はじめに
本質的にトラディッショナルなフルサイズサルーンほど、電動化が進んでいないクラスはなかったのではないだろうか。しかし、いよいよ完全電動高級サルーンのマーケットが生まれつつあり、BMWもそこに参戦した。
まずはメルセデスが2021年終盤にEQSを投入し、それを追ったのが2022年のジェネシス・エレクトリファイドG80だ。2023年には、このセグメントの先駆者であるテスラ・モデルSの最新バージョンや、右ハンドル仕様のルーシッド・エアが英国に上陸する見込みだ。アウディも、2024年にはA8のEVモデルを投入する予定だ。
すでに、電動化を受け入れようとしている高級車購買層は存在する。彼らの目を引くための足がかりを作るべく、どのメーカーも時間を無駄にできないのは明らかだ。
7世代目となる7シリーズは、まさしくこれを意識して開発された。英国へはEVモデルであるi7の、今回テストするxドライブ60のみが、いまのところ導入されている。今年後半には、2機種のPHEVが導入され、その後は最上位のMパフォーマンスモデルであるM70が続く。
ライバルにはEV専用設計のものも少なくないが、i7は内燃エンジンの7シリーズとプラットフォームを共有している。そうなると、パッケージやパフォーマンス、航続距離やスペースなどに妥協は生まれないのだろうか。21世紀の高級サルーンとしての完成度はいかなるものか、検証していこう。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
EVサルーンに関して、BMWのようなメーカーが踏襲できるほどうまくいくテンプレートは、今のところ存在しない。メルセデスはEQSを、Sクラスとはまったくの別物に仕立てたことで、設計やデザインに大きな自由度が生まれた。しかしBMWは、内燃エンジンを含む7シリーズのラインナップの一部として、電動化モデルを用意した。
このアプローチが、短期的にも長期的にも商業的に成功を収めるかどうかは興味深いところだ。また、今回も賛否分かれるルックスで現れた大きなBMWに、マーケットがどのような反応を示すのかも。このエクステリアについて、ロードテスターのリアクションはまちまちだが、ずんぐりして巨大なグリルを備える外観が魅力的だという声は上がらなかった。
このi7 xドライブ60は、G70世代の7シリーズのラインナップのひとつだ。今後登場する750eとM760eは、3.0L直6ガソリンターボと電気モーターを搭載する。全車種とも4WDのxドライブで、出力は490psから660psだ。
英国仕様に、0-100km/hが5秒を超えるものはないが、これはガソリンやディーゼルのマイルドハイブリッド導入を見送ったからだ。その大胆な決断は、10万ポンド(約1620万円)以下のモデルが販売されないことにもつながっている。
導入の有無はともかく、パワートレインの設定は幅広い。それに対応するべく、i7のプラットフォームはEV専用とはできなかった。ただし、このCLARアーキテクチャーは、内燃エンジンにも完全電動車にも対応可能だ。
全車ともロングホイールベース仕様で、全幅と全高は先代G11/G12より50mmほど拡大。フロントトレッドも、同じくらい拡がっている。
サスペンションには、車高調整式エアスプリングとアダプティブダンパーが標準装備される。従来はスティールスプリングの標準装備にこだわっていたサルーンが、大きく方向転換を図ったわけだ。インテグラルアクティブステアリングこと4WSや、エグゼクティブドライブと銘打たれたアクティブスタビライザーはほとんどのモデルにオプション設定される。テスト車には、どちらも搭載されていた。
EVのi7 xドライブ60は、前後各1基の励起電気モーターを搭載。リアのほうがパワフルな設定だ。前後トータルでの最高出力は543ps、最大トルクは75.9Nmで、AMGではないメルセデスEQSを凌ぐには十分だが、テスラ・モデルSプレイドの領域には及ばない。床下のスペースを占める駆動用バッテリーは101.7kWhで、この容量は同等のEQSほどではないが、ジェネシス・エレクトリファイドG80は上回っている。
内装 ★★★★★★★★★★
BMWが、7シリーズには改善すべき点が多くあると考えていたと仮定しても間違いはないだろう。これまでできなかったことはたしかにある。
