サイトトップへ

サイト
トップへ


現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > あり?なし?左右非対称なデザインの車

ここから本文です

あり?なし?左右非対称なデザインの車

シンメトリーなものに対して美しさを見出す感覚は、古くから人間のなかにありました。とくにシンメトリーに内包される安定感や安心感は、車のデザインにおいて、かなり重要な要素となっているはずです。ところが、世のなかにはあえて左右非対称デザインとした車があります。今回は、そんな車を集めてみました。文・山崎友貴

左右非対称にはワケがある?

シンメトリー、つまり左右対称であることは古代から「美」のひとつとされてきました。それは車でも同じです。作業車などを除いて、ほとんどの車はシンメトリーです。左右のバランスが同じであることは、当然ながら走行中のバランスがいいということです。
スバルはシンメトリーなメカニズムの配置にこだわって造っており、そのバランスの良さを謳っています。モータースポーツの最高峰であるF-1のマシンは、ドライバーが乗るポジションも含めてシンメトリーです。
ところが、世の中にはアンシンメトリー、つまり左右非対称な車が存在します。たとえば、リアゲートが左右非対称になっているというモデルは、意外と多くあります。ランドクルーザー70などオフロード4WDに多いのが、「観音開き」と言われる左右非対称のリアゲートです。6:4、もしくは7:3の比率で、左右のどちらかが小さく開きます。
車両後部に十分なスペースがない場合でも、荷室の物を積み降ろしできるようにという配慮から、このように設計されました。さらに、オフロードで車体が傾いている場合、ボディに歪みが生じて大きな1枚のリヤゲートだと開かないといったときに、ボディの歪みによる影響が少ない小さな開口部なら開けることができるという理由もあります。

ボディサイドの右と左で、ドア(開口部)デザインが違うということは、ワンボックス車では珍しくありません。トヨタ ハイエースや日産 NV350は、スライドドアは左側のみというスタイルが一般的です(左右スライドドアも設定されています)。
ワンボックスは荷物などの積み下ろしで、できるだけ大きな開口部があったほうが便利。ですが、開口部が大きくなり過ぎてしまうと、今度はボディの強度が確保できなくなります。そこで、片側は大きなスライドドアにして、反対側は運転席のドアのみで開口部を設けないというデザインが多いのです。
ただし、昨今は両側が開いたほうが便利という理由から、両側スライドドアにするモデルも多くなってきました。こうしたモデルは、フロアやルーフ内に補強材を入れて強度を確保しています。

※写真は3代目タント
左右非対称デザインで、最初に登場して驚いたのが2007年に登場した2代目「ダイハツ タント」です。車体左側後部にピラーレスのスライドドアを採用。左サイドのドアをすべて開けると、なんとAピラーとCピラー以外は、なにも残らなかったのです。まさにミラクルオープンドアでした。
軽自動車のように小さなボディでは、それでなくともボディ強度を出すのが大変です。それなのに、あれほどの大開口部を出すというのは、エンジニアにとって大冒険だったに違いありません。これにより、後部座席へのアプローチが容易になったことは言うまでもありません。

後部座席へのアプローチを考慮して…という点で言えば、三菱 ミニカトッポや、トヨタ ポルテ&スペイドも同様です。
トッポは、初代では右側よりも左側のドアが大きな2ドア、2代目は助手席側に2枚のドアを備えた1+2ドア。ポルテは、初代が右側にドア、左側はスライドドアの2ドア。姉妹車としてスペイドが追加された2代目では、右側に2枚のドア、左側はスライドドアの2+1ドアとなっています。

懐かしいところでは、初代ワゴンRもサイドのデザインが左右で違っていました。運転席側後ろのドアがない1+2ドアだったのです。トールワゴンブームの先駆けとなった初代ワゴンRですが、デビュー当初は「ドアの枚数を減らしてコストを下げている」などと言われることも。ですが、実際の理由は別にあったのです。
ファミリーカーとして想定されたワゴンRは、子供が不用意に車外(おもに道路側)に降りないようにという配慮から、右側の後部ドアをなくしていました。ところが、結局使いづらいということから、2代目ではシンメトリーなデザインに変更されました。

まだまだある左右非対称な車

ボディの左右でドアの形状や枚数が変わっても、1台の車の左右サイドを同時に見ることはできず、視覚情報から左右非対称を認識することは困難ですから、見た目の安定感が損なわれることもありません。
しかし、あえて左右非対称デザインとして、私たちを驚かせたのが「日産 キューブ」です。スクエアでキュートなこの車は、後ろから見ると、左右のスタイルがまるで異なっていました。右側には太いCピラーがあるのに、左側はサイドのウインドウがリアまで回り込み、ピラーレスに見えるデザインだったのです。
これは運転席から左後部を見た時の視認性を考慮したためですが、結果的にキューブという車のアイデンティティにもなりました。当初は「なんか気持ちが悪い…」と言っていたユーザーも少なくありませんでしたが、いまやキューブと言えば左右非対称デザインの代表格となっています。
自動車界ではレアな存在と言える左右非対称な車ですが、あえて左右非対称なデザインを逆手に取って個性にしているモデルは海外にもあります。

左右非対称な車のデザインで有名なのが、かつてBMWで手腕をふるったデザイナー、クリス・バングル氏です。彼が手がけた「Z9」は、右側は普通のドア、左側はガルウイングという非常に大胆なものでした。

また、2001年のデトロイトモーターショーで発表した「Xクーペ」は、リアゲート全体がアンシンメトリーとなっています。
その有機的でアンバランスな美しさは、ショーカーならではですが、もしバングル氏がそのままBMWにいたら、このような斬新なデザインが市販車で実現していたかもしれません。

市販車に目を向けると、たとえば懐かしい車種では、サターンのSC2という3ドアクーペがそうでした。運転席側ドア1枚でしたが、助手席側は後部座席の乗降性を考慮して観音開きドアが採用されていました。ですが、一見すると左右対称に見えます。
またヒュンダイのホットハッチ「ヴェロスター」は、1+2というユニークなドア配置を持つことで知られています。2018年に発表された新型でも、1+2ドアが継承されています。ボディ剛性と実用性を両立させた結果なのかもしれません。
今回は、いくつかの左右非対称な車を紹介しました。昨今、左右非対称デザインは自動車用ホイールにも採用されています。オートバイでは当たり前のように使われています。また腕時計やカメラなどの工業製品なども左右非対称デザインが使われています。
今後は、左右非対称デザインがベーシックになるのかもしれませんね。

おすすめのニュース

サイトトップへ

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します