6月5日、WRC世界ラリー選手権第5戦イタリアの競技最終日となったデイ4は、SS18からSS21まで計4本のSSが行われ、前日に総合首位に立ったヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が優勝。ヒョンデに2022年シーズン初勝利を届けた。
今季第5戦として6月3日(木)に開幕したラリー・イタリア・サルディニアは、地中海に浮かぶサウディニア島を舞台とする灼熱のグラベル(未舗装路)ラリーだ。今戦は序盤から波乱が続き、前戦2位の勢いで首位に立ったエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がデイ2のアクシデントでデイリタイアに。また、3連勝で今戦に乗り込んできた僚友のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)もリヤウイングを損傷するアクシデントなどで大きく遅れてしまう。
土曜のデイ3では、前日の最後に総合首位に躍り出たエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がオープニングのSS10でクラッシュ。これによりラッピと首位を争っていたタナクがラリーリーダーとなった。
土曜日の時点で後続に大きなギャップを築いていたタナクはリスクを抑えながらも好ペースを発揮する、ある種の“ゾーンに入った走り”でさらにリードを拡げていく。
■トヨタ不在の表彰台に
最終日を前に、彼と2番手クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)とのタイム差は46秒ジャスト。フィニッシュに向けてプッシュする必要がない、充分な差ではあるがタナクはスピードを緩めない。SS18で自身300回目のステージウインを飾ると続くSS19、さらにSS20でもベストタイムを刻み、最終パワーステージのスタート前段階でギャップを59.8秒にまで拡げた。
迎えた最終SS21はさすがに抑えたか、マシンを確実にゴールに運ぶ走りでステージ6番手タイムでフィニッシュ。この結果、2021年シーズン第2戦アークティック・ラリー・フィンランド以来、462日ぶりにポディウムの頂点を手に入れた。
そんなタナクから遅れること1分03秒、Mスポーツ・フォードWRTのブリーンが総合2位でフィニッシュした。表彰台の最後のひと席は、デイ3で総合3番手に順位を上げた“仕事人”ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が2戦連続で獲得。これによりヒョンデはラリー1カーでの初勝利をワン・スリー・フィニッシュで達成している。
総合4位は若手フランス人ドライバーのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)。選手権リーダーのロバンペラはラリー序盤の遅れを挽回し、総合5位でポイントを積み重ねた。
日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6位でフィニッシュするとともに、パワーステージで5番手タイムを記録しボーナスの1ポイントを獲得した。総合7位はガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)、総合8位にはWRC2クラスを制したニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が入っている。
WRCの次戦第6戦はみたびの“ふたりセブ対決”が実現する『サファリ・ラリー・ケニア』だ。グラベルラリー連戦の第3ラウンドとなるアフリカでの戦いは6月23~26日に開催される。
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みんなのコメント
和を乱す人がいないんですから、強いのも納得できます。
ヒャダインなら知っている。