ここ数世代の7シリーズは、アウディやメルセデスなどのライバルと正面から対決してきたとは言い難い。後席の広さや快適性、マテリアルのクオリティ、テクノロジー面のスペック、そして贅沢さや高級感で差をつけられていた。
しかし、新型のG70世代では、それらすべてにおいて真剣に対策を講じてきた。そのぶん、ウェイトが増加することは気にかけなかったようだが。テスト車の実測重量は、2750kgを超えている。
前席に座ると、i7はiXときわめて近い方向性であることがわかる。レザーやウッド、クロームトリムがうまく組み合わされ、操作系はカットガラスで美しく飾られている。手触りにもうっとりする。ワイドなフロントシートは、完全電動調整機能やマッサージ機能、ヒーターも装備できる。タッチ式インフォテインメントと計器類の一体型ディスプレイも、iXにみられる穏やかにカーブしたものだ。
テスト車はさらに、アルティメットパッケージでグレードアップされている。標準仕様では、7シリーズにはそこまでラグジュアリーな要素が充実していないかもしれない。それでも、その仕立てにはどこもかしこも高価そうな感じが漂っている。手間暇惜しまず作り込まなければ、こうはいかないところだ。方向指示器のレバーから、スライド式のドリンクホルダーカバーに至るまで、ダンピングが効いた手応えで、E39型5シリーズを思い出させるものがある。
後席は、背もたれを倒せる3人掛けシートが標準仕様。オプションでは、左右席が電動調整式のラウンジスタイルとなる。助手席側はリクライニングと伸長がボタンひとつで可能。寝椅子状態にすれば、驚くほど広々としてすばらしく快適だ。
リアドアのトリムにはタッチパネル式コンソールが設置され、エンターテインメント系の操作ができる。ルーフにはシアタースクリーンと銘打たれた大型ディスプレイがたたみ込まれており、その操作にも対応。Bluetoothでのスマートフォンとの接続もでき、それぞれのシートのそばにあるスピーカーを用いた通話も可能だ。
走り ★★★★★★★★★☆
i7は、バッテリーコンディションや、それに伴う電圧の、控えめな加速中に見せる低下具合を測るのに有効な例ではないだろうか。いつもどおり、評価は80%以上チャージした状態で行った。
驚くほどスムースで、全体的にシームレスなパワーや、専用設定のローンチコントロールにより、4回行った0−161km/hとそれ以上の発進加速タイムは、100分の1秒単位の誤差内に収まった。
やや風の強い冬の日のテストだったが、このクルマはほぼ風の影響を感じさせなかった。加速テストの最中に、普通なら盛大に進路を逸らされそうな強風を受けてもだ。
それだけではなく、高速道路やA級道路では、とりわけ長距離走行時に、ドイツ製フルサイズサルーンの新たな最高水準だと感じられる。キャビンの静粛性は卓越しているが、美点はそこにとどまるものではない。熟練の技が生む高級車レベルのドライバビリティと、有無を言わさず楽に長距離を走り切るペースのブレンドも味わえるクルマだ。
ほぼドライコンディションな路面でのタイム計測では、0−97km/hが公称データどおりといっていい4.5秒で、ゼロヨンは12.9秒をマークした。昨年テストしたメルセデスAMG EQS 53には及ばなかったが、価格やポジショニングを考えればやむをえないところだろう。
EVに多く見られる傾向だが、80km/h以下のペースは、それ以上より速さを感じる。しかし、高速道路の速度域でも力強さは損なわれず、アウトバーンを意識したクルマだと思わされる。80−128km/hが3.3秒というのは、ポルシェ・タイカンRWDパフォーマンスパックに比べてもコンマ1秒遅れるのみだ。
パワーの上がり方は唐突ではなく、慎重なまでにプログレッシブで、同乗者が意図せぬ急激なペダル入力で驚くようなことはまずない。
バッテリーの回生も同様で、デフォルトではアダプティブ調整が入り、さらに高低3つのモードが選べる。アダプティブセッティングの機能ぶりは上々で、渋滞ではうまく動きを調節してくれて、ジャンクションでは自動的に減速してくれる。
とはいえ、ショーファードリブンのスムースさを求めるなら、効きを弱めざるをえないのも事実で、バイワイヤで電動アクチュエーターを用いるフットブレーキを使うことになる。多くのEVに比べ、プログレッシブさや合成的なフィールはかなり優れている。
