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タイヤ選択への批判にピレリF1が反論「アグレッシブと分かっていたが、FIAとFOMから要請を受けた」

掲載 更新 7
タイヤ選択への批判にピレリF1が反論「アグレッシブと分かっていたが、FIAとFOMから要請を受けた」

 先週のイギリスGPでは、レース終盤にメルセデスの2台やマクラーレンが次々とタイヤトラブルに見舞われた。それに対してピレリ側は、「高い摩耗と過度の負荷がかかったから」と説明し、タイヤ自体の構造的欠陥や不良品であることを完全否定した。

 一方でピレリは、同じシルバーストンサーキットで行われる今週末の70周年記念GPに、さらに一段階柔らかいコンパウンドを投入した(C2~C4)。案の定というべきか、初日フリー走行ではリヤタイヤにひどいブリスター(火ぶくれ)を起こすクルマが続出し、C4(今回のソフトコンパウンド)はレースではほぼ使い物にならないことも明らかになった。

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 しかしピレリは、「アグレッシブな選択であることは承知していたが、ピレリが決めたことではない」と言う。そこにはF1タイヤの唯一の供給メーカーとして、F1からの要請を無視できない事情がある。具体的には、どういうことなのか。ピレリモータースポーツ部門の責任者マリオ・イゾラの説明を聞いてみよう。

──────────────────

──フリー走行を終えた段階で、各コンパウンドのタイム差をどう見ていますか。

マリオ・イゾラ(以下、イゾラ):C2とC3のタイム差は0.7秒、C3とC4は0.5~0.6秒と見ている。C4は皆さん見ての通り、(タイヤに厳しい)シルバーストンにおいては非常にアグレッシブな選択だった。今週末は路面温度も40度を超えるしね。そのためリヤにはブリスターが出たし、フロントに出たクルマもあった。ちなみに先週のレースでは、一番ソフトだったC3にもブリスターが出ている。なのでC4のブリスターは、当然予想していたよ。そしてC4がレースのメインタイヤにはなりえないし、レースが1ストップで済みそうにないこともね。

─レースでは、C4は使えないと。

イゾラ:もしC4でスタートしたら、タイヤはすぐにひどいダメージを受けて、早期のピットインを余儀なくされるだろう。それもあって多くのチームはレースに向けて、新品ハードタイヤを温存した。タイヤの限界確認も主にソフトで、そして最低限の周回数でミディアムでも行った。1週間前に問題の出た左フロントタイヤに関しては、今週末も注意深く見て行くつもりだ。

──数週間前にC2~C4のラインナップを決めた時も、すでにC4が使い物にならないことはわかっていた?

イゾラ:さっきも言ったように、あえてアグレッシブな選択をしたということだ。そしてチームがレースに向けては、ハードとミディアムを使うだろうことも、その時点でわかっていたよ。

──各コンパウンドに周回数制限を設けなかったのはなぜですか。

イゾラ:マシンによって特性が違うために、一律の制限を設ける意味はないと思ったからだ。それにコンパウンドごとの周回制限は、チームの戦略的自由度を狭めてしまう。ショー的な要素を考えれば、各チームが違う戦略を立てられた方がいいわけだからね。日曜日のレースは基本的には2回ストップ作戦が主流になるだろうが、それ以外の戦略が機能する余地もないわけではない。状況次第では、3回ストップを行うチームも出てくるだろうね。

──ドライバーからはソフトタイヤはまったく機能しないとか、全然プッシュできないという批判が相次いでいます。1週間前と同じコンパウンドにすべきだったと思いますが、今回のタイヤ選択に後悔はないですか。

イゾラ:このタイヤ選択はピレリが独断で決めたことではなく、FIAとFOMからの要請によるものだ。彼らはレースに、スパイスを振りかけることを望んだんだ。1週目と2週目のレースが、違う展開になるようにね。実はオーストリアでも同じ依頼を受けたが、あの時は違うコンパウンドを用意できる態勢になく、断らざるをえなかった。依頼のタイミングが、非常にタイトだったしね。

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みんなのコメント

7件
  • F1のゲーム性を上げるために、わざと保たないタイヤ作ってるわけだからね。いきなりパンクはちょっとまずいけど・・・
  • あまりにもたないタイヤでびっくりした。
    バーストのリスクがあるのはよくないけど、今回のレースを観てこれはこれでアリなのかなとも思いました。
    波乱でも起きなければほぼ順位が確定しているF1においてタイヤ戦略次第で上位チームでも喰えるということがよくわかったと思うし、観てる側も久しぶりにハラハラドキドキできたのでアリではないかと…
    完成度の高いタイヤだとレース結果は車の性能順になるだけでつまらなくなってしまいそう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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