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揶揄か愛着か付いたあだ名は「小ベンツ」! バブルの申し子「190E」は意外な実力車だった

 扱いやすいサイズや乗り味でクルマとしての出来は非常に高かった

 今では考えられないほど、景気がよかったバブル時代は狂乱と言ってもいいほどみんな浮かれていて、金余り。そうなると当然、クルマもバンバン売れまくった。高級車はもちろんのこと、あらゆるカテゴリーのクルマが売れたのがバブルなのだが、メルセデス・ベンツの190Eは若いサラリーマンや奥様、お金持ちの令嬢に受けまくりで、街なかでもいっぱい走っていた覚えがある。

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 ライバルはBMWの3シリーズで、「六本木のカローラ」という愛称で呼ばれていて、190はというと「小ベンツ」などと呼ばれた。今思えば浮かれたというかちょっと恥ずかしい愛称だが、どちらもそれだけ当たり前の存在だったわけで、デートカーとしても活躍。東京の遊び場では乗っていればモテるというよりも、乗っているのは当たり前状態だった。というのだけでも、狂乱以外のなにものでもなかったと言っていい。

 ただクルマとしては、とてもよくできていて、ブルーノ・サッコが手がけたデザインなど、小さくてもしっかりとメルセデスだなと大いに納得させられたもので、ただ浮ついて売れたのではなく、実の部分も評価されてのヒットだった。

 サイズは5ナンバーサイズに収まるほどコンパクトで、エンジン2リッターの直列4気筒を搭載。デザインもEクラス譲りのメルセデスらしさを全身にまとったもので、安っぽさはなし。内装についても派手さはないものの、ウッドパネルをあしらっているなど、高級車然としたものだった。そしてミッションは4速ATだったが、ジグザグのいわゆるゲート式を採用していて、当時は画期的というか、メルセデスに乗っています感を強烈に感じられたものだ。走り自体は115馬力ということもあってこちらも派手さはないものの、フラットライドで扱いやすく、質実剛健そのものでドイツ車らしさにあふれていた。

 その後、追加で2.3リッターを積む190E 2.3や、コスワースチューンの2.3リッター16バルブを積む、190E 2.3-16など、けっこうな数のバリエーションが正規輸入された。また、AMGモデルやホモロゲモデルのエボリューション/エボリューションIIも少数ながら、日本に輸入されていた。

 190E登場までは、Eクラス以上のラインアップだったが、その下のクラスにも守備範囲を広げたという点でもエポックなモデルと言ってよく、1993年に登場したCクラスが後継車となる。バブルのあだ花的扱いを受けることもあるが、クルマの出来やメルセデスにとって重要なモデルだったことを考えると、名車と言っていいモデルだ。

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