日産が明かした“新たなグローバルBセグメント車”とは?
日産自動車は2026年9月10日、日本事業の再構築と今後の商品ラインナップについて新たな方針を明らかにしました。
【画像】“おしゃれなハイトワゴン”が復活!? かつての日産「キューブ」を写真で見る(30枚以上)
日産はここへ来て、新型「ルークス」、「リーフ」、「キックス」、「エルグランド」などを相次いで投入。さらに今後は、「スカイライン」や大型SUV「パトロール」に加えて、“新たなグローバルBセグメント車”を投入することで、軽自動車から電動車、SUV、ミニバン、スポーツカー、フラッグシップまで幅広いラインナップを構築していくとしています。
この謎の“Bセグメント車”に関してもうひとつ重要な情報が、生産拠点です。日産自動車九州を、将来的に国内・輸出向けB/Cセグメント車のグローバル中核生産拠点と位置づけ、第1工場では追浜工場から移管される「ノート」「ノート オーラ」「キックス」などを生産。その上で、さらに“新たなBセグメント車”の生産を開始するとしています。
では、この新型車とはいったい何なのでしょう? 発表直後からSNSでは、「これ、新型『ノート』のことじゃないかな?」、「次期型はコンパクトの世界戦略車になるのかも」など、次期型「ノート」ではないかと予想する声が上がっています。
ほかにも、「『ヴァーサノート』復活大歓喜」、「世界戦略車なら3ナンバー規格でしょうね」など、かつて海外でも販売されていた「ノート」が、再びグローバルモデルになる可能性を想像する声が見られます。
確かに、それらは十分考えられる見方でしょう。しかし、今回の日産の発表を読み込むと、少し気になる点がありました。
それは、日産が今後投入する主要モデルを説明するパートです。「ルークス」、「リーフ」、「キックス」、「エルグランド」、そして今後の「スカイライン」、「パトロール」、「新たなグローバルBセグメント車」……と、そこには、現在の日産の国内ラインナップで中心的な役割を担う「ノート」の名がなかったのです。
一方、生産体制の説明では、「ノート」と「ノート オーラ」は「キックス」とともに明確にBセグメント車として扱われ、九州へ生産を集約するとされています。もちろん、この“「ノート」不在”という内容だけで、新たなBセグメント車が次期「ノート」だと断定することはできません。
ただ、日産はここへきて、今後の商品戦略において単発の車種ごとに開発するのではなく、“商品ファミリー戦略”を軸に商品企画や開発、生産のあり方を見直す方針を掲げています。
過去に公表された商品戦略でも、メインモデルをベースに後続モデルを展開することで、開発費や部品バリエーション、開発期間を削減する考え方が示されています。
さらに日産は、2028年度以降の日本市場でコンパクトカーのファミリーを展開し、商品ラインナップのギャップを埋めていく方針も明らかにしています。
となれば、次期型「ノート」だけを単独で開発するのではなく、それを核とする新たなBセグメントの商品ファミリーを構築する可能性が考えられます。
例えば、「ノート」=ベーシックなコンパクトハッチバック、「オーラ」=より上質なプレミアムコンパクト、そして「新たな1台」=異なるキャラクターを持つBセグメント車という展開です。
では、その「新たな1台」には、どんなクルマが考えられるのでしょうか?
次期型「ノート」の“兄弟車”として「キューブ」のようなモデルが登場!?
そこで浮かんでくるのが、かつて日産がラインナップしていた「キューブ」です。
「キューブ」は1998年に初代モデルが誕生。コンパクトなボディながら車高が高く、広い室内空間と個性的なデザインを両立したハイトワゴンとして人気を集めました。
特に2代目、3代目では、四角いボディと左右非対称のリアデザインなど、ひと目で「キューブ」と分かる個性を確立。単なる実用車ではなく、デザインやライフスタイルで選ばれる“おしゃれなコンパクトカー”という独自のポジションを築いていました。
そんな「キューブ」も、国内では2020年に販売を終了。現在、日産のBセグメントを見渡すと、「ノート」、「ノート オーラ」というハッチバックがあり、SUVには「キックス」がありますが、かつての「キューブ」のように背が高くて室内空間が広く、さらにデザインでも選ばれるコンパクトワゴンは存在していません。
今回、日産が掲げたのは、単に販売台数を増やすことではなく、商品ラインナップを拡大し、主要セグメントでのプレゼンスを高めることです。
さらに、商品ファミリー戦略によって共通部分を活用しながら、キャラクターの異なるモデルを展開できるのであれば、現在、空いているこのポジションに新型車を投入することには一定の合理性があります。
実際、SNSでも「ところでコンパクトミニバンの話はどこへ……」と、日産のコンパクトな多用途モデルに期待を寄せる声が見られました。
「キューブ」がそのままの名前で復活するのか、それとも全く別の車名になるのかは分かりません。しかし、“「キューブ」がかつて担った役割”を受け継ぐ新型車という見方なら、今回の日産の商品戦略ともつながってきます。
さらに興味深いのは、「グローバルBセグメント車」という表現です。
現行「ノート」は基本的に、日本市場を中心に展開されていますが、先代のE12型は日本だけでなく、北米や欧州、アジアなどでも販売されました。SNSでも、「先代はかつて北米や欧州、アジアで売られていた」、「ある意味“元に戻った”ともいえそう」と指摘されています。
もし次期型「ノート」が再びグローバル展開を前提とするモデルになるのであれば、そのアーキテクチャーやパワートレインを活用して複数の派生車が誕生することは、日産の商品ファミリー戦略とも好相性でしょう。
例えば、次期型「ノート」と「オーラ」を核に、室内高や積載性、デザイン性を重視した現代版の「キューブ」をラインナップに加える……そんなBセグメントファミリーが構築される可能性も想像できます。
現在の日産にはもうひとつ、強力な武器があります。それが独自のパワートレインである“e-POWER”です。
「キューブ」のような日常用途中心のコンパクトカーに、モーター駆動ならではのなめらかな走りや優れた静粛性を組み合わせれば、かつての「キューブ」とはひと味違う、現代的な“おしゃれハイトワゴン”を生み出すこともできそうです。
* * *
もちろん現時点で、日産から新型「キューブ」誕生に関する正式発表はありません。今回明らかにされたのは、コンパクトなB/Cセグメント車を九州のグローバル中核拠点へ集約し、その工場で新たなBセグメント車を生産するということです。
ただし、日産が商品ファミリー戦略を推進し、ラインナップの幅を広げようとしていることを考えると、「ノート」や「キックス」ではカバーできない新カテゴリーへ踏み込む可能性も十分考えられます。
そして、日産のラインナップ空白地帯を見たときに思い浮かぶのが、かつて独自の存在感を放った「キューブ」です。四角くて広くて、それでいておしゃれ。そして、「キューブ」という車名そのものが復活するのか、それともその思想を受け継いだ全く新しいモデルになるのか。日産が予告した“謎のグローバルBセグメント車”は、そんな期待を抱かせる1台といえそうです。(VAGUE編集部)
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みんなのコメント
シエンタやフリード対抗か。
比較的安価な売れ筋を出さないとダメよね。
鋭い目つきのクルマばっかりでしょうもない