3世代続く『ビッグ』、『イージー』、『ファン』のコンセプト
日産セレナが昨年末にマイナーチェンジし、今年2月中旬より販売を開始。改めて変更ポイントやこだわりについて、開発責任者の松井達彦さんに話を伺った。
【画像】今年で35周年を迎えるロングセラーミニバン!6代目となる現行『日産セレナ』 全48枚
1991年に誕生したセレナは、今年で35周年を迎えるロングセラーミニバンだ。6代目となる現行は、3世代ほど続くコンセプト『ビッグ』、『イージー』、『ファン』を踏襲している。
ビッグは、クラストップレベルの室内空間やそれに伴う多彩なシートアレンジ。イージーは様々な先進的な機能、例えばプロパイロットパーキングや高く評価されているデュアルバックドアなど。そしてファンは、e-POWERとe-4ORCEが代表例となる。プロパイロット2.0がグレードによって採用されるのも見逃せない。
「それらによってクルマ酔いしにくいクルマなっています」と話すのは松井さん。今回の改良ではそういったコンセプトを踏まえつつ、ユーザーからの不満を解消すべくドライバーインターフェースを一新した。
まず、『見えルークス』でおなじみの3DAVM(3Dアラウンド・ビュー・モニター)を採用。後席モニターを10.6から15.6インチに拡大したほか、USBの電源ソケットをタイプCに統合。後席の置き忘れ防止機能を追加している。また、グーグルを搭載したことで利便性が向上、エアコンの操作も音声で可能になった。
もうひとつ、アクセルペダルを離したときの減速力を変えられるeペダルステップの変更も注目だ。これまではイグニッションをオフにすると解除されていたが「お客様から煩わしいという声があり」(松井さん)、1回押したらイグニッションオフにしても継続するようにした。なお、センタースクリーン上で都度解除できる設定にも切り替えられる。
「この良さを実感してもらいたい」
インテリアでは、効果が実感できないということでe-4ORCEのメーターコンテンツをアップデートされている。「実際の駆動トルク配分などを見える化することで視覚的に動いている状況を見てもらい、より一層この良さを実感してもらいたい」と松井さん。
また、冷感地ユーザーからの要望でVDCのオンオフを物理スイッチ化。これまではセンタースクリーン上でオンオフを行っていたが、「ぬかるみや雪道からの脱出ですぐに切り替えられるようにしたい」というユーザーの声を反映させた結果だ。
その点では、ドアミラーを畳んだ状態でもボディサイドを確認できる両サイドミラークローズドビューをセレナ独自で採用したことも同様。松井さんは「セレナ・クラスだとちょっと大きくて運転がしにくい、という方を少しでもサポートできる機能を入れたかったんです」と語る。
今回も踏襲したセレナの強みとして松井さんは、デュアルハッチドアとともにシートアレンジを挙げている。
「他社にはない2列目のセンターシートが前後スライドしますので、使いやすく、またシートアレンジも色々できますので、3人家族、4人家族、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒の家族など、それぞれに合わせてアレンジがすることができます」
欲しい装備は使いやすさにつながる
松井さんは開発責任者に就任した当時を、こう振り返っている。
「正直驚きましたが、私も家族がいますので3列車は実体験としてこうしたいああしたいという思いはあり、家族の意見もいろいろと聞きました。(そういったことを踏まえ)使いやすさをより高めたかったんです。セレナは生活にフィットしたクルマでなければいけませんから、お客様が不満に思っていることを必ず徹底的に潰し、解消していこうと考えました」
例えば3DAVMがそれにあたる。「ルークスもこれを採用しているグレードが一番売れていますので、お客様が欲しい装備は使いやすさにつながるものだと思うんです」と松井さん。
実はご家族で最近免許取得した方がいるそうで、「横に乗ると、あそこが見えない、ここが見えないというんです。そういう時にこういう装備があると安心すると改めて感じ、参考にしながら開発しました」。
最後に、松井さんにセレナとはどういうクルマかを聞いてみた。個人的なイメージと前置きしたうえで、こうコメントしている。
「5ナンバーをだいたいキープしていますが、これはお客様が使いやすいサイズなんですね。その上で3列ともしっかり乗れて、お客様が快適に過ごせる空間をいかにキープするか、それがセレナだと思います。今後も、スマートで上品な外観や性能を目指していくクルマだと考えています」
こうして聞いていくと、ユーザーの声をしっかりと聞き、それを可能な限り反映させたのがセレナだということがわかる。改良前のモデルから乗り換えると、「こんなところも改良されているのか」と嬉しくなるに違いない。それだけ細かいところまで目を向けて開発されているのだ。
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