デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された第61回ロレックス・デイトナ24時間レース。決勝レースではアキュラ『ARX-06』勢がワンツー優勝を果たし、キャデラック『V-LMDh』は3-4-5位という形でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の新GTP時代を、スタートすることとなった。
レースでは接近した優勝争いが展開されたものの、3位となったチップ・ガナッシ・レーシングのキャデラック01号車を駆ったセバスチャン・ブルデーはライバル、アキュラのパフォーマンスに驚きを隠せないようだ。
■”新時代”最初の一歩! アキュラの60号車がデイトナ24時間を制す。キャデラックと激戦
01号車のファステストラップは、ブルデーのチームメイトであるレンガー・ヴァン・デル・ザンデが記録した1分35秒913。2位となったウェイン・テイラー・レーシング(WTR)のアキュラ10号車からは0.001秒の遅れだったが、優勝したメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)のアキュラ60号車でトム・ブロンクビストが記録したタイムからは0.3秒遅れという結果だった。実際、最後の数スティントでの再スタート時にMSRのアキュラは、2番手以下のWTRやキャデラックを自在に引き離すことができたように見えた。
キャデラックの01号車は長いレースの中、一時は2周遅れとなっていた。スピンを喫したLMP2クラスの車両を回避するために、ドライブを担当していたスコット・ディクソンが急ブレーキをかけたところ、LMP3クラスの車両に追突されリヤカウル交換のために予定外のピットストップを余儀なくされた。その後、ディクソンは燃料ホースが付いた状態でピットアウトしてしまい、ドライブスルーを強いられていた。
ブルデーはレース後次のように語った。
「キャデラックV-LMDhの初レースだということを考えると、完璧なレースをすることができなかったけど、それに近いレベルだったと思う。実際、完璧なレースができるとは思っていなかったしね」
「ただパフォーマンスでライバルに負け、みんなが終始クリーンなレースをしたことには本当に驚いている」
「望んでいたポジションじゃないのは辛いけど、何ポイントか獲得できたのは良いことだ。ガナッシやキャデラック、ボッシュ、ダラーラ……このプロジェクトに関わった全ての人のハードワークが全車完走という形で報われた」
「これからも頑張っていくし、みんなのハードワークに感謝したい」
またヴァン・デル・ザンデは、次のように語る。
「2位や3位でフィニッシュすることが目的ではなかったけど、初めてのレースだし、ガナッシとのシーズン開幕で表彰台獲得分のポイントを獲得したんだ」
「結局のところ、僕らに勝つだけのペースはなかったし、直線では勝てるだけのスピードがなかった。これからはチームとしてどこを改善できるか、(データを)収集する時間になる。24時間生き残れるマシンを作り上げたということは、ゼネラルモーターズ(GM)とダラーラ、ガナッシへの賛辞になったと思う」
キャデラック側は「大きなメカニカルトラブルやハイブリッドユニットに問題はなかった」と報告しており、GMスポーツカーレーシングプログラムマネージャーのローラ・ウォントロプ・クラウザーは次のように語っている。
「私たちはどのブランドよりも多い3台のキャデラックを持ち込み、3台ともチェッカーフラッグを受けることができました。キャデラックのエンジニアやデザイナー、ダラーラのエンジニア、チップ・ガナッシ・レーシングとアクション・エクスプレス・レーシングなど、このプロジェクトに関わった全ての人が、成し遂げたこと全てを誇りに思うべきです」
01号車の僚機でチップ・ガナッシ・レーシングが走らせるキャデラック02号車が4位。5位にはアクション・エクスプレス・レーシングが走らせるキャデラック31号車が入った。
ピポ・デラーニ、アレクサンダー・シムズ、ジャック・エイトケンが走らせた31号車は、レース3分の2というところでGTDクラスの車両と接触し、サスペンション故障と思われるアクシデントに見舞われた。ガレージ内での修理に25分を要し、12周遅れとなっていた。
「こういうことは起こるものだけど、最後まで(上位に)残っていないといけないレースでもある。残念ながら、僕らはGTマシンに接触されてしまった」とデラーニは言う。
「大きな接触ではなく、GTマシンがほんのすこし触れただけだった。でも接触から2時間経ってから僕らのリヤサスペンションが音を上げたんだ。本当に残念だよ」
「チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、修復したマシンを再びレースに戻してくれた。マシンはとても速かったし、表彰台に登れるほど強かっただけにちょっと悔しいね。でもこれがレースなんだ」
「僕らは強いチームになれそうだし、(次戦の)セブリングが楽しみだ」
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