2019年秋から日本でも納車が開始されたテスラ・モデル3。2019年度の欧米での販売数は25万台に上り、世界のEV(電気自動車)市場を牽引する存在だ。
ハンドル操作や速度の制御を自動的に行う運転支援機能「オートパイロット」や、スポーツカーにも匹敵する加速パフォーマンス、長い航続距離など、「クルマ」としての機能はもちろん、常にソフトがアップデートされる「走るスマホ」としての側面も、EVファンを魅了する。
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Photo by Yumiko Misaki
「キャンプモード」がテスラ・モデル3に追加
年末も押し迫ったクリスマス前に、待望の「キャンプモード」が最新のアップデートで追加された。15インチのタッチスクリーンの下部にあるファンアイコンをタップし、「キャンプ」モードに設定するだけで、駐車中の車内の空調や照明をキープし、音楽の再生もスマホの充電もできる。つまり、重々しいキャンピングカーをレンタルしなくても、真冬でも気軽に山キャンプに出かけることが可能となったのだ。早速「テスラキャンプ」年越しを計画する。
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大晦日の南仏の天候は快晴。地中海のリゾート地コート・ダジュールの沿岸部から車でおよそ1時間、雪を戴く南アルプスのパノラマを求めて、標高1500mのスキー場近くの山へ。
午後5時には日が暮れるため、午後3時半には視界の開けたビューポイントに到着する。
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この時点で残りのバッテリー容量は60%。「キャンプモード」では、残量20%に達すると自動的に電力消費を停止するため、チャージ不足で立ち往生する心配はないが、山で夜中に暖房の切れた車内で震える羽目にはおちいりたくない。念のためにEVチャージャーを備えた駐車場から3km程度の場所を選ぶ。
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ビューポイントはキャンプ施設ではないただの空き地なので、水や携帯型ガスコンロなど、最小限のアウトドア用具を持参した。
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セミダブルサイズのベッドスペースが誕生
明るいうちにベッドメイクに取り掛かる。車のリアシートを倒して簡易マットレスを敷き、枕と掛け布団を広げれば、カプセルホテルのダブルルームのような空間に早変わり。
幅1300mm x 丈1900mmのセミダブルサイズで、二人だと横幅は少し窮屈だが、身長1m80くらいの男性が脚を伸ばせる広さだ。
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西の空が夕焼けに染まり三日月が出る頃には気温は3度まで下がり、車外にいると、じっと立っていられないくらいの寒さが迫ってくる。スープを温めて暖をとり、シャンパンの栓を開けた。
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夕陽に染まる雪山を眺めながら味わうシャンパンは格別。大して高価でもないシャンパンでもいつもより美味しく感じるのは、シャンパンに最適な外気の温度のせいかもしれない。
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日没の最後の光を見届けて車内に入ると、「キャンプモード」のスクリーンセーバーに出迎えられ気分が上がる。実際にキャンプファイヤーができるシチュエーションなら、さらに盛り上がりそうだ。
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広々としたフロントガラス越しに、刻々と変化する夕暮れの名残りを堪能する。快適な温度に保たれた車内で、シートヒーターが冷え切った体を温めてくれる。
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NetflixやYouTube、Spotifyを鑑賞しながらゆっくりと過ごす
午後5時半を過ぎるとすっかり暗くなり、もはや車外に出る勇気はないので、スクリーンで映画鑑賞を楽しむことにする。
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テスラ・モデル3の上位グレード「プレミアム・インテリア」には、地図やナビ、Wi-Fi経由のソフト更新など基本的な「スタンダード・コネクティビティ」の他に、NetflixやYouTube、Spotifyなど充実したエンタメサービスが楽しめる「プレミアム・コネクティビティ」の有料オプション(納車から1年間は無料)が付いている。
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シートにもたれてデザートを食べながら映画を見るシチュエーションは、飛行機のビジネスクラスのようだ。
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残念ながら「紅白」は見られないので、昨年秋に追加された「カラオケモード」で歌う。日本の曲はほとんどないが、英語、フランス語の曲は昔流行った有名どころが揃っている。
車内温度を18度に設定して就寝
電力の残量は55%、朝までどの程度残っているか少し心配しながら、車内温度を18度に設定して床についた。
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南仏の山の日の出は8時過ぎで、日本ほど早くない。7時ごろ目が覚めてバッテリー残量を確認すると31%。帰路は山を降りるだけなので、下り坂の発電分を考慮すればチャージしなくても十分間に合う。車内で寝転んだまま窓の外が明らむのを待った。
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8時過ぎにコーヒーを沸かそうと車外に出ると、雪山がバラ色に染まりながら、みるみる影が後退していくところだ。寒さも忘れ写真を撮りまくる。
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ついに南側の山に上る初日の出を拝む。ここぞと欲張って10年分の願いごとを思いつくまま考えているうちに、辺りは朝の光に満たされた。
真冬でも気軽に、夏なら長期バカンスする楽しめそう
特別な装備は不要、普段使っている車で、真冬でも思い立ったらすぐにもキャンプに出かけられる軽さが何よりの魅力だ。夏ならシャワーやトイレ、バーベキューなどの設備があるキャンプ場を利用しながら長期のバカンスも問題ない。各地に温泉のある日本なら、いっそう快適なEVキャンプが楽しめそうだ。「空前のEVブーム」とともに、EVキャンパーも増えていくのではないだろうか。
テスラの「キャンプモード」は、EVの無限の可能性を象徴する機能として、新たな10年のスタートにふさわしい体験を提供してくれた。今後のアップデートが大いに楽しみだ。
参照リンク:「Tesla Model3」公式サイト https://www.tesla.com/ja_jp/model3
取材・文/三崎由美子
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