ステアリングホイール裏の左側には、ブーストと記されたパドルがある。これは電動パワートレインから、短時間の最大加速を引き出すものだ。とはいえ、その恩恵はかなりのものだが、低速域でもたらされるので、この手のクルマにはそれほど必要性が高くないようにも思える。
ありがたいことに、これはチューニングの優先順位を見誤ったことを象徴するようなものではない。i7はなにを目指すべきか心得ている高級車だ。じつのところ、乗員をきわめて効果的に守ってくれるクルマだといっていい。
使い勝手 ★★★★★★★★★☆
インフォテインメント
フル装備状態のアルティメットパッケージを与えられたテスト車は、キャビンのあちこちに全部で4つのタッチ画面が設置され、さらに12.3インチのデジタルメーターであるライブコクピットプロフェッショナルと、調整式ヘッドアップディスプレイが備わる。
メインとなるインフォテインメントシステムは、BMWのオペレーティングシステム8.0は、相変わらずすべて理解するのがちょっと難しい。最上級仕様のアプリ画面はかなり混み合っている。
しかしその複雑さは、画面上部にあってユーザーが項目を設定できるドロップダウン式ショートカットボタンを使いこなすことで、手なずけることができるようになる。おなじみiDriveのカーソル操作ができる手動入力デバイスも、かなりの手助けになってくれる。
後席では、ルーフ側から引き下ろして使用する31.3インチのワイドディスプレイこそが、もっとも魅惑的なアイテムだ。HDMIかUSB-Cのケーブルでソースを接続するほか、専用のeSIMを用いたデータ接続でのストリーミングや、ビルトインのAmazon Fireを使用して、映像などを楽しむことができる。
テスト車にはさらに、ハイエンドオーディオにバウワース&ウィルキンス製ダイヤモンドサラウンドHi−Fiシステムが装備される。出力は1965W、スピーカーの数は36もある。そのサウンドに、失望しようはずがない。
燈火類
アダプティブLEDヘッドライトは標準装備で、マトリックスアクティブハイビームも備わる。ハイビームの照射には暗いスポットがわずかに見られるが、範囲と自動配光調整機能はどちらも良好だ。
ステアリングとペダル
ペダル幅は広く、スムースさを生むチューニングは上々で、快適に直感的な操作をするのにパーフェクトな配置だ。
操舵/安定性 ★★★★★★★★★★
最新の運転支援テクノロジーを満載したことで、i7はほぼいかようにも、好きなように走らせられるクルマとなった。すべてのドライバーズエイドを起動して高速道りょを長距離クルーズすれば、手はステアリングホイールに軽く添えているだけでほぼ事足りる。するべき操作は、入口からの合流と出口への分岐でのレーンチェンジくらいだ。
しかし、レーンキープやアクティブクルーズコントロールまでカットすると、秀逸な高速安定性と中立でのステアリングフィールを示し、外的要因の有無に関わらず、その巨体が意図した車線から外れず走る。そうしたなによりもみごとなのは、i7がきわめてリラックスして運転できるクルマだということだ。
低速域での取り回しでは、重さもサイズもあまり苦にならないことに驚かされる。また、快適性至上主義ということもあって、タイトコーナーも落ち着いて曲がる。そのサイズは、i7をどう運転するかを決定する要因ではあるが、四輪操舵システムによってタイトなスペースでも楽に扱えるし、ジャンクションやラウンドアバウトでは俊敏さを発揮する。いずれも、想像以上のはずだ。
アンチロールとエアサスペンションのアクティブ制御のコンビネーションは、コーナリング時に車体の荷重がかかった側を支え、ロールの出方をバラつきのないものにする。それでいて、結果的に不自然に感じさせるようにはなっていない。シャシーもステアリングも、クルマが発生させる旋回Gを、ドライバーも同乗者も気楽に乗っていられる程度だけ伝えてくる。
いっぽうでi7は、ノーズを驚くほどタイトにアペックスへ向けることもできる。そのキツい走行ラインでも、グリップのバランスは良好。ロールもピッチも、すばらしくうまく抑えている。そして、加速中でもじつにニュートラルな旋回姿勢を保ってくれるのだ。
