2026年7月30日~8月2日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第10戦ラリー・フィンランドが中部の都市ユバスキラを起点としたグラベル路面で開催され、トヨタのサミ・パヤリが前戦に続き2連勝をマーク。2位にはオリバー・ソルベルグ、3位にもエルフィン・エバンスが入り、トヨタが1-2-3フィニッシュを達成した。勝田貴元(トヨタ)は雨模様の金曜日にウインドウスクリーンが曇るトラブルで大きくタイムロス。日曜日の最終パワーステージではコースアウトを喫して左フロントを大破し、6位に終わった。
金曜日を終え、トヨタが1-2-3-4体制を形成
多くのアクシデントがあった波乱の超高速ラリーで、地元フィンランド出身のパヤリが見事な優勝を飾った。
ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
最初の波乱は金曜日午前のSS4でこのラリーで優勝経験もあるヒョンデのエサペッカ・ラッピが大転倒してリタイアとなったこと。続くSS5ではやはりヒョンデのティエリー・ヌーヴィルがコースオフしてフロントサスペンションを壊し大きく後退。
さらに午後には雨が降り出し、苦戦していたスタート順の早いドライバーにもチャンスが訪れるが、SS8では勝田やパヤリの車両にフロントウインドウが曇るトラブルが発生。パヤリは30秒ほどの遅れに留めたものの、勝田はここで絶望的な2分以上の遅れを喫してしまった。
金曜日を終え、ドライでの午前中にタイムを稼いだセバスチャン・オジェが首位に浮上。2番手には先頭スタートながら午後の雨が幸いして追い上げたエバンス、3番手には3番手スタートながら午前中もベストタイムを出すなど大健闘してSS8での遅れを最小限に留めたパヤリ、4番手には雨の午後に大きくタイムロスしてしまったオリバー・ソルベルグがつけ、トヨタの1-2-3-4のオーダーとなった。
トップに立ったオジェが大クラッシュでまさかのリタイア
しかし、波乱は翌土曜日も続いた。午前中最後のSS14序盤でMスポーツ・フォードのマルティンス・セスクスが転倒リタイア。同じステージでは2番手につけていたエバンスも転倒を喫してしまう。選手権首位のエバンスにとって幸いだったのはダメージが外装だけに留まったこと。さらにアクシデントが起きた場所がステージ最終盤の観客が多い地点だったこともあり、コース外から助け出されたエバンスはなんとかステージをフィニッシュ。直後のサービスでタイムペナルティなしにGRヤリスは修復され、リタイアという最悪の事態は免れた。
そしてこのラリー最大の波乱は午後のSS17で起きた。確実に首位をキープしていたオジェがフィニッシュ間際でコースアウトして大クラッシュ。まさかのリタイアとなってしまったのだ。
これで首位にはこの日もベストタイムを出すなど安定していたパヤリが浮上。2番手にはソルベルグが浮上するが、その差は45秒と大きかった。
パヤリは翌日曜日の2ステージも無難に走り切り、初優勝した前戦エストニアに次ぐ2連勝を達成した。2位にソルベルグ、エバンスが3位となり、これで選手権ランキングは首位エバンス(201点)に次いでパヤリが2番手(171点)に浮上、痛恨の結果となった勝田はエバンスから41点差の3番手に後退し、156点となったソルベルグにも迫られることになった。
WRCの次戦第11戦ラリー・パラグアイは8月27~30日、南部の都市エンカルナシオンを起点としたグラベル路面で開催される。2025年に初めてWRCイベントとして行われたラリー・パラグアイは、粘土質の赤土と変わりやすいグリップが特徴のグラベル(未舗装路)ステージが戦いの舞台となる。(文:新村いつき)
2026年 WRC第10戦ラリー・フィンランド リザルト
2026年 WRC第10戦ラリー・フィンランド 結果
1位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h27.58.0s
2位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+26.7s
3位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m19.5s
4位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+1m35.9s
5位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー1)+3m52.5s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+4m18.2s
7位:J.マクリーン(フォード・プーマ ラリー1)+4m32.7s
8位:J_M.ラトラバ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+8m25.5s
9位:R.ヴェルベス(シュコダ・ファビアRS ラリー2)+8m43.9s
10位:T.スニネン(トヨタ GRヤリス ラリー2)+9m03.0s
2026年 WRC第10戦ラリー・フィンランド スーパーサンデー 結果
1位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)27m00.3s
2位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2.9s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+15.5s
4位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)+19.3s
5位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+19.7s
2026年 WRCドライバーズランキング(第10戦終了時)
1位:E.エバンス(トヨタ)201
2位:S.パヤリ(トヨタ)171
3位:勝田貴元(トヨタ)160
4位:O.ソルベルグ(トヨタ)156
5位:S.オジェ(トヨタ)139
6位:A.フルモー(ヒョンデ)129
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)125
2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第10戦終了時)
1位:トヨタ 514
2位:ヒョンデ 340
3位:Mスポーツ・フォード 13
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