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【詳細データテスト】BMW M5 走りは全方位で進化 実用性の犠牲は最小限 まさに究極のM5

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【詳細データテスト】BMW M5 走りは全方位で進化 実用性の犠牲は最小限 まさに究極のM5

はじめに

BMWの速いモデルのトランクリッドに記されたCSの文字が意味するものは、コンペティション・スポーツであったり、クラブ・スポーツであったり、それはそのときどきによって違う。今回のテスト物件はその名前から、無駄を削ぎ落としたレーシングマシンのようなものだと思うかもしれないが、それは事実ではない。

【画像】BMW M5 CSとライバル 全15枚

最近のCSというサフィックスは、BMWの社内チューニング部門がとくにスペシャルなMモデルを指すために使われている。今回のクラブ・スポーツは、大型でパワフルなモデル、14万780ポンド(約1971万円)のM5 CSだ。

このクルマはM5コンペティションのレシピを、多くの点でさらに磨き上げ、より強調している。表面上は、かなりわずかな変化に見えるかもしれないが。しかしながらその狙いは、非常に特別なステータスのパフォーマンスカーを生み出すことにある。

このクルマはなんといっても、BMW Mが手がけたロードカーでは過去最強となるパワーの持ち主だ。もちろん、究極のM5だということもできるだろう。

この高い目標を達成するために、4ドアのサーキットスペシャルを仕立てるという手段もあったはずだ。しかしMディヴィジョンはそんな無用の長物とすることをよしとせず、M5が持ち続けてきたロードカーとしての使い勝手を重視した。

BMWがMモデルのライフサイクル末期に、ダイナミクスのポテンシャルを完全に解放したスペシャルな仕様を投入するのは、もはや習慣的になっている。そのため、2018年に現行のF90型M5をテストした際、われわれは今回のようなクルマの登場を予測していた。

「これまでのMモデルを振り返ると、F10型M5では30周年記念モデルのドライスィヒ・ヤーレ、F82型M4ならCSといった、極め付きのモデルが追加されるのが習いとなっている。となれば、F90型M5にもそれに相当するモデルが登場するはず。それこそ、比類ないスペシャルな一台と呼べるものになるはずだ」と、レポートを結んでいるのだ。

果たして今回のM5 CSは、3年前に予言したF90型M5のベストなバージョンと呼べる「比類ないスペシャルな一台」に仕上がっているのだろうか。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

あちこちに剥き出しのカーボンファイバーと、BMWがゴールドブロンズと呼ぶ目を引く色合いの装飾が、M5 CS独自のエクステリアのマテリアル的なキーとなっている。

キドニーグリルとホイールは特徴的なサテンブロンズ。新型ボンネットやフロントバンパーのエアダクトのエッジ、フロントスプリッターやリアのスポイラーとディフューザー、ドアミラーはカーボンだ。

エンジニアリング面の変更にはいくつかの狙いがあるが、そのひとつが軽量化である。カーボンFRPのボンネット、標準装着の20インチ鍛造ホイールとカーボンセラミックブレーキ、広範囲にわたるディテールやインテリアの改修により、M5コンペティション比で70kgを削減している。もっとも、テスト車の実測値は、そこまで軽くなかったが。

とはいえ、M5 CSはスパルタンなサーキットスペシャルだったM4 GTSのようなクルマではなく、デジタルテクノロジーなどもフル装備した高級パフォーマンスカーだ。

ダンパーは、昨年にM8グランクーペで導入されたものを流用し、前後ともスプリングとスタビライザーのセッティングが変更され、車高は7mmダウン。しかし、もっとも重要なのは、急激な輪荷重の変化を排斥したこと。それこそ、乗り心地と限界域でのハンドリングにおける、F90型M5最大の弱点だった点だ。

エンジンはS63型4.4L V8。もちろん、スタンダードなM5だけでなく、先代M5やX5 M/X6 Mにも搭載されたMの主力ユニットのひとつで、M5 CSに用意されたものはこれをベースに手が加えられた。

