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【ヒットの法則141】2代目ポロGTIは小さなゴルフGTIではない、独自の世界を作り上げていた

4代目ポロをベースとしたポロGTIは、2005年10月、欧州に先駆けて日本でワールドデビュー。発売も日本市場が世界でもっとも早かった。そんなポロGTIは、ゴルフGTIが作り上げてきた「GTI」のスポーツイメージをそのまま受け継いで登場しているが、その個性はゴルフGTIとはまた性格の異なるものだった。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年2月号より)

決してお手軽なスポーツモデルではない
その早さは驚異的だった。あ、いや、それはクルマそのものの話ではなくて、ショーデビューから発売までの時間の流れのこと。何しろ、新型ポロGTIは2005年10月19日の東京モーターショープレスデイ初日に世界初公開されたばかり。それが年内に発売されてしまうというのだから、まさに異例の早さというほかない。

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ちなみに、ドイツをはじめとする欧州圏でももちろんこのクルマは販売されるが、それは来春から。ポロGTIに関しては発表も発売も日本が最優先されたのだ。これは、来春早々に新型ジェッタとパサートの日本導入が予定されている関係からかもしれない。10月のゴルフプラスから始まったフォルクスワーゲンの新車攻勢は今後もしばらく続くようだ。

ところで、ポロが高性能モデルをラインアップに加えるのは今回が初めてではない。そのルーツは1986年、2代目ポロに追加されたスーパーチャージャー付きのG40まで遡る。しかし、この頃のポロは標準モデルのごく少数が日本に導入されただけ。兄貴分のゴルフがコンパクトの範をしっかりと守っていたことで、ポロが入り込む余地はなかったのだ。

変化が見られたのは先代から。ゴルフIVの大型高級化路線を受けて、ポロは日本導入モデルの正式メンバーとなる。そして、1998年にポロとして初めてのGTIを限定生産。3000台は即座に完売して日本へは入らなかったものの、その好評を背景に翌年にはカタログモデルに昇格し、このポロGTIは2000年から日本でも売られた。

ただし、その後2002年のモデルチェンジでGTIはポロのラインアップから消えていた。したがって日本で先行デビューを飾った今回の新型は、ポロにとって久々の高性能モデルである。

まずはエクステリアから。フロントマスクは2005年8月にフェイスリフトを行った標準車とほぼ共通。ワッペングリルと呼ばれる新しい顔は、ハニカム状グリルとVゾーンを艶ありの黒とし、さらにヘッドライトまわりも黒仕上げで、兄弟分のゴルフGTIと共通の精悍なイメージに仕立てている。

リアは2本出しのエキゾーストと大型のルーフスポイラーが識別点。全高もスポーツサスと16インチタイヤ(ホイールデザインもゴルフGTIと共通化が図られた)の採用で15mmのローダウンを実現している。ちなみに、ボディは2/4ドアの2種類を用意。人気はおそらく4ドアの方が圧倒的だろうが、わざわざ2ドアも設定したのは生産中止となったルポGTIの空席を補う意味もあるようだ。

ただ、ポロにはポロなりのスポーツの表現があって良いはずで、ゴルフと似過ぎたフィニッシュはGTI内部にも妙なヒエラルキーを作ってしまい、かえってユーザーを戸惑わせるのではという危惧もあった。

最高速が216km/h、0-100km/hは8.2秒はシリーズ最強
ところが、走らせてみるとそれは要らない心配だったと確信した。それほどまでにゴルフとポロは、同じGTIでも味わいがまったく異なっていたのだ。

歴代のポロGTIで最強の150psを発揮したエンジンは、先代ゴルフGTIやニュービートルターボにも搭載実績のある1.8Lターボに。ただしミッションは5速MTのみでATはなし。ゴルフGTIがDSGをメインに持ってきていることを考えると、これは男っぽいというか、潔い設定だ。

実際、乗り味もかなりの硬派だ。エンジン自体はターボ特有のトルク変動を極力抑えた性格で、低回転域から滑らかに力が沸き上がるが、それでも300rpm付近から急速にトルクの厚みを増す。これに対して車重はゴルフより25kgも軽い1200kgそこそこだから加速はかなり強力。特に2速、3速の3000~5000rpmあたりは豪快と表現したいほどの力感だ。

