
新型プレリュード[プロトタイプ]実走テスト
新型プレリュード[プロトタイプ]実走テスト
グーネット
【語ろう! クルマの魅力02】魅力モデル続々! 最近、大いに気になるクルマたち
【語ろう! クルマの魅力02】魅力モデル続々! 最近、大いに気になるクルマたち
カー・アンド・ドライバー
トヨタからワゴンとSUVが融合したクラウン4番目のモデル、新型「エステート」を発売
トヨタからワゴンとSUVが融合したクラウン4番目のモデル、新型「エステート」を発売
@DIME
レス・イズ・モアは電動にも ポルシェ・マカン 4Sエレクトリックへ試乗 期待通りに優秀
レス・イズ・モアは電動にも ポルシェ・マカン 4Sエレクトリックへ試乗 期待通りに優秀
AUTOCAR JAPAN
【クルマの通知表】コスパ抜群! インド生産の世界戦略SUV、スズキ・フロンクスの新鮮度
【クルマの通知表】コスパ抜群! インド生産の世界戦略SUV、スズキ・フロンクスの新鮮度
カー・アンド・ドライバー
ジムニーノマド徹底ガイド【2】エクステリア&パッケージ
ジムニーノマド徹底ガイド【2】エクステリア&パッケージ
グーネット
ポルシェ・マカン・エレクトリック 詳細データテスト クラス最速レベル ブレーキとシャシーに疑問符
ポルシェ・マカン・エレクトリック 詳細データテスト クラス最速レベル ブレーキとシャシーに疑問符
AUTOCAR JAPAN
往年のルノー5ターボが電気自動車となって復活。車名は「ルノー5ターボ3E」。生産台数は1980台
往年のルノー5ターボが電気自動車となって復活。車名は「ルノー5ターボ3E」。生産台数は1980台
カー・アンド・ドライバー
【スーパーカー対談2025】スーパーカースペシャリストの全開トーク「最新スーパーカーは1000psオーバーが基準になりつつある!」
【スーパーカー対談2025】スーパーカースペシャリストの全開トーク「最新スーパーカーは1000psオーバーが基準になりつつある!」
カー・アンド・ドライバー
トヨタ新型「クラウン・エステート」荷室をチェック! ゴルフバッグは何セット積める? “趣味のアシ”に使える? 注目モデルの実力とは
トヨタ新型「クラウン・エステート」荷室をチェック! ゴルフバッグは何セット積める? “趣味のアシ”に使える? 注目モデルの実力とは
VAGUE
BYDがクロスオーバーSUVスタイルの電気自動車「シーライオン7」の日本市場おける事前予約受付をスタート。発売は4月15日に決定
BYDがクロスオーバーSUVスタイルの電気自動車「シーライオン7」の日本市場おける事前予約受付をスタート。発売は4月15日に決定
カー・アンド・ドライバー
今度のBYDはクルマの屋根にドローンを搭載だと!? 留まるところを知らないBYDの開発スピードがヤバイ!
今度のBYDはクルマの屋根にドローンを搭載だと!? 留まるところを知らないBYDの開発スピードがヤバイ!
THE EV TIMES

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村