新車を現金で買うケースを想定して検証する
進学や就職でこの春、東京へ引っ越してきた皆さん、ようこそ東京へ! 東京にはなんでもあります。おしゃれなカフェも、流行のファッションも、エグゼクティブが集まる社交場も。勉強や仕事はもちろん、そうした東京ライフを楽しみにしてきた皆さんも多いことでしょう。
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ただ1つだけ、これまでどおりの便利さを求めるなかで、東京で難しくなってしまいがちなことといえば、「マイカーを持つこと」かもしれません。もしかしたら皆さんのなかにも、それまで大切にしてきた愛車を実家に残してきた、という人もいるのではないでしょうか。東京では駐車場が高いことに加えて、どこへいくにも駐車料金がかかり、渋滞も激しいです。クルマより公共交通機関の方が便利なシーンも山ほどあります。が、一度クルマの楽しさを知った人なら、やっぱりマイカーのある生活を東京でも続けたいと思いませんか?
そこで今回は、東京23区内で駐車場なしの賃貸アパートに一人暮らしをする人が、マイカーを持つにはいったい年収いくらあれば可能なのか? かかる費用を洗い出して、検証してみたいと思います。マイカーの購入金額は、年収の5割以下に抑えるのが妥当だと言われていますが、さていったいどうなるのでしょうか。
まず、東京23区でもっとも1Kアパートの家賃相場が安いところを探しました。それが、江戸川区。平均家賃は月額6万3000円でした。生活していくには、家賃のほかにもいろんな経費がかかりますね。ざっとですが計算してみると、「光熱費(電気・水道・ガス)」1万円、今や公私ともに欠かせない「携帯料金」1万円、なるべく自炊で節約するとしても「食費」2万円程度はかかるでしょう。友人たちとの付き合いや服飾費、娯楽費など、「お小遣い」は最低でも3万円は欲しいところ。その他、「雑費」で1万円としておきます。
家賃と生活費をすべて合計して、14万3000円となりました。まずはこれだけでも、年収171万6000円(手取り)が必要ということになります。
そしていよいよマイカー購入です。中古車を選択すれば、10万円程度でも購入できますが、今回はあえて新車を現金で買うケースを例にします。現在、乗用タイプの新車で車両本体価格が最安値なのは、ダイハツ・ミライースのグレード「B」で86万200円(税込)。
ただしクルマはこの金額そのままでは購入できません。購入時に必ずかかる費用は、以下のとおりです。「重量税」「軽自動車税(自動車税)」「環境性能割」「自動車リサイクル料」「自賠責保険料」。また、ディーラーに頼めば数万円の費用がかかるのですが、自分で行うことで節約できるのが「車庫証明費用」と「登録費用」「納車費用」です。
上記をミライースで計算していくと、「重量税」は通常7500円ですが、2021年4月30日現在で計算すると、エコカー減税が適用されて0円。5月1日以降は新税制により50%減税となって、3700円かかります。「軽自動車税」と「環境性能割」は5月1日以降も非課税で0円です。「自動車リサイクル料金」は、預託金が7010円に、情報管理料金/資金管理料金として420円が加わり、合計7430円。「自賠責保険料」は36ヶ月で2万6760円です。
さらに、通常はディーラーで代行してくれますが、自分で行うことで節約できる費用として、まず「車庫証明費用」。書類だけもらって記入・捺印し、住所の管轄警察署に持参・提出して数日後に受け取れば、費用は印紙代の500円のみです。
リースやローン、サブスクなどを利用して購入するのも手
次に、ナンバープレートと車検証をもらうための「登録費用」。これも自分で行えば費用は1400円のみですが、書類が煩雑でわかりにくく、陸運局での所要時間も長いため、代行をお願いするほうが確実かと思います。ディーラーでは2万円~3万円の手数料を設定しているところも多いので、民間の代行サービスを利用するのも一つの手。そうすると1万円程度で行えることがあります。ただ今回は、最低費用の1400円で計算します。
そして「納車費用」とは、昔はセールスマンが顧客の自宅へ新車を届けることが当たり前だったころの名残とも言える費用で、現在は原則として店頭での納車が一般的となっているため、計上しないディーラーもありますが、5000円~8000円程度の設定が相場です。もし見積書に記載がある場合は、「取りに来るのでカットしてください」と言えば0円です。
これで購入時にかかる費用は全部出ました。合計すると、89万6290円です。厳密には、フロアカーペットや三角停止板などの「標準付属品」というものが必要となり、ミライース「B」の場合は6万7000円となっていますが、これも頑張ればカットできると思いますので、今回はこの価格でいきましょう。
では、今度は購入後にかかる費用です。まず駐車場代は、江戸川区の平均月極駐車場代が約1万8000円でした。契約時には敷金が1カ月分必要となることが多く、1年毎の更新で更新時にも1カ月分がかかるため、年間13カ月分で計算すると、23万4000円です。次に、万が一事故を起こしてしまった場合に備えて、任意とはいえ絶対に入っておかねばならない「自動車保険」。これはミライースでドライバー(契約者)の年齢が20代の場合、年間5万円程度が相場となっています。
あとは、必ずかかるランニングコストはガソリン代ですね。ミライース「B」のWLTCモード燃費は25.0km/Lです。これを基準として、月に1000km走行した場合はガソリン40リットルが必要となります。レギュラーガソリン代が全国平均価格で145円とすると、ガソリン代は月5800円。年間で6万9600円となります。お出かけ先への高速代、駐車場代、洗車代などはなるべく節約してもらうとして、今回は省くことにします。
さぁこれで、新車でミライースを購入した初年度に、最低限かかる費用はすべて洗い出しました。東京都江戸川区の1Kのアパートで、新車でミライースを購入して生活するのに必要な年間の費用は、328万9890円です。ボーナスなしで単純に月収として計算すると、27万4157円ということになりました。
いや~、いかがでしょうか。じつは2020年の厚生労働省の調査では、大卒の初任給の平均月額は、22万6000円(通勤手当を含む)となっているのです。残念ながら、計算上は5万円ほど足りないという結果となってしまいました。
ただ、これはあくまで新車を現金で購入した場合であって、ローンやクレジットを組むこともできますし、中古車だって価格はピンキリ。マイカーリースやサブスクのように、メンテナンス費用などを含めて月額1万円台から新車に乗れるサービスも増えてきていますので、あきらめるのはまだ早いです。
冒頭で、マイカー購入価格は年収の5割以下に抑えるのが理想的だと述べましたが、大卒初任給の平均月額を単純に年収にすると、271万2000円(ボーナス含まず)。その5割というと、135万6000円です。家賃と生活費が最低でも年間171万6000円かかるという計算だったので、99万6000円は余裕がありますから、その範囲でローン/クレジット/リース代とランニングコストを支払えば、十分に可能ということになります。
マイカーを東京で維持していくのは、やはりお金がかかるものですね。でも、あればあっただけの楽しさや便利さも手に入ることは、一度愛車を持ったことがある人ならわかりますよね。少しでも愛車が欲しいと思う気持ちがあるなら、最初から無理だとあきらめないで、ぜひ検討してみてほしいと思います。
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