現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 斬新スタイルのDセグ・モデル シトロエンC5 Xへ試乗 快適性重視の個性 後編

ここから本文です

斬新スタイルのDセグ・モデル シトロエンC5 Xへ試乗 快適性重視の個性 後編

掲載 更新 3
斬新スタイルのDセグ・モデル シトロエンC5 Xへ試乗 快適性重視の個性 後編

価格を考えれば内装素材も高品質

Dセグメントに投入された、カテゴリー・フリーなシトロエンC5 X。内装素材は、手頃な車両価格を考えればかなり質が高い。

【画像】ワゴンとクロスオーバーの掛け合わせ? シトロエンC5 X 欧州の競合モデルと比較 全80枚

頻繁に触れる場所にはソフトタッチ加工が施されているし、レザーやテキスタイルの選択肢も豊富。小さなシェブロン・マーク(シトロエンのロゴ)が並んだパターンも選べる。組み立て品質も優れているといえる。

リアシート側の空間もストロングポイント。なだらかに傾斜したルーフラインの影響で、頭上空間はそれなりだが、膝周りはかなり広い。よほど高身長な大人でない限り、長時間の移動でも不満は出ないだろう。

荷室空間は、ボディサイズを考えると期待ほど大きくはない。それでもリアシートを利用した状態で545Lあり、充分な容量は持っている。荷室フロアはフラットで、リアシートはテールゲート側からでも簡単に倒せる。

シトロエンの話では、リアシートをたたまなくても一般的な洗濯機を載せられるという。春の引っ越しにも便利そうだ。

さて、今回試乗したC5 Xは、1.2L 3気筒ガソリンターボのピュアテック130と、1.6L 4気筒ガソリンターボに駆動用モーターが組み合わされたPHEVの2種類。筆者は、前者の130の方が好ましいと感じた。

快適で好印象なドライブフィール

といっても、PHEVのシステムも洗練され好印象ではある。駆動用モーターとバッテリーだけで走行するEVモードなら、感心するほど静かに市街地を移動できる。しなやかな足まわりは、ツギハギの多い路面も見事に均してくれる。

シトロエンらしく、ステアリングやペダルはとても軽く、リニア性には欠ける。乗員を不快にさせないよう、滑らかに運転するには丁寧な操作が求められるだろう。特に、カックンブレーキなしでの停止は難しいと感じた。

ただし敏感なのは、操作し始めなど低速域での反応だけ。走行スピードが高まっていくと、改善していく。入力に対するクルマの動きが予想しやすくなり、疲れも少ない。カテゴリーは異なるが、トヨタGR86にも通じる特長だと思う。

ピュアテック130では、一層印象が良い。PHEV版の車重が1722kgもあるのに対し、130は1418kgに留まることも、助けているのだろう。

乗り心地は同等に優れ、それでいて反応は機敏。操作感は軽いままだが、クルマの動きも軽快になり、入力に対する反応をより予想しやすい。

ドライブトレインからは、PHEVと比べればノイズが車内に届いてくる。8速ATは頻繁にギアを変え、エンジンからは振動も伝わってくる。しかし意欲的に回り、粘り強く充分なパワーを発揮してくれる。

走行時の静寂性や反応は、褒められる水準。うるさいと感じるほどではなく、フィーリングは上質といっても構わない。

付き合いやすいファミリーカー

ピュアテック130のCO2の排出量は、PHEVの30-34g/kmに対し、136-154g/kmへ増える。大きめのファミリーカーとしては130の方が訴求力は高いと思うが、英国では一般的な会社からの貸与車両として乗る場合は、税制的にPHEVの方が妥当だろう。

新しいC5 Xによって、シトロエンがDセグメントで存在感を示すことができるのか、筆者には判断が難しい。「中国市場がなければ、別の判断がくだされたでしょうね」と、同社CEOのヴァンサン・コベ氏は話していた。

中国市場には、Dセグメントのシトロエンを好んでくれる人が多いらしい。発売から4か月で、1万2000台を販売したという。中国西部の成都市が、C5 Xが製造されている場所なことも影響しているかもしれない。

