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「路線バス運転手の感性にAIが寄り添う」自動運転レベル3の課題、運転手の評価---開発者が語る

いま実証実験を重ねる自動運転バスは、どんな課題を抱え、どこを走っているか……。全国各地の路線バス事業者とともに公道でのテスト走行を重ねている埼玉工業大学 自動運転バスにそのひとつの答えがあった。

埼玉工業大学の自動運転バスは、日野自動車『リエッセII』をベースに、自動運転AIと制御コンピュータ、制御装置を後付けしたマイクロバス。

オープンソースで普及がすすむ自動運転 Autoware を採用し、AIで障害物を検知(識別・分類)する機能を常に更新。LiDARやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)とあわせ、周囲環境をAIで認識して障害物を回避して走る。

◆自動運転システム後付けマイクロバスの課題とリアルな現状

2019年8月に登場した埼玉工業大学 自動運転バスは、12月には神姫バスなどとともに兵庫県佐用町 大型放射光施設 SPring-8 周辺を、2020年1月には愛知県の離島、日間賀島で名鉄バスなどとともに公道テスト走行を重ねてきた。

各地の路線バス事業者がこうしたテスト走行に参加し、注目している理由のひとつが、既存のマイクロバスに自動運転システムを後付けできる点。

この埼玉工業大学 自動運転バスは、1月27日まで日間賀島を走り、すぐに帰郷。1月29・30日には、地元 埼玉県の展示商談会「彩の国ビジネスアリーナ2020」登場し、会場のさいたまスーパーアリーナのまわりを自動で走ってみせた。

この彩の国ビジネスアリーナ2020会場で、埼玉工業大学工学部情報システム学科 渡部大志教授(埼玉工業大学自動運転技術開発センター長)が、後付けタイプのレベル3自動運転バスが直面する課題とリアルな現状を語ってくれた。

まずは、直面する課題について。この自動運転バスは、ルーフ部にLiDARを積むことから、「路面の状況でLiDARが距離を測定するリモートセンシングに誤差が生じる」と渡部教授はいう。

◆GPSが届かない、マッピングに2日半かかる…

「たとえば段差や路面の凸凹があると、ルーフに設置したLiDARが揺れることで、距離測定にズレが生じてしまう。この車体の揺れをできるかぎり小さくするために、事前にマッピング(経路入力)するさいに、凹凸や段差のある部分は徐行して通過するという設定を仕込まなければならない」

さいたまスーパーアリーナの外周は、GPSが届かないという事態も。「街なかや高層ビルの直下、地下道などでは、GPSが届かないところもあるから、LiDARだけで走ることになる。ここにもさらに信頼性と深層学習を高めていく必要がある」(渡部教授)。

「日間賀島では、道のすぐ脇に背の高い松の木があってGPSが入らない区間があった。そこは、LiDARとカメラ類によるオドメトリ(自己位置推定)で周囲をチェックしながら走る。それでもスピードは30kmを超えてスムーズに走っていくのを確認した」

また日間賀島テスト走行では経路マッピングに2日半を要している。このマッピング時間についても、「年内には1時間でクリアできるようにしたい。さらには事前の経路マッピングなしで自動で走れるようにしたい」とも。

いっぽうで、日間賀島テスト走行で「路線バス事業者や運転手から高い評価を得た」という制御もある。運転手がブレーキを踏み、手動運転(マニュアルモード)に切り替えたあとの、自動運転へ再び戻るときの動きだ。

◆運転手から「とっても自然な操作感」という声

「12月の神姫バス乗務員によるテスト走行(兵庫県佐用町 大型放射光施設 SPring-8 周辺)では、ダッシュボード上にある切り替えボタンを押して、自動運転を再開させるという操作だった」

「先日の日間賀島での名鉄バス乗務員によるテスト走行では、自動運転で停留所に停止したあと、発信するさいはアクセルを軽く踏むと自動で走り出すという制御に変えた。これが名鉄バス運転手をはじめ、視察に訪れた全国各地の路線バス事業者に、『とっても自然な操作感』と評価された」

さらに走行中の手動→自動のモード変更も、不自然な挙動なくスムーズにチェンジすることを、実際に乗ってみて体感。たとえば40kmで走ってて、運転手が前方の異変を感じてブレーキを踏んで20km/hまで速度を落としたとする。この自動運転バスは、そのブレーキングが終了したのを確認し、自動で走れると感知すると、再び40km/hまで勢いよく加速していく。ブレーキングから40km/h到達までは10秒前後だった。

渡部教授は最後に、「あくまでレベル3での自動運転バスへの想いとして」と前置きして、「運転手の感性に自動運転AIが寄り添うことが大事」と伝え、こう語った。

「路線バスの運転手は、既存のバス車両の動きをはじめ、道路環境、見通しの悪いポイントなどを身体で覚えている。その感性にあわせた自動運転AIをつくりあげていくことが大事。すべての運転手が同じ動きをとるわけでもなく、それぞれに個性がある。その運転手の自然な動きにAIが寄り添ってレベル3で自動で走るように、これからも進化させていきたい」(渡部教授)

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