日本のモータースポーツファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
この度始まりました【写真で振り返るGT進化の旅】企画。7月予定の開幕を前にちょっぴり昔を振り返り知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられはず。
改造範囲拡大の転換点でホンダNSXが断行した異例の”エンジン逆転”搭載【スーパーGT驚愕メカ大全】
そこで今企画はJGTC時代 2003年(全日本GT選手権 03規定)から2013年頃(スーパーGT 09規定)までのメカものをみなさまと振り返る企画になります。当時は自主規制でNGとした写真ももはや時効、バンバン出しちゃいます! それでは世界に誇るニッポンGT進化の旅2003年ホンダNSX編いってみましょう!
ニッポンが世界に誇るミッドシップスポーツカー、ホンダNSX(TAKATA童夢NSX)であります。まずこのデザイン、カッコイイです。そして初代NSX、やはりカッコイイ。男子の心をわしづかみです。外観においては特記することはなく、すでに洗練された感があります。この時代ですでにエンジンの吸気ポッド(通称:ちょんまげ)が存在しています。
フロントを見てみましょう。クラッシャブルストラクチャーはラジエターを挟んで左右に配置、フロントサスペンションはカバーの下にあります。このカバー、内部の整流という目的もあると思いますが、サスペンションセッティングの秘匿という意味もあります。
フロント内部はこのようにダンパーが横置きとなっています。この時代、サードダンパーはまだ登場していません。
フロントバンパーが外された図になります。フロントアンダー下の4枚のスプリッターが目をひきます。ラジエターの導入口が上下に分かれていますが流速を向上する目的なのか、それとも別の理由があったのか、今ではもう知る術はありません。
エンジンルームを見てみましょう。画面左下、キャビンのフレームは切り落とされ、パイプフレームによって構成されていることが分かります。この写真だと縦置きに変わったエンジン、そしてミッションが前後逆転して搭載されていることは分かりません。
ではエンジン、ミッションが外された図を前から見てみましょう。エンジン手前にうっすらとではありますがミッションのギヤが見えます。エンジン後端からドライブシャフトまでの距離が近いところに逆転装着を垣間見れます。
あまり意味はありませんが、同じ時間軸を左後方から見ます。キャビン下部が大胆にえぐられているのが分かります。リヤアッパーアームの取付位置も1カ所しかなく、スペーサーによって調整されています。
最後にコクピットを見ます。だいぶタイトな印象です。キャビンとロールケージは溶接、CFRP面添補強、そして特殊なリベット接合によって結合されています。この手法、ホンダ勢特有のもので09規定が採用されるまでNSXはこの結合方法を使い続けます。
みなさま、【写真で振り返るGT進化の旅】第3回2003年ホンダNSX編、いかがでしたでしょうか。
重量配分最適化を目的に逆転の発想で車を設計する、ホンダ(当時は栃木研究所&童夢)らしい感じがします。この年はミッショントラブルも多かったですが、18号車が第5戦富士で奇跡の逆転優勝、鈴鹿1000kmでも勝利、また第6戦、もてぎでは16号車が勝利、翌年に捲土重来を期すこととなります。
GT500に参戦する3メーカーが『本気』となった2003シーズン、ここからJGTC/スーパーGTの開発競争は激化の一途を辿ります。次回はニッサン・フェアレディZ Type E、NSXツインターボが登場する全日本GT選手権2004シーズンについて、みなさまにお届けしたいと思います。次回もどうぞよろしくお願い致します。
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