■1990年代に登場した激速セダンを振り返る
日本で本格的にマイカーの普及が始まったのは1960年代の終わりで、大衆車といえば2ドア/4ドアのセダンが定番でした。
その後もセダンはファミリーカーやパーソナルカー、ビジネスユースなどで人気となり、隆盛を極めることになります。
しかし、1990年代になると各メーカーから次々とミニバンが登場し、次第にファミリーカーとしての座はミニバンへと移行していき、2000年代にはセダンのシェアは急激に減少しました。
一方、勢力図に変化があった1990年代は、まだまだ魅力的なセダンが登場しており、なかにはひと際高性能なモデルも存在。
そこで、1990年代にデビューしたターボエンジンを搭載する高性能セダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「アリスト」
1980年代の後半から1990年代のいわゆるバブル景気の頃、日本の自動車市場を席巻していたのは、トヨタ「カローラ」「マークII3兄弟」「クラウン」で、どれもセダンが主力のモデルでした。
さらにトヨタは、1989年に高級車の初代「セルシオ」を発売するとヒットを記録。あらゆるセグメントのトヨタ製セダンが市場をけん引したといえます。
そこでトヨタは次の一手として1991年に、それまでと異なるコンセプトの高級かつ高性能なセダンの初代「アリスト」を発売。
アリストの特徴のひとつは外観で、デザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが主宰するイタルデザインが担当し、空力性能を追求したロー&ワイドなフォルムはスポーティであると同時に迫力を醸しています。
もうひとつの特徴であるエンジンは全グレードとも3リッター直列6気筒で、トップグレードの「3.0V」には最高出力280馬力を誇るツインターボの「2JZ-GTE型」を搭載。
このスポーツユニットを「A80型 スープラ」に先駆けて搭載したことから、アリストはセルシオとは異なるユーザー層からの人気を獲得しました。
また、このパワーに見合うようにサスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンを採用し、ダンパーの減衰力を電子制御する「ピエゾTEMS」、トルセンLSDなどをグレードに応じて設定することで、優れた操縦性や直進安定性、快適な乗り心地を実現。
1992年にはセルシオに搭載されていた4リッターV型8気筒エンジンとフルタイム4WDが組み合わされた「4.0Z i-Four」も加わりましたが、やはりアリストの真骨頂はターボエンジン車にあり、暴力的ともいえる加速力は多くのユーザーを魅了しました。
●日産「ローレル 25クラブSターボ」
かつて、日産のラインナップの中核を担っていたのはセダンであり、「セドリック/グロリア」「スカイライン」「ブルーバード」「サニー」と、数多くのセダンによってあらゆるニーズに対応していました。
さらに、スカイラインと同系統ながら、コンセプトが異なるハイオーナーカーというポジションだったのが「ローレル」です。
初代は1968年に誕生。2代目からはスカイラインと主要なコンポーネンツを共有しながらも、独自の進化を続けました。
そして、1997年に発売された8代目ローレルには、ラグジュアリーな「メダリスト」系とスポーティな「クラブS」系の2ラインを設定。とくに高性能グレードとして「25クラブSターボ」シリーズをラインナップしました。
搭載されたエンジンは最高出力235馬力の2.5リッター直列6気筒DOHCターボの「RB25DET型」で、デビューから1年ほどで早くも改良され最高出力は280馬力まで大幅にパワーアップ。
これほどの高性能エンジンを搭載しながらも外観はシックな印象で、トランスミッションも4速ATのみとされるなど、やはりスカイラインとキャラクターは大いに異なっていたといえます。
ローレルは高性能な直列6気筒エンジンを搭載するFRセダンという貴重な存在でしたが、2002年に生産を終了し、8代目をもって長い歴史に幕を閉じました。
●三菱「ギャラン VR-4」
三菱の高性能セダンというと「ランサーエボリューション」シリーズが挙げられますが、その源流となったモデルが1987年に発売された6代目「ギャラン」に設定された高性能グレードの「VR-4」です。
ギャラン VR-4はその名のとおりフルタイム4WDで2リッターのターボエンジンを搭載し、ラリーを始めモータースポーツに参戦する目的で開発されました。
その後、ランサーエボリューションがそのポジションを引き継ぐと、ギャラン VR-4はトップグレードとして7代目、8代目へと継承されます。
そして1996年にデビューした8代目ギャランでは、量産車世界初の直噴ガソリンエンジンが大きなトピックスでしたが、トップグレードのVR-4には2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は280馬力を誇り、トランスミッションは5速MTと4速ATが設定されました。
外観はスポーティなフォルムを実現し、逆スラントノーズのフロントフェイスは精悍な印象です。
また、ギャランVR-4は動力性能だけでなく同時に乗り心地や静粛性が向上して、内装もよりラグジュアリーに仕立てられるなど、セダンとしてのポテンシャルも高められました。
しかし販売は良好とはいえず、2002年にVR-4の生産を終了し、2005年にはギャランは8代目をもって一旦消滅。
その後、2007年に「ギャランフォルティス」として車名が復活しましたが、2015年に生産を終了し、ギャランの歴史は幕を閉じました。
※ ※ ※
国内メーカーのセダンラインナップは全盛期と比べるとかなり減ってしまいましたが、輸入車ではまだまだ数多くラインナップされています。
しかし、欧米でもSUVの人気によってセダンのシェアが減少しているのが現状です。
セダンは使い勝手という点ではミニバンやSUVに劣ってしまうかもしれませんが、ドライビングプレジャーの高さでは両車よりも優れており、運転して楽しいセダンの復権に期待したいところですが、かなり厳しい状況かもしれません。
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