イタ車でもハイブリッドは本格派──新型フィアット600ハイブリッド試乗記

日本に上陸したフィアットの新型「600ハイブリッド」は、これまでのイタリア車のイメージを覆すコンパクトSUVだった。『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキがリポートする。

新型フィアット600ハイブリッドの特徴

1.概要2. 48V マイルドハイブリッドシステム1.概要

フィアットの新型600ハイブリッドに、6月上旬試乗した。

フィアットは日本だと「500」、かつては「パンダ」や「プント」、「ウーノ」といったコンパクトハッチバックの印象が強い。

しかし近年の日本市場におけるフィアットは、車種のバリエーションを増やしている。

試乗した新型フィアット600ハイブリッドをはじめ、先代にあたる「500X」といったコンパクトハッチバック、マツダ「ロードスター」ベースの2シーターオープン「124スパイダー（日本仕様はアバルト版）」、MPV（マルチパーパスヴィークル）の「ドブロ」、そして商用車の「デュカト」など、多種多様なボディ形状を日本市場に投入する。

2. 48V マイルドハイブリッドシステム

新型フィアット600ハイブリッドは、すでに発売済みのピュアEV「600e」のハイブリットモデルだ。

ハイブリッドモデルといっても、トヨタ「プリウス」といったフルハイブリッドとは違い、48Vマイルドハイブリッドだ。

新型フィアット600ハイブリッドが搭載する48Vマイルドハイブリッドは新世代のシステムで、かつフィアット初のマイルドハイブリッドシステムという。

新開発の1.2リッターガソリンターボエンジンと、電動モーターを内蔵した6速デュアルトランスミッションを組み合わせているのが特徴だ。

新型フィアット600ハイブリッドは、低速時の100％電動走行も実現。走行状況によって、最大約30km/hまで電気による走行が可能だ。マイルドハイブリットと聞くと、モーターのアシストがほんのわずかで、ほとんどがエンジン走行……という印象を有しているユーザーも多いかと思うが、新型フィアット600ハイブリッドは違う。

また、信号待ちの多い市街地走行では、1時間あたり約50%はエンジンを使用しない状態となるそうだ。結果、市街地での実用燃費を飛躍的に向上させるという。

高速での定速走行時は、エンジンを使用。中速域で安定した走行中は、状況に応じてエンジンとモーターを切り替えて走行する。

新型フィアット600ハイブリッドのWLTCモード燃費は23.2 km/Lを実現。BセグメントSUVインポートセグメントでトップクラスの性能を誇るという。

これまでフィアットに対する日本人の印象といえば、“コンパクト”、“キュート”、そして“キビキビとした走り”などだった。しかし、今回導入された新型フィアット600ハイブリッドによって、高い環境性能も印象に加わるはずだ。

日本車が優勢だった環境性能も、今や国は関係なし。イタリア車も十分、ライバルになり得るのだ。しかも日本車にはない個性がキラリと光る。

時代は大きく変わった。

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