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【F1第5戦無線レビュー(1)】早々にタイヤに苦しんだハミルトン「あいつら内圧を低くするか、何かやっているんじゃないか」

【F1第5戦無線レビュー(1)】早々にタイヤに苦しんだハミルトン「あいつら内圧を低くするか、何かやっているんじゃないか」

 2020年F1第5戦70周年記念GPの決勝レースでは、ハードタイヤを装着して予選Q2を突破したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と、メルセデス勢との戦いに注目が集まった。

 まずはレース前半、ハードタイヤで順調に走行を続けたフェルスタッペンと、早々にタイヤが悲鳴をあげたメルセデス勢とのバトルを無線で振り返る。

フェルスタッペン「チャンスがあるなら、プレッシャーをかける。それが僕のスタイルだ」/F1第5戦決勝会見

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 1週間前の第4戦イギリスGPでは、レース終盤にパンクが多発したこともあり、同じサーキットで行われた第5戦70周年記念GPの決勝レースは、タイヤに注目が集まった。そのなかでも注目を集めたのが、レース序盤でトップ3を形成したバルテリ・ボッタス、ルイス・ハミルトンのメルセデス勢2台と、スタート直後に3番手に浮上したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だ。

 ミディアムタイヤでスタートしていたメルセデスと、ハードタイヤを選択したフェルスタッペン。スタート後早々に悲鳴を上げたのは、前戦イギリスGPでハミルトンとボッタスの2台そろってパンクに見舞われていたメルセデスだった。6周目に早くもこんな無線がボッタスに告げられる。

メルセデス:左フロントが限界だ。それから左リヤもだ

 メルセデスのペースが落ち始め、8周目からはメルセデス勢2台とフェルスタッペンとの差が徐々に小さくなる。

フェルスタッペン:彼ら、タイヤで苦しんでいる?

レッドブル・ホンダ:ハミルトンとの差が縮まり始めた

 10周目には前を走る2番手のハミルトンとフェルスタッペンの差は、ついに1秒を切る。しかし、ここでチームとフェルスタッペンとの間で意見がぶつかりあう。

レッドブル・ホンダ:マックス、少し前車に近づきすぎている。まだ先は長い。タイヤを労わりたいので、少し距離をおいてほしい

フェルスタッペン:いまがメルセデスを追い立てるチャンスだよ。おばあちゃんみたいに、ただじっと座っているわけにはいかないね

 後方でそんなやりとりが行われていることを知らないハミルトンは、チームにタイヤ交換をお願いする。
 
ハミルトン:リヤが終わった

メルセデス:OK、BOX

 これで前が開け、クリーンエアで走ることとなったフェルスタッペンは、タイヤを労わりながらもペースアップしていく。

フェルスタッペン:タイヤはOK。左フロントもきちんとマネージメントしているよ

レッドブル・ホンダ:了解。ここまでは素晴らしい仕事だ
 メルセデスがミスを犯したわけではなく、フェルスタッペンがいかに良い仕事をしていたのかは、この日メルセデス以外のドライバーもブリスターに悩まされていたことでもわかる。17周目にはキミ・ライコネン(アルファロメオ)がこう叫ぶ。

ライコネン:左リヤがブリスターだ

アルファロメオ:了解

 13周目と14周目に相次いでピットインして、ハードタイヤに交換したメルセデス勢に対して、フェルスタッペンは20周目を過ぎても快調な走りを続けていた。それを見ていたメルセデスはハミルトンにこんなメッセージを送る。

メルセデス:フェルスタッペンが1ストップだと、ちょっとやっかいなことになる

 一方、フェルスタッペンの快調なペースは衰えることがない。

フェルスタッペン:タイヤのフィーリングはいい。まったく問題ない

 逆にタイヤを交換したメルセデスは、まだ10周も走っていない段階から、再びブリスターに悩まされ始める。

ハミルトン:右フロントにブリスターができ始めた

ハミルトン:今度は中央にも筋ができている

 26周目にピットインしたフェルスタッペンが、ハードからミディアムに履き替えたのを見て、メルセデスはハミルトンにこう伝える

メルセデス:フェルスタッペンが現時点で最もうまくタイヤを使っている。もしかすると、1ストップをやろうとしているかもしれない

ハミルトン:あいつら内圧低くしているか、何かやっているんじゃないか

 ピットアウト直後にボッタスを抜いてトップに立ったフェルスタッペン。トラックポジションを確保したレッドブル・ホンダは、追い上げる戦いからこの順位を守る戦いに戦略を変える。

レッドブル・ホンダ:ボッタスとのギャップが広がったから、少しタイヤをセーブしよう。スタートでミディアムを履いたドライバーたちのうち何人かがタイヤに苦しんでいたので、ターン1、9、11でのタイヤマネージメントをもう少し行ってほしい
 しかし、30周目に入ろうとしたところで、再び戦略を変更する。

レッドブル・ホンダ:訂正する。プッシュだ。プッシュ、プッシュ

フェルスタッペン:なんて言った?

レッドブル・ホンダ:タイヤマネージメントのことは忘れていい。このタイヤはできるだけ早く使い切っていいから、いまは全力で走っていいぞ!!

フェルスタッペン:じゃ、完全に使い切るよ

レッドブル・ホンダ:ボッタスとの差は広がっている。彼の前の周(29周目)のラップタイムは30秒9だ

フェルスタッペン:30秒9?

レッドブル・ホンダ:そうだ、スリー・ゼロ・ポイント・ナインだ。前方にまたマグヌッセンがいる

レッドブル・ホンダ:エンジン14、ポジション6

レッドブル・ホンダ:ボッタスとの差は2.4秒。

 メルセデスが2ストップ作戦であること、そして最後のスティントもハードで走ることを確信したレッドブル・ホンダ陣営は、ミディアムを早めに捨てて、メルセデスと同じハードに変えて、最後まで走り切るという戦略に変更する。すでに先頭に立っているので、あえてメルセデスと同じ作戦にすることで、状況が変わっても、自分たちだけが不利を被らないためだ。

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(2)に続く

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