エンジンマウントは、M5コンペティション用のハードなもの。改良版ターボチャージャーと、過去最高圧の燃料インジェクターを与えられた。フロントには小さなオイルパンと可変オイルポンプが追加され、サーキット走行時の潤滑不足を予防している。

出力は、M5コンペティションより10psアップしたにすぎない。しかし、635ps/76.5kg-mというスペックは、BMWのロードカー史上最強。物足りないという不満が出ることはなさそうだ。

内装 ★★★★★★★★★☆

数多くの小規模アップデートとパフォーマンスカーらしさを強調するモディファイは、M5 CSのインテリアに大きな差別化をもたらした。

まず、ステアリングホイールはリムがアルカンターラ巻きで、グロスブラックのトリムが追加されている。シフトパドルはカーボンファイバーだ。レザーのトリムには、新たに赤いステッチが施された。M5コンペティションにあったアームレスト部の小物入れは、軽量化のために排除され、レザーの固定式カバーで覆われた。

そして、ダッシュボードにはCSのロゴが記される。それでも、G30世代の5シリーズにみられる高い質感は広範囲でそのままに残されている。

フロントのMカーボン軽量シートは、M5としては初採用。今年初めに登場したM3とM4のコンペティション仕様に装着されたそれとは、デザインや配色が多少違っている。ところが、座面前方の中央に盛り上がった、硬いカーボンの奇妙なインサートは残されている。

運転席の着座高は、現行M5のどのモデルよりも低く、座ってすぐにスペシャルなものだと感じるドライビングポジションとなっている。オフセットはまったくなく、じつに低く、この上なくホールド性に優れる。サポート部はアグレッシブな見た目だが、長距離走行でも快適だ。

もちろん、BMWが大型セダンらしい実用性の点で妥協していたら、このクルマは究極のM5になれなかっただろう。後席も大人が快適に過ごせるようになっているが、3座ベンチではなく、左右セパレートのバケット風シートが2脚据え付けられている。

つまり、乗車定員は4名。中央にはクッションもシートベルトもなく、オプションでさえ可倒機構は用意されない。

標準装備には、デジタル計器盤やカラーで大きな表示のヘッドアップディスプレイが含まれ、どの情報をどのようなスタイルで表示したいか、好みに合わせて選択と設定ができる。

M仕様のディスプレイモードは、必要とされた情報を効果的に見せるためにフォーカスと単純化が図られるが、それでもやや派手なところがある。こう少しクリーンでシンプルにできたのではないだろうか。

走り ★★★★★★★★★★

結局、問題は重量だ。このクルマはたしかに、BMW M史上最強のロードカーかもしれない。とはいえ、満タンで1940kgというテスト車の実測値は、2018年に計測したF90型のオリジナルM5とまったく変わらない。

また、トルクバンドは広がっているが、76.5kg-mというピーク値はやはりベースモデルと同じである。となると、加速タイムにどれほどの向上がみられるのか、疑問に思うところだ。

ところが、である。ベーシックなM5は3年前のテストにおいて、3.3秒で97km/h、7.5秒で161km/hに達したが、今回のCSはそれぞれ3秒フラットと6.8秒でこなしてみせたのだから、ちょっとした驚きだ。

ただし、テスト車のタイヤがミシュラン・パイロットスポーツ4Sだったことは一考に値する。これがピレリPゼロ・コルサを履く仕様だったら、コンマ1~2秒は余分にかかっていただろう。

ただし、どちらのタイヤを履いていても、この2t近い4シーターの高級セダンは、制限速度までスーパーカー並みの加速をみせる。ゼロヨンはポルシェ・タイカン・ターボSと同タイムで、ゼロ1000はポルシェより速い。

あらゆる点で地上最強の4ドアかといえば、そんなことはない。エンジン車でもEVでも、このM5 CSをパワーやスピードで凌ぐクルマはわずかながら存在する。しかし、その差はわずかなもので、取るに足らないものだと思える程度。なにより、公道上でその差に気づくことはないはずだ。