ハードに走らせても、ボディの振れは上下左右いずれもほとんど出ない。減衰やサポートが不足しているような挙動もみられない。常に静かで快適だが、きっちりした精密さも備える。ルーズさはめったにみせず、のたうち回るようなことは絶対にない。大多数が期待するようないまどきの高級サルーンがここにある。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
i7に設定されるホイールは19~21インチで、テスト車は21インチ装着車だった。タイヤはランフラットではない、通常のものだ。ロードノイズや乗り心地を重視するなら、これよりもいい仕様があるのは明らかだ。さらに、転がり抵抗を減らして航続距離を伸ばすのにも有効な仕様が。
とはいえ、テストした仕様でも路面からのノイズはじつによく抑えられていた。荒れた路面での前後タイヤのそわつきやばたつきはわずかだが、明らかに感じられる。超高級サルーンには、低速でのしなやかさでi7に勝るものもいくつかあるだろう。
それでも、そう感じられる瞬間はレアだ。安定したツーリングでの快適性に関していえば、これを超えるものはめったにない。おそらくそれは、わずかに硬めのサスペンションチューンが、波長の長いボディの挙動を、高速クルーズ時にうまく制してくれることが奏功しているのだろう。
風切り音はわずかながらあるが、あえて指摘するほどではない。113km/hでのハイウェイクルーズで計測した車内騒音は63dBAで、これは昨年のテストで静粛性を絶賛したレンジローバー・スポーツD300より3dBA静かだ。ただし、2018年に計測したロールス・ロイス・ファントムは、さらに3dBA静かだった。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
英国の直流急速充電ネットワークが拡大するにつれ、11万5000ポンド(約1863万円)級の電動サルーンにはどの程度の航続距離が十分なのか、その判断が難しくなってきた。しかし、覚えておきたいことがある。i7に弱点があるとすれば、それは航続距離だろうということだ。
駆動用バッテリーの実用容量はメルセデス・ベンツEQS 450+より小さく、実測重量は昨年計測したメルセデスAMG EQS 53より重いので、テスト時の平均電費は4.2km/kWhにとどまった。
WLTP混合値に遠く及ばないのはともかくとしても、425kmという現実的な航続距離では、不自由を感じるユーザーも少なくないだろう。半値のEVの能力を大きく上回ることはできない。テスト結果からすると、EQS 450+のほうが80~120km長く走れる、といったほうがもっとわかりやすいだろう。
しかしこの場合、重要なのは充電のハードルを過大に見積もらないで済むということだ。直流急速充電量の平均値は、それを計測しはじめてから最高値となる148kWを記録した。メルセデスEQEと比較すれば、20kW近いマージンだ。
BMWがいうには、急速充電時のバッテリー冷却制御を再考し、高電力での充電高速化を可能にしたとのこと。それは、計測データに明らかだ。
スペック
レイアウト
7シリーズは先代から引き続き、2015年に導入されたCLARプラットフォームを使用する。PHEVは縦置き直6と床下配置の駆動用バッテリーを用いる機械式4WDだ。
EVは前後輪をそれぞれ独立したモーターで駆動。リアモーターのほうがパワフルだ。バッテリーの総電力量は105.7kWh。前後重量配分は、実測値で48:52だった。
パワーユニット
駆動方式:前後横置き四輪駆動
形式:他励同期電動機
駆動用バッテリー:リチウムイオン・376V・105.7kWh(グロス値)/101.7kWh(ネット値)
最高出力:543ps/-rpm(前259ps/後312ps)
最大トルク:75.9kg-m/-rpm(前37.2kg-m/後38.7kg-m)
最大エネルギー回生性能:-kW
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:206ps/t
トルク荷重比:28.8kg-m/t
ボディ/シャシー
全長:5391mm
ホイールベース:3215mm
オーバーハング(前):982mm
オーバーハング(後):1194mm
全幅(ミラー含む):2175mm
全幅(両ドア開き):3870mm
全高:1544mm
全高:(トランクリッド開き):1890mm
足元長さ(前):最大1100mm
足元長さ(後):最大860mm
座面~天井(前):最大980mm
座面~天井(後):最大950mm
