転倒しすぎてパーツが足りない!?
皆様こんにちは。レーシングライダーの大久保光です。今回は世界耐久選手権第1戦ル・マンラウンド決勝の後半部分について書いていきたいと思います。
【画像】遂に開幕!EWC開幕戦 ル・マン24時間レースでブガッティサーキットを走る大久保光選手を画像で見る
まずは渡辺選手の転倒後、修復して再度コースインするまでに10分の時間を費やすこととなりました。
その後、奥田選手は難しいコンディションの中でも淡々と周回を重ねて再び私にバトンタッチ。その時には雨も止み、コンディションはドライ方向になっていきます。
しかし私にライダーチェンジした直後にフロントブレーキのトラブルが発生し、緊急ピットインをすることとなりました。
修復を試みるも直らず、再びピットイン。最終的にはフロントブレーキ周り一式を交換することとなり、大きくタイムロスすることとなってしまいます。
路面はまだ濡れていたこともあってレインタイヤで周回を重ねていきましたが、スティントの残り少しのところからライン上がドライコンディションになってしまったため、耐える走りに徹する流れに。その後は自分のスティントが終わり、路面状況を伝えてスリックタイヤで次のライダーが走り出しました。
しかしそこから5分もしないうちに再び雨が降り始め、私のチームのみならずほとんどのチームがスリックタイヤを履いて走行していたため、タイヤ交換をするバイクでピットロードは大混乱。その後は再び雨が降ったり止んだりする、難しいコンディションが続く展開となります。
次の私の走行がスタートする頃には、日は完全に落ちて時間も日付を跨ぐところ。夜になって止んだ雨の影響で次第にライン上の路面のみドライコンディションという難しい状態で、さらに夜間で暗い為、どこにウェットパッチ(コースに点在する水たまり)があるかわからない状態での走行となります。
順位的にもここでプッシュしなければ優勝がないという状況だったので、周りより速いペースでコンスタントに周回を重ねていきましたが、ラインを少し外したところにウェットパッチがあり呆気なく転倒。再スタートはしたものの、マシンにダメージがあり緊急ピットインを余儀なくされました。 修復に少し時間が必要だったものの短時間の作業で修復が終わり、ガソリンを入れて再び私が走り出すこととなったため、さっきとは違い、しっかりとマージンをとってペースを落として走行をする事に。チームからもまずは完走を目指すという指示を再度受けての走りでした。
その後は少し短い周回で次のライダーにバトンタッチ。この時点で私が2回、伊藤選手が2回、そして渡辺選手が1回と、チームで合計5回の転倒をしている状況。 朝方になりチーム監督からライダーに伝えられた内容は、これ以上転倒してマシンを壊したら次戦に使うパーツがなくなるため、リタイアせざる終えなくなるというものでした。
チームスタッフがパーツを確認したところ、もう転倒パーツの在庫はそこをつき、修復不可能になる状況だったそうです。
ライダー全員がこのことをしっかりと受け止め、セーフティーな走りに徹することを決意。その後チームメイトの1回の転倒がありましたが、オーバーランからのグラベルでの立ちごけだったため、マシンダメージは0でことなきを得て、私たちはレースを続けることができました。
しかし、最終スティントが近付くにつれてエンジンの調子が悪くなってきているのを感じたとチームメイトから伝えられ、最後のスティントはタイムが落ちても低回転で周回することを第一優先に走行。
これだけの転倒があればエンジンにダメージがあるのは当たり前で、とにかく完走を目指す走りに徹していきました。 それは周りも同様で、時間が経つにつれてマシンが壊れるチームや、転倒によりリタイアするチームが増えていきます。
私たちのチームも下位の方まで沈んでいた順位が、気がつけばクラス4位まで追い上げることができ一安心。表彰台を目指すには3位との周回数の差が大きく、現実的ではないため4位をキープする作戦を取り、そのままチェッカー。チームエトワールとしては24時間レース初完走となり、順位もクラス4位で終えることができました。
結果的に今年のルマン24時間耐久レースは近年稀に見る荒れた転倒が多いレースとなり、全チーム合計で202回の転倒があったとの事。私のチームも合計で、6回の転倒をしてしまいました。
しかしその都度チームのメカニックがマシンを修復してくれたおかげで、このような結果で終える事ができ、本当に諦めない大事さを改めて実感することができたレースとなりました。
次戦はスパ8時間耐久レース。今度こそはクラス優勝を獲得できるように、チーム一丸となって頑張っていきます!
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