全開加速は、まさしく息を呑むような体験だ。BMWがこのエンジンに施したアップデートは、これまでの現行M5のいかなるバリエーションより優れた中間域のスロットルレスポンスを狙ったもので、さらにレッドゾーンの7200rpmでのよりフリーなパワーデリバリーも目指した。そして、明らかにこれまでより本格的な、ソソるサウンドもこのCSは手に入れている。

トルク特性は幅を持たせた怒涛のような感覚は影を潜め、右足の踏み込み量に対して正確にトルク量が規定されるような精密なものとなった。そして、6000rpmを超えてもそれが続く。いまだに、それを叶えるターボのハイパフォーマンスユニットはきわめて少ない。

それに伴うV8サウンドは、M5コンペティションと比べても生のままという感じがやや強い。これはステンレス素材を用いた新設計のアクティブエキゾーストを装着しただけでなく、車体全体から遮音材を減らしたことにもよる。また、カーボンファイバーのボンネットも、エンジン音をワイルドにする一因だ。

最初にパワーをかけるときには、吸気音も大きく聞こえてくる。そこから回転を上げるにつれて、タービンの叫びもより激しく響く。これに、先に述べたドラマティックなエキゾーストノートが重なるのだ。

さらに、ここにデジタル合成されたエンジン音が添加されるのだが、これもほかのM5よりずっと効果的に使えている。それらすべてが相まって、じつに好ましい、正真正銘のパフォーマンスカーらしいキャラクターを演出してくれるのだ。

使い勝手 ★★★★★★★★★★

インフォテインメント

14万ポンド(約1960万円)級のMモデルとなれば、インフォテインメントシステムは充実していることを期待したくなる。そしてBMWは、おそらくこれ以上のデバイスを提供することができなかったと思えるものを用意してきた。

12.3インチのタッチ式画面と最新バージョンのソフトウェアであるOS7.0を備えるライブコクピットプロフェッショナル、同じく12.3インチ画面を用いたデジタルメーターパネル、M仕様の十分なサイズのあるヘッドアップディスプレイは標準装備だ。

エンハンストBluetooth通話システムやワイヤレス充電といった携帯電話関連アイテム、Wi-fiホットスポットもスタンダード。ハーマンカードン製プレミアムオーディオもついてくる。

インフォテインメントシステムは、いまの市場を見回しても、これより使い方がわかりやすく扱いやすいものはないだろう。iDriveの実体入力デバイスは引き続き設置されるが、音声入力も使用でき、各コマンドごとに特定のフレーズを覚えてしまえば確実に認識してくれる。ただし、それでもタッチ式画面やダイヤル式コントローラーのほうが使いやすいことが多い。

コネクティッドパッケージプロフェッショナルも標準装備。これには車載データSIMと、クラウドをベースにしたナビゲーションのルート案内など、ネットワーク常時接続でのサービスが含まれる。

燈火類

BMWのレーザーライトLEDヘッドライトを標準装備するが、ほかの装着車に見られる派手なブルーのアクセントはついていない。照射範囲もアダプティブビームの性能もエクセレントだが、絶対的な明るさはやや期待に届かない。

ステアリングとペダル

ブレーキペダルはわずかに右へオフセットしているが、ペダルの幅は左足操作するにも十分な幅がある。足元は広く、ステアリングコラムの調整幅も有り余るほどだ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★★

BMWは2020年のマイナーチェンジで、M5に走行モードの新たなスタイルを採用した。タッチ式画面のグリッドが入ったメニューから、サスペンションやステアリング、エンジンや駆動系、そして電子制御のセッティングを調整するものだ。

いうまでもなく、設定の選択肢は多岐にわたる。しかし、自分の好みはもちろん、特定の道路や天候のコンディション、また走らせ方に合ったセッティングのコンビネーションを見つけ、それにアクセスできるチャンスを大いに高めてくれるのが、ステアリングホイール越しにのぞくM1/M2スイッチだ。

このスイッチは、長押しで特定の組み合わせをセーブするだけでなく、短く2回押せば素早く簡単に元に戻すこともできる。それができることで、このクルマの運転の複雑な部分を徐々に手なずけ、求められる性質をより上質なものにしてくれる。ライバルに、こういうやり方をするものはまだ見られない。