積載容量:500L
構造:スティールシャシー/ボディ
車両重量:2640kg(公称値)/2758kg(実測値)
抗力係数:0.24
ホイール前/後:9.0Jx21/10.5Jx21
タイヤ前/後:255/40 R21/285/35 R21
ピレリPゼロPNCS
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)
変速機
形式:2ステージ1速遊星ギア(前後1基ずつ)
ギア比
リダクション比:前8.8:1/後9.4:1
1000rpm時車速:14.6km/h(リアモーター)
113km/h/129km/h時モーター回転数:7668rpm/8763rpm
電力消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.2km/kWh
ツーリング:4.5km/kWh
動力性能計測時:2.1km/kWh
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.8km/kWh
中速(郊外):6.1km/kWh
高速(高速道路):6.0km/kWh
超高速:4.5km/kWh
市街地:6.0km/kWh
混合:5.3km/kWh
公称航続距離:620km
テスト時航続距離:425km
CO2排出量:0g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、アダプティブダンパー
後:マルチリンク/エアスプリング、アダプティブダンパー
ステアリング
形式:電動機械式、ラック&ピニオン、四輪操舵(オプション)
ロック・トゥ・ロック:2.45回転
最小回転直径:12.3m
ブレーキ
前:-mm通気冷却式ディスク
後:-mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、DTC、CBC、DBC
ハンドブレーキ:電動式(センターコンソールにスイッチ配置)
静粛性
アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):69dBA
48km/h走行時:54dBA
80km/h走行時:60dBA
113km/h走行時:63dBA
安全装備
ABS/DSC/DTC/CBC/DBC/フェード抑制機能
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):2.9秒
0-50(80):3.6秒
0-60(97):4.5秒
0-70(113):5.6秒
0-80(129):6.9秒
0-90(145):8.3秒
0-100(161):10.1秒
0-110(177):12.1秒
0-120(193):14.4秒
0-130(209):17.1秒
0-140(225):21.1秒
0-402m発進加速:12.9秒(到達速度:183.6km/h)
0-1000m発進加速:23.1秒(到達速度:231.1km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
メルセデスAMG EQS 53 4マチック+ ナイトエディション(2022年)
テスト条件:湿潤路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.3秒
0-50(80):2.9秒
0-60(97):3.6秒
0-70(113):4.5秒
0-80(129):5.6秒
0-90(145):6.8秒
0-100(161):8.4秒
0-110(177):10.2秒
0-120(193):12.4秒
0-130(209):15.0秒
0-140(225):18.5秒
0-402m発進加速:12.0秒(到達速度:190.5km/h)
0-1000m発進加速:21.9秒(到達速度:236.6km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):1.5秒
30-50(48-80):1.5秒
40-60(64-97):1.6秒
50-70(80-113):2.0秒
60-80(97-129):2.3秒
70-90(113-145):2.7秒
80-100(129-161):3.2秒