従来にはないボディスタイルでも、広く受け入れられているという事実は興味深い。伝統的な3ボックス・スタイルのサルーンである必要性は、従来以上に薄れているようだ。

それは欧州でも同じ。特に1.2L 3気筒ガソリンターボのC5 X ピュアテック130は、付き合いやすいファミリーカーになってくれるのではないだろうか。

シトロエンC5 X ピュアテック130 シャイン(欧州仕様)のスペック

英国価格:2万7990ポンド(約433万円/試乗車)
全長:4805mm
全幅:1865mm
全高:1485mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:14.7km/L
CO2排出量:154g/km
車両重量:1418kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:8速オートマティック

こんな記事も読まれています

ヒョンデの最新「ハイパフォーマンスモデル」6月5日発売! 見た目も中身もスゴい「IONIQ 5N」とは?
ヒョンデの最新「ハイパフォーマンスモデル」6月5日発売! 見た目も中身もスゴい「IONIQ 5N」とは?
くるまのニュース
トヨタディーラーでスノーピークが買えるとは! ガチな品揃えはもはやスノーピークストアじゃないの!
トヨタディーラーでスノーピークが買えるとは! ガチな品揃えはもはやスノーピークストアじゃないの!
ベストカーWeb
スズキ「アドレス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「アドレス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
宮田莉朋が午後トップタイムを記録。総合首位はレッドブル育成マルティ/FIA F2バルセロナテスト2日目
宮田莉朋が午後トップタイムを記録。総合首位はレッドブル育成マルティ/FIA F2バルセロナテスト2日目
AUTOSPORT web
「全然効果ない」「やってよかった」 ボディコーティングの“口コミ評価”が真っ二つに分かれる理由
「全然効果ない」「やってよかった」 ボディコーティングの“口コミ評価”が真っ二つに分かれる理由
Merkmal
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!? 
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!? 
ベストカーWeb
スズキソリオの「とりあえずこれ買っておけば間違いない」感じがすごい
スズキソリオの「とりあえずこれ買っておけば間違いない」感じがすごい
ベストカーWeb
210センチの広いフラットスペースが自慢! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
210センチの広いフラットスペースが自慢! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
インディカー開幕戦で違反が発覚。勝者ニューガーデン含むペンスキー勢が失格、オワードが繰り上がりウイナーに
インディカー開幕戦で違反が発覚。勝者ニューガーデン含むペンスキー勢が失格、オワードが繰り上がりウイナーに
AUTOSPORT web
WR-V・トライトンが売れるなら……もう1回どうだ[バレーノ]!! 再上陸ならスポーツ全フリのスイスポ兄貴分的存在でいかが!?!?
WR-V・トライトンが売れるなら……もう1回どうだ[バレーノ]!! 再上陸ならスポーツ全フリのスイスポ兄貴分的存在でいかが!?!?
ベストカーWeb
フェラーリF1、HPとの複数年のタイトルパートナー契約締結を発表。チーム名が『スクーデリア・フェラーリHP』に
フェラーリF1、HPとの複数年のタイトルパートナー契約締結を発表。チーム名が『スクーデリア・フェラーリHP』に
AUTOSPORT web
井戸田潤、NSXに乗る!ミッドシップエンジン初体験に「楽しいすねぇ!」
井戸田潤、NSXに乗る!ミッドシップエンジン初体験に「楽しいすねぇ!」
グーネット
オフロード感ヤバ!! ゴツゴツ感たまらん!! 装着率めっちゃ低かったけど……[初代アウトランダー]のオプション超絶カッコいいやん!! 今こそ復活してよマジで
オフロード感ヤバ!! ゴツゴツ感たまらん!! 装着率めっちゃ低かったけど……[初代アウトランダー]のオプション超絶カッコいいやん!! 今こそ復活してよマジで
ベストカーWeb
フォーミュラEが4駆化で大幅進化!? 来季デビューの”Gen3 Evo”を発表。充電専用だったフロントモーターでも駆動
フォーミュラEが4駆化で大幅進化!? 来季デビューの”Gen3 Evo”を発表。充電専用だったフロントモーターでも駆動
motorsport.com 日本版
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
グーネット
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
グーネット
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
グーネット
レンジローバー初のEVモデル!プロトタイプ車両を公開 過酷なロケーションで走行テスト
レンジローバー初のEVモデル!プロトタイプ車両を公開 過酷なロケーションで走行テスト
グーネット

みんなのコメント

3件
  • 中国製?DS9も中国製だからシトロンやDSは全て中国製なのかも?新型C4も安くていいかもと思ってたけどこれも中国製なのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

364.0463.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

258.0258.0万円

中古車を検索
C5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

364.0463.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

258.0258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村