もちろん、これ以前のF90型の各モデルと比べて、シンプルに楽しみは増している。CSのサスペンションは、コンペティションのそれより、上下方向のボディコントロールをずっとスムースで落ち着いたものにしている。

ホイールトラベルがこれ以外のM5より減っているにもかかわらず、ダンパーをソフトなセッティングにしておけば、バンプを踏み越える際にもよりしなやかで巧みにいなしてくれる。通常モデルなら暴れてしまいそうなB級道路でも、挙動は安定して過剰な動きが出ない。

それよりスムースな路面なら、サスペンションをスポーツモードにしても実用に十分足る。ボディコントロールはまさしくタイトになり、それをより魅力的にするのが、アルカンターラ巻きのリム越しに感じる改善されたステアリングのフィードバックだ。より予測しやすく穏やかな、2WDモードでの後輪グリップレベルやドリフト角も効いている。

いかなるときも、M5 CSのハンドリングは、このサイズとウェイトのクルマとしてはじつに俊敏で直感的に感じられ、すばらしくバランスに優れる。M5コンペティションもそうだった、と思うかもしれない。しかし、CSのほうが限界を掴みやすく、一体感がはるかに高く、接地感が一貫し、ずっとスペシャル感の強いドライバーズカーに仕上がっている。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

ほかのスーパーセダン以上に走りを重視したM5 CSは、クルージングの洗練性がわずかながら犠牲になっている。ただし、覚悟していたほどではないが。

これは、そのポジショニングを考えれば、きわめて快適な乗り心地のクルマだ。バンピーで平坦ではないB級道路でも、既存のM5よりなめらか。ホイールトラベルが限定されているが、ピリピリしたアグレッシブな乗り心地をみせるのは、低速走行時に大きく鋭い入力があったときくらいだ。

身体がスポーツシートの形状にフィットしさえすれば、ほかの速い大型高級サルーンと変わらず日常使いできるはずだ。ちなみに、テスター陣でもっとも体重のあるメンバーでも、まったく不満を口にしなかった。

ただし騒音レベルは、Mディヴィジョンが遮音材を取り去ったことを明確に物語っている。2018年のM5が80km/hで65dBA、113km/hで68dBAだったが、CSはそれぞれ69dBAと73dBA。その差は明らかにわかるが、これはロードノイズとエンジン音のミックスされたものだ。

長距離走行でも耐えられないようなことはない。もっとも同乗者は、長時間乗るならヘッドフォンや耳栓をほしがるかもしれないが。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

M5 CSの14万780ポンド(約1971万円)という価格は、容易に受け入れられるものではない。5年前に登場した限定車のM4 GTSと比べても、それよりさらに2万ポンド(約280万円)も高いのだ。しかも、生産期間がそれほど長くはならないものの、実質的にみて限定生産車ではないのだ。

仕向地ごとの販売台数は不明だが、英国ではデポジットありの受注がスタートしており、すでにキャンセル待ちのリストもできているという。それゆえ、急速に値落ちしがちな通常のM5より、高い残価率が見込めそうだ。

英国BMWは、ほぼフル装備状態で販売する。ヘッドアップディスプレイやレーザーライトLEDヘッドライト、Mカーボンファイバーバケットシート、さらにハーマンカードン製オーディオまでもが車両価格に込みだ。

ボディカラーは、ブランズハッチグレー・メタリック、インディヴィデュアルフローズン・ブランズハッチグレー、インディヴィデュアルフローズン・ディープグリーンの3色で、どれも追加コストなしで選べる。

ブレーキキャリパーの色はゴールドかレッドで、これも無償で選択できる。つまり、このクルマを購入しようと思った場合、頭を悩ませるチョイスは思ったよりはるかに少ないのだ。

スペック

レイアウト

BMWのモジュラープラットフォームである、クラスターアーキテクチャー(CLAR)がベース。BMWの伝統的な、縦置きFRレイアウトをもとに、スリップを検知した際に駆動力を前輪へも配分する機構を搭載する。