もちろんゴルフGTIも加速の気持ち良さでは負けていないが、どちらかというとエレガントに速い。対するポロGTIは力があり余っている感じ。クラッチミートをラフに行なったり、ステアリングを切り込んだ状態で強引なパワーオンを試みるとホイールスピンを誘発するほど。もちろんESPが標準装備なので姿勢が大きく乱れることはないが、活気に満ちた走りはホットハッチという懐かしい言葉を彷彿とさせた。

ハンドリングもゴルフとは若干異なる。リアサスペンションにトーションビームを採用するせいもあって、ハードなコーナリングでは後輪内側の接地荷重が極端に減少するのがわかる。これは4世代目までのゴルフにも共通する味わいだが、だからと言って爪先立ったような不安定さにはつながらないのがフォルクスワーゲン流の味わいだ。

そうそう、標準車の倍となったパワーに合わせて、ディスクローターはフロント:238mm、リア:196mmに強化された。深いストロークの中でコントロールさせるペダルフィールは相変わらずで扱いやすい。

ただ、パワフルなエンジンを積むこともあって、パワーオン/オフに対するピッチング方向の動きはやや大きめ。したがって旋回中のアクセルコントロールいかんではアンダー/オーバーと挙動がかなり変わる。もちろんここでもESPのアシストがあるが、試みにカットしてみたらかなりのじゃじゃ馬ぶりも隠し持つことがわかった。

しかし、ポロGTIはけして粗野なクルマではない。電動油圧式パワーステアリングによる澄んだフィール、バネ上荷重をやや重くしてまでこだわった重厚な乗り心地などは、標準車から細大漏らさず継承されている。これらが織り成す質の高いドライブフィールは国産の同クラスにはなかなか望みえない魅力で、それはホットなGTIとなってもまったく変わらない。

表面的な違いはむしろ見た目の方に顕著。その象徴がインテリアで、センターコンソールに金属調のパネルが奢られ、赤いステッチで彩られた本革巻きのステアリングにはGTIのインレイが入り、サイドサポートの大きく張り出したチェック柄のスポーツシートがあつらえらる。

また、大人4名が快適に過ごせる居住空間(定員は5名)や、左右4:6のダブルホールドで荷室を拡張できるといった実用性にも変わりはないから、MT専用ということさえ受け入れられるのであれば、このポロGTIは幅広い人に勧められる1台とも言える。

ここ数年のフォルクスワーゲンは、過剰とも言える製品の造り込みを行って来た。生備から変える必要のある広範囲へのレーザー溶接の採用や、エンジンのガソリン直噴化などはその良い例だ。

そういった目で見ると、ルポのようにアルミを使って特別な軽量ボディを仕立てるわけではなく、エンジンは既存のポート噴射ターボで、ミッションもDSGや6速を見送り5速MTで済ませたポロGTIを、持ちネタで済ませたお手軽なスポーツモデルと捉える向きも出て来よう。さらにハイスペックなモデルが欲しいのであれば、すでにゴルフGTIという選択肢が用意されている。

ポロGTIはプリミティブだからこそ独自の立ち位置を得ることに成功したのだと僕は思う。そしてその乗り味は、往年のGTIを知る人にほどわかりやすく、現在のゴルフGTIとはまったく異なる世界を作り上げていた。(文:石川芳雄/Motor Magazine 2006年2月号より)



ポロGTI4ドア 主要諸元
●全長×全幅×全高:3915×1665×1465mm
●ホイールベース:2842mm
●車両重量:1210kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1780cc
●最高出力:150ps/5800rpm
●最大トルク:220Nm/1950-4500pm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●車両価格:249万9000円

ポロGTI2ドア 主要諸元
●全長×全幅×全高:3915×1655×1465mm
●ホイールベース:2842mm
●車両重量:1180kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1780cc
●最高出力:150ps/5800rpm
●最大トルク:220Nm/1950-4500pm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●車両価格:228万9000円

[ アルバム : ポロGTI 2代目 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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