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アストンマーティンもジャガーの名声の影にこの天才アリ! イアン・カラムの芸術的デザインに世界が驚いた

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アストンマーティンもジャガーの名声の影にこの天才アリ! イアン・カラムの芸術的デザインに世界が驚いた

 この記事をまとめると

■イアン・カラムはアストンマーティンやジャガーのデザインを手掛けた巨匠だ

タイヤまでカッコよくなるとはさすが巨匠ジウジアーロ! いま世界で注目の「RADARタイヤ」ってナニモノ?

■ジャガーにおいては同社におけるデザインの基本形を作り上げるほど秀逸だった

■電気自動車やコンセプトカーの分野においても腕を振るっている

 巨匠「イアン・カラム」が生み出した名車たち

 昨年末の12月2日、マイアミ・アートウィークにて発表されたEVコンセプトカーの「TYPE 00」が話題騒然のジャガー。賛否渦巻く声の多くは「従来の美しさが消えた!」というモノですが、ではその美しさとはいったい何か? 今回は、近年のジャガーデザインを統括したイアン・カラムの仕事を振り返ってみたいと思います。

●アストンマーティンの歴史を変えたデザイン

 1954年、スコットランドに生まれたイアン・カラムは、グラスゴー美術学校でインダストリアルデザインを学んだのち、名門RCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)でカーデザインを習得しました。

 1979年、25歳でフォードに入社した氏は、巨大メーカーらしく市販車のパートデザインを数多く経験しますが、その才能を開花させたのは、同社を90年に退社後参加したTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)でのアストンマーティンDB7といえるでしょう。

 基本コンポーネンツをジャガーXJSと共有しながら、DBS以来の「DB」を名乗った同車は、かつてのDB4ザガートやDB5をモチーフとしつつこれを大胆に再構築。曲面基調のボディは極めてモダンであり、のちのアストンマーティンの基本スタイルをこれ1台で提示してしまいました。この強力なアップデートぶりに氏の実力が垣間見えるのです。

 1999年にはジャガーへ移籍、ここでも早々に改革へ着手します。その手始めは2006年登場のXK。かつての名車「Eタイプ」をモチーフとしつつ、前任のジェフ・ローソンのレトロ志向を完全に払拭する転機となった仕事です。DB7同様、その後のジャガーデザインの基本形を提示してしまった点が圧巻といえます。

 その2年後に登場した初代XFでは、従前の「Sタイプ」まで続いていた同ブランドのセダン像を一気に改革。厚いボディに薄いキャビンのクーペ風スタイルという最先端のボディは、先のXKをさらに進化させたモノで、これが新世代ジャガーだという認識を広く固めたモデルといえます。

 さらに、その2年後の2010年に登場した4代目XJもまた、同車の代名詞であった丸形ランプを刷新、XFで見せた新しいセダンスタイルの完成形を示しました。とくにシャープさと重厚さの組み合わせは見事で、細いピラーと縦型のテールランプによるエレガントな表情は、まったく新しい高級車スタイルを生み出したのです。

 常に時代の最先端をいくデザイン力

●EVの特徴を生かしたパッケージにも対応

 そして、2011年には新世代のスポーツカー像としてコンセプトカーC-X16を発表。これをベースに「50年ぶりのピュアスポーツ」を謳ったのがFタイプ(初代)です。コンバーチブルの爽やかさもさることながら、ロングノーズや美しいルーフラインとベルトラインの組み合わせ、リヤの圧倒的なボリューム感によるクーペのプロポーションはパーフェクトで、まさに氏の真骨頂といえます。

 最後に紹介するのは、ジャガーを退任する2019年に発表されたIペースです。最新のEVとしてショートノーズと超ロングホイールベース、キャビンフォワードという従前とはまったく異なるプロポーションにまず驚き。さらに全高1565mmのSUV的なボディが、ウエッジシェイプとスリムなキャビン、サイドシル部のプロテクターなどにより実に軽快に見える点も見所です。

 さて、こうして氏の仕事を振り返ってみると、旧い価値観を一掃するモダンな独自性と、万人に美しさを感じさせる普遍的な美的感性、圧倒的なバランス感覚に感心させられます。

 その個性はアストンマーティンとジャガーの一時代を構築しましたが、たとえば日本のメーカーのディレクターを手掛けたらどんなスタイリングを生み出したか? そんな贅沢な想像も掻き立てられるところです。

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