サスペンションはコイルスプリングを使用し、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク。テスト車の前後重量配分は実測52:48で、2018年に計測したM5の54:46よりややリア寄りだった。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒4395ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ89.0×88.3mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:635ps/6000rpm
最大トルク:76.5kg-m/1800-5600rpm
エンジン許容回転数:7200rpm
馬力荷重比:348ps/t
トルク荷重比:41.9kg-m/t
エンジン比出力:144ps/L

ボディ/シャシー

全長:5001mm
ホイールベース:2982mm
オーバーハング(前):902mm
オーバーハング(後):1117mm

全幅(ミラー含む):2140mm
全幅(両ドア開き):3680mm

全高:1468mm
全高:(トランクリッド開き):1710mm

足元長さ(前席):最大1080mm
足元長さ(後席):830mm
座面~天井(前席):最大1000mm
座面~天井(後席):950mm

積載容量:530L

構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:1825kg(公称値)/1940kg(実測値)
抗力係数:0.33
ホイール前/後:9.5Jx20/10.5Jx20
タイヤ前/後:275/35 R20 102Y/285/35 R20 104Y
ミシュラン・パイロットスポーツ4S
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.00/8.5
2速:3.20/13.2
3速:2.14/19.8
4速:1.72/24.6
5速:1.31/32.3
6速:1.00/42.3
7速:0.82/51.5
8速:0.64/66.0
最終減速比:3.15:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.5km/L
ツーリング:11.4km/L
動力性能計測時:2.5km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.7km/L
中速(郊外):9.5~9.6km/L
高速(高速道路):11.0km/L
超高速:10.1km/L
混合:8.9km/L

燃料タンク容量:68L
現実的な航続距離:446km
CO2排出量:256g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:12.6m

ブレーキ

前:400mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:396mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ設置

静粛性

アイドリング:49dB
全開時(4速):86dB
48km/h走行時:65dB
80km/h走行時:69dB
113km/h走行時:73dB

安全装備

ABS/DSC/EBD/EBA/AEB/LKA/CBC/DBC
Euro N CAP:5つ星(520d、2017年)
乗員保護性能:成人91%/子供85%
交通弱者保護性能:81%
安全補助装置性能:59%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温22℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):1.9秒
0-50(80):2.4秒
0-60(97):3.0秒
0-70(113):3.8秒
0-80(129):4.7秒
0-90(145):5.7秒
0-100(161):6.8秒
0-110(177):8.2秒
0-120(193):9.6秒
0-130(209):11.4秒
0-140(225):13.9秒
0-150(241):16.4秒
0-160(257):19.4秒
0-402m発進加速:11.1秒(到達速度:207.3km/h)
0-1000m発進加速:20.3秒(到達速度:261.5km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
メルセデスAMG GT63 4ドアクーペ 4マチック+(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):1.9秒
0-50(80):2.5秒
0-60(97):3.3秒
0-70(113):4.1秒
0-80(129):5.2秒
0-90(145):6.3秒
0-100(161):7.7秒
0-110(177):9.1秒
0-120(193):10.9秒
0-130(209):12.9秒
0-140(225):15.2秒
0-150(241):18.4秒
0-160(257):22.2秒
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:198.9km/h)
0-1000m発進加速:20.9秒(到達速度:252.5km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.3秒(2速)/2.0秒(3速)/2.7秒(4速)

30-50(48-80):1.2秒(2速)/1.5秒(3速)/2.0秒(4速)/2.9秒(5速)/4.8秒(6速)

40-60(64-97):1.5秒(3速)/1.8秒(4速)/2.4秒(5速)/3.6秒(6速)/5.4秒(7速)/10.3秒(8速)

50-70(80-113):1.6秒(3速)/1.8秒(4速)/2.4秒(5速)/3.1秒(6速)/4.3秒(7速)/7.9秒(8速)

60-80(97-129):1.7秒(3速)/1.9秒(4速)/2.5秒(5速)/3.2秒(6速)/4.1秒(7速)/6.4秒(8速)

70-90(113-145):2.0秒(4速)/2.5秒(5速)/3.4秒(6速)/4.3秒(7速)/5.8秒(8速)