90-110(145-177):3.7秒
100-120(161-193):4.4秒
110-130(177-209):5.1秒
120-140(193-225):6.7秒
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(80km/h):24.0m
70-0マイル/時(113km/h):46.0m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.98秒
ライバルの制動距離ライバルの発進加速
メルセデスAMG EQS 53 4マチック+ ナイトエディション(2022年)
テスト条件:湿潤路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):10.2m
50-0マイル/時(80km/h):30.6m
70-0マイル/時(113km/h):58.6m
結論 ★★★★★★★★★☆
G70こと新型BMW7シリーズには、内燃エンジン仕様も存在する。また、リニューアルした7シリーズ全般に、安心感のある親しみやすさがある。しかし、これまで立場を危うくしてきたような要素を、隠そうともしていない。
完全電動のi7が、7シリーズのほかのバージョンや競合モデルと比べた場合、よりよい高級サルーンなのかシンプルには判定できないとしたら、ミュンヘンの誇りある車名のひとつに輝きではなく傷を与えていたかもしれない。
このクルマは、簡単な気持ちですぐに記録から抹消できるようなものではない。すでにモデルレンジのまさしくコアに位置付けられるものとなっている。
さらに、その位置付け以上の価値があるといってもいい。伝統的なサルーンではなく、そのパフォーマンスは急激だが超洗練されていて、秀逸なドライバビリティとクルージングでの落ち着いたマナーを備えている。
このi7 xドライブ60は、昔ながらの高級サルーンを求めるユーザーならよくよく検討する必要がある。歴代7シリーズに対しては、よりリッチで魅力が増し、テクノロジーもふんだんに盛り込まれ、キャビンは広くなっている。しかも、ハンドリングはさらに磨きがかかった。
おそらく、航続距離はもっと伸ばすべきだったし、もっと受け入れやすいスタイリングにするべきでもあったはずだ。しかし、それらを除けば、このババリアのフラッグシップはこれ以上望むのが難しいほどいいスタートを切ったと言えるのではないだろうか。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースBMWの音声認識は、もっとさまざまなフレーズを学習するべきだ。たとえば「左リアのドアを開けて」といった指示を聞いてほしいが、今のところ発話で開閉できるのはブラインドだけ。後席乗員が、シアターモードにしたまま降りた際には便利だが。
リチャード・レーンi7のナビゲーションには困ったクセがある。家へ帰る際でも、バッテリー残量が10%を切っていると、充電に理想的なルート提案を繰り返すのだ。
オプション追加のアドバイス
選ぶべき仕様はxドライブ60エクセレンスで、ホイールは19インチに。550ポンド(約8.9万円)のテクノロジープラスパッケージと、1万500ポンド(約170万円)のエグゼクティブパッケージ、3500ポンド(約57万円)のエグゼクティブドライブサスペンションは追加したい。
改善してほしいポイント
・フロントのデザインは再考を。真っ当な高級車としては、十分に洗練されているとは言い難い。
・バッテリー容量拡大かエネルギー効率改善が望まれる。現実的な高速巡航距離は480km以上ほしいところだ。
・重量削減策はないだろうか。自動ドアを見送るだけでも、そこそこの軽量化ができそうなものだが。
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みんなのコメント
人間1人運ぶのに、2.7tの重さを一緒に運ぶ環境負荷のバカ
バカしさがわからない人達。
作る人、買って乗る人、成田さんの言葉ではありませんが、人間として失格。
これを挙げるとは珍しい。
他の媒体では「ラグジュアリーな装甲車」なんて意味不明な表現をして言葉を濁していたから。
後続距離の為に2.8トン近くなる。
ガソリンエンジンのセダンより500kg重いのは環境に優しいのか甚だ疑問。