80-100(129-161):2.2秒(4速)/2.6秒(5速)/3.5秒(6速)/4.6秒(7速)/6.2秒(8速)

90-110(145-177):2.8秒(5速)/3.6秒(6速)/4.7秒(7速)/6.7秒(8速)

100-120(161-193):2.9秒(5速)/3.8秒(6速)/4.9秒(7速)/7.3秒(8速)

110-130(177-209):3.2秒(5速)/4.1秒(6速)/5.3秒(7速)/8.2秒(8速)

120-140(193-225):3.8秒(5速)/4.3秒(6速)/5.9秒(7速)

130-150(209-241):4.8秒(6速)/6.4秒(7速)

140-160(225-257):5.3秒(6速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温22℃
30-0マイル/時(48km/h):7.6m
50-0マイル/時(64km/h):21.0m
70-0マイル/時(80km/h):40.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.40秒

ライバルの制動距離メルセデスAMG GT63 4ドアクーペ 4マチック+(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.3m
70-0マイル/時(80km/h):45.3m

各ギアの最高速

1速:61.2km/h(7200rpm)
2速:95.0km/h(7200rpm)
3速:141.6km/h(7200rpm)
4速:177.0km/h(7200rpm)
5速:231.7km/h(7200rpm)
6速:304.2km/h(7200rpm)
7速:305.8km/h(5932rpm)
8速(公称値):305.8km/h(4630rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1706rpm/1949rpm

結論 ★★★★★★★★★★

M5 CSは、鵜の目鷹の目で鍛え上げられたみごとなドライバーズカーだ。ライバルたちがロールケージやレーシングハーネスまでも装備するような熱狂ぶりを見せるなか、BMW Mはこのセグメントらしい日常での万能性を忠実に守り続けている。

なぜなら、もしも究極のM5が、ほかのM5のバリエーションに備わる実用性を犠牲にして高みを目指そうとしたなら、それは本分を見失うことになるから。そうといってしまってもいいのではないだろうか。

このスペシャルさを高めたM5は、実用性やしつけのよさをほぼ失っていない。しかも、10万1000ポンド(約1414万円)の、英国では標準モデルとなるM5コンペティションと比べて、大幅な飛躍をみせている。それも単にパフォーマンスだけでなく、手応えのフィールや乗り心地の落ち着き、ハンドリングの上質さなど、走らせ甲斐を高めてくれるすべてにおいてだ。

残念な点があるとすれば、Mディヴィジョンにとっての究極のM5は、あくまでもM5というくくりにおける究極型であって、究極のMモデルを意味するものではないとわかったことだ。サーキットを走らせるなら、M2 CSやM3コンペティションを凌ぐことはできない、と言い換えてもいい。

しかし、最新のスーパーセダンが発揮するタイヤを削るようなパワフルさやとてつもない速さという点においては、これを超えるライバルが思いつかない。肉薄できるものさえありはしない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースCSは、完璧にスムースな舗装の上なら、おそらくコンペティションより10%ほどグリップレベルが高い。しかし、荒れた路面ではずっと落ち着きのあるクルマに感じられる。たぶん、熱中度は5割増しといったところで、F90型M5のターニングポイントのように思える。

リチャード・レーンこれは変化したというより、完成度が増したM5という印象だ。BMWがコアとなるヴァリューはそのままに、弱点だけを修正したのはうれしい限りだ。しかし、14万ポンド(約1960万円)以上支払うなら、もっとドラマティックなものを期待するユーザーもいるだろう。

オプション追加のアドバイス

英国仕様のスペックは、じつにシンプルな設定だ。マットなボディカラーがお気に召さなければ、選べるのはブランズハッチグレーのみ。ゴールドブロンズのエクステリアパーツには、ゴールドのブレーキキャリパーがマッチする。

改善してほしいポイント

・今後もラインナップから外さないでもらいたい。この究極のM5は、この世代随一のバリエーションになるはずだ。
・このクルマのダンパーとエキゾーストは、通常のM5やM5コンペティションにも装着してほしい。

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